【菊と稲荷】の始まりの物語はコチラです→『プロローグ。』
<あらすじ>
『怖いと思われている稲荷の誤解を解いてほしい』
その言葉と共に、六甲山の高取神社で
「神様」という存在に、接続してもらった私。
前からついていたという高野山の清高稲荷大明神さまの
子狐眷属の姿も確認できるようになり、
奇妙な共同生活(?)が始まっていた。
***
続きです。これまでのお話。
菊「太々神楽、楽しみだなー♪」
子狐1「太々神楽って何?」
菊「西宮えびすのお祭りで、5月1日から10日間もあるんだけどね♪
あちこちの諸団体が神楽奉納をしはるお祭りなん。
私の入っているえびす講の神楽奉納もあって、昇殿参拝もできるんだー♡」
子狐2「昇殿参拝!✨ いいねー♡」
菊「初めて昇殿したのが去年の太々神楽の時だったからね。
感動したなー……♡」
菊「今年は御代代わりのタイミングにバッチリあってるから、
もう祭も祭!って感じがするわ……✨」
本当にこのタイミングはすごい。
しかも今年は西宮神社の秋の大祭で行われる『海上渡御』が
20周年記念ということで、普段よりも遠い和田岬までの渡御となる。
菊「たまたまとはいえ、このタイミング……✨
えびす大神さま、ご存知だったのかな? と思うくらいやわ」
子狐2「えびす大神さまって、お笑いの神様だったっけ?」
菊「間違ってもない気がするけど(笑)一般的には
商売繁昌の福の神♪……海上安全とか、漁業の神様でもあるね」
とか説明しつつ……
実はこのえびす大神……こと
蛭子命(ヒルコノミコト)は、謎多き神でして。
菊「事代主神さまを解読している時に、えびす神を調べた中で、
蛭子命さまのこともたくさん目にしたんだよねー。
そうしたら、そんな説が!みたいなのもあってびっくりしたわ。
にしても」
子狐1「にしても?」
菊「ヒルコノミコトっていう呼び方、萌えるわーーーー✨」
子狐2「ヒルコノミコトっていう御名、かわいくていらっしゃるね♡」
菊「でも当てられている漢字が、虫?の "ヒル" なんだよねー」
(かわいいイラストがあってよかった……💧)
菊「そういう漢字からのイメージもあって……」
なんか可哀想な設定が加速している蛭子命。
『古事記』と『日本書紀』では、少しだけ登場シーンが異なっている。
イザナギとイザナミから生まれているのは同じ。
『古事記』では最初に生まれたものの水蛭子(ヒルコ)だったために
葦で作った船に乗せて流して捨ててしまう。
『日本書紀』ではオオヒルメとツキヨミの後に生まれたヒルコだけど、
3歳になっても足で立つことができなかったので、
スサノオの次に生まれたトリノイワクスフネ(船)に乗せて流してしまう。
菊「イザナギさま、イザナミさまの最初の方の子として誕生し、海に流される。
そこは共通の設定なんだよね」
で、この「蛭子」という漢字なんだけど。
もともと『古事記』は大和言葉に漢字を当てて書かれている。
だから「音」は正解だけど「漢字」の正解不正解は分からない。
よって本来『ヒルコ』が『蛭』『子』だとは限らない。
というのに加え、
天照大御神の別名「オオヒルメ」と似た音の名前であるため、
日る姫 = ヒルヒメ = ヒルメ
日る彦 = ヒルヒコ = ヒルコ
という具合に、生まれた順番からしても
男神女神の双子なのでは?という割と有名な説があるのです。
菊「まあ私も、この御本をパラパラ見て、
このイラストに目が止まって知った感じなんですけど」
昔の日本では双子は「忌み子」とされ、
一人だけ残すよう、様々な方法で計らった時代がありました。
双子登場の最古は『日本書紀』の大碓皇子と小碓尊の記述。
『ヤマトタケル』のお話です。
ここでもヤマトタケルである小碓尊は、双子の兄を殺したとされています。
菊「そういう風習もあって、双子のヒルコとヒルメの片方である
ヒルコは、海に流され棄てられた……って設定になったのかな」
すてられたものの……
その名前から実は「太陽神」なのではないか?
という説もありまして。
菊「………なんかねー。"海の神様" って言っても、
素直に "海の神様" って感じが……しないんだよね。
……太陽神……うーん」
菊「いや、せやろ?(笑)と言われましても!」
商売繁昌の福の神。
でも、知る人ぞ知る
天照大御神との双子説による
太陽神……。
菊「ヒルコノミコト。
なんか……なんか上手く掴めそうで」
『コトシロヌシ』という同じえびす神を解読した私は、
自分の人生にとって、一番長く通っている神社の主祭神である
『ヒルコノミコト』のことももっと知りたいと興味が湧いた。
《続く》
⛩【菊と稲荷】次のお話はこちら*
星語りリトリート in 星田妙見宮
集合場所*JR星田駅
募集人数*
参加費*6,000円(交通費・飲食費は各自負担)
現在、本殿にて清め祓いして頂いたカードを社務所にて頂けます。