⛩【菊と稲荷】プロローグ。 | 神仏広告代理店

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【菊と稲荷】

今日変なことがあった。

 

 

 

ただ少し山や神社が好きであるということを除いて、

 

ふつーーーの主婦である私は今日、

 

ずっと前から、来よう、来ようと思っていた場所にいた。

 

 

 



六甲山の西側に位置する独立峰。

 

高取山。

 


その頂上に高取神社はあった。





何度か前を通り過ぎることはあったけど、

その鳥居をくぐったことはなくて。

 



突然思い立った私は、

 

夏の終わりに高取神社を参拝することにした。





最初に本殿にいた時は、何も感じなかった。



だいたい初めての場所ではそんな感じ。

 



何度も通ううちに、

そこの神様が単語ひとつをポンとくださったり、

おみくじで質問にドンピシャな答えを返してくださるようになる。



「まあ、そうだわな。初めての場所だし」
 

 

 



本殿を出ると奥宮に続く道がある。

 

私はより山頂の奥宮に行くことにした。



階段を登ると広場があり、神様方が祀られている。


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その奥の森の中の小径にいらっしゃる

神様方にも挨拶をしたりしていた。

 


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「大己貴大神さまだー。

 こちらの神様とのご縁が結ばれますように♪」



山頂の奥宮に挨拶を済ませ

森を出た私は、また本殿に向かった。




とにかく街が一望できる高度。標高328m。



この日は涼しくて、

 

もう秋の表情の空に私は包まれていた。

 


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再び本殿に戻った私は、

 

社務所で神札を授与して頂いた。
 

 

 


時々私は、お守りや神札を本殿のご神前で出して

 

さらにご神気を頂く♪



この時もるんるんと神札を袋から出し、

手にしたまま何か言葉が頂けないか目をつむった。
 



蝉の声が聞こえる。


お線香の香りがする。





………ここ、気持ちいいなー。






そう思ったときだった。





ふと顔を上げると





そこに美しい誰かが立っていた……。
 
 
 
 
 
…………

………誰?
 
 

…………
…………




…………固まる私。






この人は……何?



っていうか……「人」?

 
 
 
 
 
 

「………………」
 
 
「………………」
 
 

フリーズしている私に
 
その謎の存在は突然言った。

 


謎の存在(以下:謎)「よっ」




菊田(以下:菊「………。

…よっ。

(しゃ、喋った…!?

ていうか、普通に挨拶返しちゃった!!)
 
 
 
 
「お前の肩書きは何じゃ」



(……え? なに、急に?)
 
……肩書き……? ですか?」




「勝手になんかの親善大使とか名乗っておるであろう」

「……勝手に…………”六甲親善大使” です……」
 
(ちなみにコチラ以前のBlogヘッダー↓↓↓)




「ではお前の得意の神は何じゃ」

「(得意? 得意の神ってなに?

好きな神様でいいの……?)
……お稲荷さん……ですか……?」




「ここはどこじゃ」

「高取山の高取神社……です」




「ここは六甲山。

 六甲の『高取稲荷大神』と呼ばれる場所じゃ」
 

菊「……(O_O)!!
 
は、はぁ……」

 
 

「六甲山と稲荷。

この二つがここでは強く重なり合っておる。

だからお前は ”接続”  することができたのじゃ」
 


接続?
 
 
 
 
何の接続?
 
 
 

……と思いながらも突然のことに、
 
頭の中が冷静なのかパニックなのか……
 
 
ぐるぐると自分でも見失っている状態だった。





「本当なら、もっと早く繋ぐこともできたのに……
 
遅い。来るのが遅い! 

お前、いつからここに来る宣言をしていた?
 

「え、えーと……なんのことでしょう…? ((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル」
 
 

「2017年7月28日のfacebookで
『高取神社に来る』と宣言しとるやないか!」
ぎゃー……ッ! 1年以上前!! 
なんで知ってるの!コワッ。。💧
 
 
 
 
 

「……お前」

 
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菊「え。いや。そういう……別に怖いと言ってもそんな……」



そう言って、ちらっと見た謎の存在(神様? なのかな??)は、

少し固まったような表情をしていた。






「……なぜじゃ」

菊「?」






「なぜそうやって怖がる」

菊「……え?」






「なぜ人間はそうやって我ら、『稲荷』のことを怖がるのか」

菊「……」





そういうと謎の存在(口ぶりから察するに、
 
お稲荷さん?なのかな?)は、目線を下に落とした。
 
 
 

あれ…… 神様、悲しんでる……?
 
そう思ったその時だった。
 
 


「トヨウケヒメ様!違うの!この人は違うの!」

「!!!ッ なんかが喋った!!
って、あれ……?」
 
 


見るとそれは、私の子どもが描いた
 
イラストそっくりの子狐二匹……。
 
 
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え!?
 
え!? 何コレ?
 
ちょっ!! なんで!?
 
なんで喋ってんの!?
 
 
 
 
狐1「トヨウケヒメ様が急に怖い顔するから、怖がらせちゃったんだよー!」
 
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狐2「そういうとこ! そういうとこー!」
 
 
 
 
「(え!? なに!? 狐が神さまに説教してる!?)」
 
 
 
 
トヨウケヒメ「そ、そうか……」
 
 
 
 
「(しかもなんか反省してはるやん!!)」





突然出現した子狐2体と、
 
豊受姫命さま?(という神様らしい)の会話にクラクラする私。

……何が突然どうなった???

 
 

豊受姫命(以下:豊)「……お前たちは高野山※今いる所は六甲山)の清高稲荷大明神の眷属か」
 
 
子狐1「ハイ。清高組の眷属です♪ この人に憑いてるの♪
 
この人、僕らのいる高野山によく来てくれるから、僕らもついてきちゃった♪

『菊ちゃん』って言うんだよ」
 
 
子狐2「この人は稲荷を愛してるんだよー。トロいけど(笑)」
 
 
菊「(トロい……だと? まあ相当適当でトロいけど……💧
 
てか、私についてたの? この子達…)」
 
 
 

「……高野山ばかり行きおって。

お前は ”勝手に高野山親善大使”か(溜息)」
 
 

菊「あ”ーーー。。。申し訳ありません。行く行く詐欺でした。
 
高野山の清高稲荷大明神さまが大好きでして……つい〜」
 
 
 

「………」
 



き「というか神様……。さっきから伺っていると、

豊受姫命様でおわしまされるのであり奉りますか」
 

「日本語が崩壊しておる。落ち着け」

 
 

……チラリ。



「お前、今……尻尾がないか確認したろう」
(バレバレ!!!!)
 
 

「稲荷神は狐ではない。

お前、稲荷好きなのにそんなことも知らんのか??💧」




豊受姫命は呆れ気味にそう言った。



「その分じゃ、清高稲荷大明神のことも

狐で想像していそうだな(笑)」


「!!」




「まあよいわ。
 
その誤解にももう慣れた…。
 
しかし稲荷好きのお前がそうなのか……」

と、何かを言いかけた時に本殿に参拝者が現れた。




参拝者の打つ柏手が本殿に響く。
 
ここはとてもその響きが心地よい。






「聞いたか。ここはよく響くであろう?

この山上の宮に柏手が響くと安心する……」





豊受姫命は参拝者を見送り、少し微笑みながらそう言った。





「……私は柏手の音を聞くのが嬉しくてな」

菊「……はい」




風が神幕を揺らす。

豊受姫命は遠くの空を見ていた。



いや、遠くなのか近くなのか。
 
この宮にいると空の中に混ざるような気もしてくる。




そんな天空の宮にいて、
 
豊受姫命が遠くを見たまま小さく続けた。





「……なぜそれさえ聞かせてもらえない、稲荷がいるのか」


菊「?」





「なぜ何もしていないのに、我ら稲荷は怖がられるのか。
 
 
 
 
ここには心を込めて世話をしてくれる宮司もいる。


山上なのに毎日参拝するものも多い。



 
 
ここよりも人が多く住む場所にありながら、なぜ……」




そう呟くと豊受姫命はこちらを見て言った。




「だいたいなぜお前はそんな嫌われ稲荷のところにあしげく通う?」

菊「……(なぜに自虐的!?)
 
……な、なんででしょう……いつの間にか」



「……」



き「清高稲荷大明神さまのところも伏見稲荷も、
 
普通に山で自然で……」



「 ……」



菊「思っていたのと違ったんです。
 
もっとこう〜 欲まみれみたいな空気かと思っていたら
 
めっちゃ普通に山で。びっくりして。……気持ちよくて」


「 ……」
 
 
菊「こんな場所にいる神様、いい神様に決まってるなって♡」
 
 


「………。

……お前には、それを伝えてほしい」



「……え?」




「世の稲荷に対する誤解を、解いてほしいのだ」







山上の宮に、秋へと変化していく風がまた吹き抜けた。
 
 
 

……確かに私は六甲山とお稲荷さんが好きだ。
 
 
 
だからこそ「勝手に六甲親善大使」も名乗っていたし、
 
稲荷神社にも何度も通いつめていた。
 
 
 
 
でも、でも、でも!!
 
本当にお稲荷さんが出てくるなんて
 
フツー思わないじゃん……
 
 
しかも困ってるっぽい!!
 
 
 
 
どうしてこんなことになったのかわからないけど……。
 
頼まれた(?)ことは、
 
 
『世間一般で怖い認定されている、お稲荷さんの誤解を解く』
 
 
……をやれば……いいのかな……?


  
 

………

………



「……お前、たぬき顔だけど(ボソッ)

菊「は?」
 
 

子狐「プッ。
 
『タヌキがキツネのことを書く』……(笑)
 
稲荷はキツネじゃないけど……ププッ……」
 
「いや、なに笑ってんの??」
 
 


振り返るともう豊受姫命さまの姿はそこになかった。







ボーゼンと突っ立っている私に子狐眷属さんたちは言った。




子狐1「期待してるって」

子狐2「ママに期待してるって。全国の稲荷が」


ぜ、全国ッ??? っていうか ”ママ” ? 」


子狐「だって子どもたちそう呼んでるし」



確かに息子二人はそう呼んでいる。




………

………




とにかく訳が分からない。
 
 
 
確かに私はお稲荷さんが大好きだったし、
 
これまでもブログでそんな発信をしてきたけど…

 
 
でも
 
 
 
 
どうやら六甲山頂の稲荷神社の神様は、


私と”神様”の回路をガッチリ接続したようだ。
 
 
《続く》
 
 
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