【菊と稲荷】の始まりの物語はコチラです→『プロローグ。』
<あらすじ>
『怖いと思われている稲荷の誤解を解いてほしい』
その言葉と共に、六甲山の高取神社で
「神様」という存在に、接続してもらった私。
前からついていたという高野山の清高稲荷大明神さまの
子狐眷属の姿も確認できるようになり、
奇妙な共同生活(?)が始まっていた。
***
続きです。これまでのお話。
→ 【菊と稲荷】ヒルコノミコト・12:ヒルコノミコトの正体。
令和が初めて迎える朝。
私は西宮神社拝殿にいた。
西宮神社では年間を通じてほぼ毎日、
朝拝として『万度祓(まんどばらい)』が行われる。
これは大祓詞を神前で何度も読み、穢れをはらい清めること。
西宮神社では、参列者一人を一回分としてカウントし、
その総数で1万回を目指す。
そう。『万度祓』はその場に参列する全員での合唱。
初めて聴いた時は、驚きと同時に感激した。
令和元年の最初の日は、万度祓で始めよう。
そう思って、ここに来た。
神職さまの奏上に合わせ、全員が発声。
最初はバラついていたけど、すぐに声は共鳴し、
西宮神社の拝殿は、重なるたくさんの祈りの声に包まれた。
今となってはこの万度祓も、えびす大神が釣り上げた "朝" を徹底的に清めるために、
西宮神社では毎朝毎朝、奏上されているのかなと思う。
そしてそのあとは上旬祭。
設けられた席について、えびす大神に問いかけた。
菊「えびす大神さま……おはようございます。
昨日、昔の資料室で御神影の頒布について見ました。
静岡県はえびす神社の数も、御神影頒布数も多かったです。
これは伊勢から見た夏至の日の出ラインに、富士山も重なっているからですか?」
夫婦岩の間から太陽が上がる夏至前後、
その海の向こうには富士山の姿も拝めるとあったのを読んでいた。
菊「あと神社数は東日本は少ないけど、御神影の頒布数は東の地域が多い……
百太夫神さまのお言葉通り、そばで守護したいお気持ちからですか?
それはえびす大神さまの太陽に関わる神としての責任感からですか?」
えびす大神(以下:え)「……令和初日の朝から、畳み掛ける氏子登場(笑)」
菊「めっちゃ適当じゃないですか!
一応読者さん多いんですよ!!」
え「笑!!!」
えびす大神の普段の装束はコーラル色。
コーラルは珊瑚。
富と繁栄を象徴し、珊瑚を持つと代々栄えると言われていた宝物。
海のエネルギーで育った珊瑚は、伸びやかでみずみずしい波動で、
素晴らしい癒しの護符。
菊「えびす大神さまそのまんま!
この国はえべっさまがいるから大丈夫……✨」
《【菊と稲荷】はまだ続く♪》
⛩【菊と稲荷】次のお話はこちら*