【菊と稲荷】の始まりの物語はコチラです→『プロローグ。』
<あらすじ>
『怖いと思われている稲荷の誤解を解いてほしい』
その言葉と共に、六甲山の高取神社で
「神様」という存在に、接続してもらった私。
前からついていたという高野山の清高稲荷大明神さまの
子狐眷属の姿も確認できるようになり、
奇妙な共同生活(?)が始まっていた。
***
思い出していた。洗濯物を干しながら。
一昨日のこと。
清高稲荷大明神さまの『夏縁祭』のこと。
一人一人、一緒に過ごしたみんなの姿を思い出していて、
その時にふと考えた。
あのお祭りがくれたものって何だったんだろ?
その時にポンと現れた言葉。
「共有」
菊「……………共有。
あ、それって」
私は清高稲荷大明神が渡してくれた言葉を思い出して
視界がぼやけた。
菊「お供え物がいっぱい♡」
11月8日の大祭の時は、正面の机は「祭」に必要なものが並べられているけど、
今日の夏祭りは「楽しむお祭り♪」
だから全部がお供え物!✨
菊「めっちゃ可愛い!!!」
虹色で描かれた素敵な奉納イラスト*
眷属さまがニコニコされていて、とても温かで澄んだ想いが溢れていました。
菊「上手だなー♡ 愛を感じる!」
自分も絵を奉納してるけど、こうやって改めて拝見すると、
奉納画や奉納舞などなど……そういうものって、
神様の人気のバロメーターという気もするなあって思った。
菊「もちろんお供え物の全てがそれなんだけど♡
見ているだけで嬉しくなる!!!」
私が奉納したのは近所の美味しいクッキー詰め合わせと、
今回作らせて頂いたおみくじセット。
そして伏見稲荷で選んできた、美しい和ろうそく。
ずらり並んだ高野山名物・焼き餅を見ながら、
清高稲荷大明神さまに話しかけた。
菊「清高稲荷大明神さま♪ 夏祭り、良かったですね♡
お祭りはいいですね……こんなにお供え物がずらりで、私も嬉しさだらけです♪」
清高稲荷大明神(以下:清)「欲が出るなあ♪」
すぐに返ってきた清高稲荷大明神の言葉が新鮮だった。
"みんな" ……
眷属さまもたくさんに増えてきてはるんだろうなー♡
清「流れの速さを感じる。
流れが起こっているんだから、そこは流すのが当然だ。
今なら欲を出してもいい♪」
菊「今だからなんですか?」
清「ああ。そうだ。
流れがなければ欲を出しても虚しいだけだ。
でも今はこう……叶うのが見える」
菊「叶うのが見える……
神様も叶えたいんですか……?」
清高稲荷大明神はニコニコしている。
清「叶えたいよ! 私たちだって人と同じだ。
喜びたいし、みんなで笑っていたい♪
喜びがあるから、仕事をしようと思うんだ。人と同じだ♪」
浴衣美人もたくさんで、私がうっとり♡
子狐2「来年はママも浴衣着たら?」
菊「……余裕があったら是非に💧」
浴衣を着ようなどと1mmも思いつかなかった自分に苦笑いしつつ、
木陰エリアで少し陰ったのをいいことに、
さっさとライティングもしちゃったりする演出命の私!(笑♪)
お供の招きお狐さまたち♡
どこで手に入るんですかー?と質問され、
高宝院稲荷大明神の「願掛けきつね」の説明を熱く語る私♪
もちろん清高稲荷大明神色紙もキラキラとライトアップ✨
大祭で初披露だった『清高稲荷音頭』を盆踊り的に奉納しようと、
ミコト先生が登壇✨
和やかにレクチャーされ、境内がますますニコニコに!!
私も今回は輪の中に入って踊ったので写真がないけど、
暗くなるほどにきらめく光たち。
菊「………あ、そっか。
私がはりきって自分のブースを飾りたい!って思って準備したのも
"欲" からだもんね……」
私がキラキラとブースを煌めかせたかったのは、そうすることで
清高稲荷大明神のお祭りの場が華やかになるから。
それは私自身も楽しくて嬉しいけど、
そこにいる人みんなにも楽しい風景を見て欲しかったし、
神様たちにもその華やかさを喜んで頂きたかったから*
菊「確かに(笑)
清高稲荷大明神さまのお言葉のように "欲" が出てた!」
清「集まっているから」
菊「え……?」
清「……待っていたんだ。
ああ、こんなに。人が」
*2019年春の連載『ヒルコノミコト』はコチラです。