占いと科学〜ミオくんと科探隊セレクション | ひろじの物理ブログ ミオくんとなんでも科学探究隊

ひろじの物理ブログ ミオくんとなんでも科学探究隊

マンガ・イラスト&科学の世界へようこそ。

 

 今回の科探隊セレクションは、占いと科学。

 占いは国、時代を超え、さまざまに形を変えて現れます。科学とよく対比されるのが宗教や占いですが、宗教と占いもまた、あるときは味方、あるときは敵という、複雑な関係にあります。

 暦もまた、本来は呪術的な意味があるので、占いの一種といえます。

 科学と魔法と重なる記事もありますが、こちらにも収録してあります。

 

【科学者タロット】

 

科学者タロットその1

科学者タロットその2

 この2つの記事は、科学者タロットについての初めての記事です。科学者タロットの概要を知るのに、適した記事になっています。この頃、外部サイトにすべての科学者タロットカードを掲載し、閲覧できるようにしてあったので、その紹介記事になっています。残念ながらこの外部サイトが運営をやめたため、今は閲覧できません。

 

科学者タロット秘話

 科学者タロットを制作するに至った経緯を書いています。

 

科学者タロット解題〜1魔術師ニュートン

 科学者タロットの第1弾として、カードは魔術師、科学者はニュートンを選びました。占いと科学という対比では、もっとも対局にある2つです。関連して、魔法理論の集大成であるカバラの話も。また、ニュートンに関するエピソードも紹介しています。魔法的な知識と科学者のエピソードの紹介で構成するのが、科学者タロット記事の基本になっています。

 なお、記事の付録として、4元素説とエーテルとの関係を書いています。のちの「さりと第5元素」の記事のもとになったものです。

 

科学者タロット解題〜2女教皇ロザリンド・フランクリン

 第2弾は、女教皇とロザリンド・フランクリン。女教皇にはエジプトの女神イシスのイメージが入り込んでいますが、これは、当時のヨーロッパの宗教事情が関わっています。当時のオリエンタル趣味についても書きました。

 ロザリンドFは生物学の世界では有名な、悲運の女性科学者です。DNAの構造が二重らせん、というのは、ワトソンとクリックによって発見され、二人はノーベル賞を受賞しましたが、その発見に果たしたロザリンドFの役割とスキャンダルを書いています。

 

科学者タロット解題〜3女帝マリー・キュリー

 №3は、女帝とキュリー夫人。女帝は皇后の方が正しい訳でしょう。やはり女帝にもイシスのイメージが入っています。

 キュリー夫人は、女性差別がまだ激しかったこの時代で、偉大な業績を上げた科学者。ノーベル賞を2回も受賞したのは、キュリー夫人が最初です。キュリー夫人が他の研究者と違って表立った女性差別を受けなかったのは、やはり研究者の夫が防波堤になったためともいわれています。

 

科学者タロット解題〜4皇帝アリストテレス

 №4は、皇帝とアリストテレス。王の持つ盾と王笏の意味を書きました。

 アリストテレスは、自然哲学の権威ですが、じつは万能の天才で、政治学や芸術方面の著作の方がたくさんあります。近代科学は、アリストテレスの説との戦いから生まれたといってもよいでしょう。

 

科学者タロット解題〜5法王ダーウィン

 №5は、法王とダーウィン。タロットカードはジプシーが使った占いカードですが、異教徒である彼らがキリスト教の支配するローマ帝国で生き延びるための知恵が、タロットカードの絵柄に現れています。

 女教皇、女帝、皇帝、法王の4枚のカードは、あきらかにローマ帝国とキリスト教を意識した図柄です。

 ダーウィンは科学と宗教の対立構造にもっとも深く関わる『種の起源』を書いた人。進化論はとくにキリスト教からは敵視され、最近に至るまで、長い戦いがありました。

 

科学者タロット解題〜6恋人ファーブル

 №6は、恋人とファーブル。恋人は、恋愛関係を示すカードでもありますが、分かれ道、つまり人生選択のカードでもあります。このカードはキリスト教の影響が見られないので、ジプシーや西洋の民間信仰から生まれたものでしょう。

 ファーブルは昆虫の研究でも有名ですが、植物学でも深い研究をしています。この記事では、おもに虫の研究や、ダーウィンの進化論との関わりを書いています。

 

科学者タロット解題〜7戦車パスツール

 №6は、戦車(チャリオット)とパスツール。戦車と行っても、馬に引かせるローマ時代の戦闘車のこと。2頭の馬に引かせることから、コントロールという意味も生まれました。チャリオットの図柄に関して、時代的な混乱の背景も描きました。

 パスツールのパフォーマンス的な逸話は有名です。自分の研究成果を効果的に示す、瀬戸際のパフォーマンスで勝利を収めたのは、なかなかの戦略家でもあったのでしょう。

 

科学者タロット解題〜8正義ジェンナー

 №7は、正義とジェンナー。正義の神が持っている善悪をはかる天秤は、検事や裁判官などのドラマでも、象徴的に使われています。ギリシャ神話の神々との関係も書きました。

 ジェンナーは種痘の発見者で、子どもを使った実験については、意見の分かれるところでしょう。

 

科学者タロット解題〜9隠者アボガドロ

 №8は、隠者とアボガドロ。カードは「隠者」と訳されますが、本来の意味合いは「道を示すもの」なので、村々の知恵袋の老人をイメージしたカードでしょう。

 アボガドロは分子説で、現代化学の道標を作ったその人なので、隠者のカードにはぴったりです。図案に使われるランプの意味についても書きました。

 

科学者タロット解題〜10運命の輪ノーベル

 №9は、運命の輪とノーベル。運命の輪のカードは意味合いが深く、図案を理解するのには、当時の文化的な背景や魔法の知識が必要です。クラシック版の図案は突出していますね。

 ノーベルもまた、ダイナマイトの開発で運命のいたずらに左右された人。そのへんの背景を少しだけ紹介しています。

 

科学者タロット解題〜11力アルキメデス

 №10は、力とアルキメデス。力の図案は、屈強な男戦士が猛獣をねじ伏せているものから、美しい女性が猛獣を従えているものまで、いろいろ。「力」の解釈もさまざまなようです。

 アルキメデスは有名な逸話がたくさんある人。「足場があれば地球を持ち上げる」とか、「私の図形を消すな」とかのお話。ギリシャの軍事への協力により、敵軍を恐れさせたといわれています。どこまでが本当かわかりませんが、反射鏡によって遠くの船を燃やしたというような伝説もあります。(こちらについては、真偽のほどは微妙ですが)

 

科学者タロット解題〜12吊され人平賀源内

 №11は、つるされ人と平賀源内。つるされ人は刑死人ともいわれます。独特の図案について、私見も述べました。

 平賀源内は江戸時代の知の怪物。日本史上最大のコマシャルディレクターでもありますし、日本初の物産展を開いた人でもあります。最後は殺人の罪で捕まり、刑死したと記録されています。日本科学史最大の謎の人について、書きました。

 

科学者タロット解題〜13死神テスラ

 №13は、死神とテスラ。死神はキリスト教的な存在ではなく、ヨーロッパの民間信仰と考えられます。

 テスラは独特な研究者。エジソンとの関係や、その不思議な性格・行動についても書きました。テスラの研究したマッドサイエンス的な殺人光線や地震兵器などについても、少し書いています。

 

科学者タロット解題〜14節制メンデル

 №14は、節制とメンデル。節制の図柄の変遷について書きました。

 メンデルは遺伝の法則であまりにも有名ですが、牧師としての仕事が多忙で、遺伝の研究を途中でやめています。

 

科学者タロット解題〜15悪魔エジソン

 №15は、悪魔とエジソン。悪魔はそもそもキリスト教では堕天使ですが、宗教史をより広範に見ていくと、異教の神々がキリスト教の世界観のなかで悪魔として描かれたものだといわれています。

 エジソンは、子ども向けの偉人伝説物語が一人歩きしていますが、実際にはいろいろとクセのあった人。そのエピソードを語り始めるときりがないので、最低限だけ紹介しています。子ども向けの本のイメージしかなかった人は、びっくりするのではないでしょうか。

 

科学者タロット解題〜16塔 寺田寅彦

 №16は、塔と寺田寅彦。カミナリに打たれて崩壊する塔の解釈は、一筋縄ではいきません。民間信仰でのカミナリの意味合いも含め、書きました。

 寺田寅彦は科学と文学の両方で生きた人なので、エピソードが多すぎて書ききれません。ここでは、なるべく科学に関連したものだけを書きました。

 

科学者タロット解題〜17星ホーキング

 №17は、星とホーキング。星は希望の星で、民間信仰が起源のカードでしょうね。なお、このシリーズで紹介しているのはタロットカードのうち、絵札の22枚「大アルカナ」だけですが、トランプの起源となった56枚の「小アルカナ」にも、星のカードがあります。それはまた、別の機会に。

 ホーキングは「希望」というカードの象徴から、選びました。さまざまな障害の中で研究したホーキングの物語は、多くの人を勇気づけてきましたから。記事には書きませんでしたが、ドラマ「ビッグバンセオリー」では、ときどきホーキングが主人公のアイドルヒーロー的な役割で声の出演(あの独特な電子音:本人ではないでしょう)をしています。そこでは、ホーキングを特別な存在ながら、普通の人と同様に、冗談を言ったり時として嫌みを言ったりという演出があります。アメリカのドラマは、こういった問題をステロタイプで扱わないという点で、日本よりはるかに進んでいますね。

 

科学者タロット解題〜18月メンデレーエフ

 №18は、月とメンデレーエフ。月は不安の象徴。ヨーロッパでは月は狂気の原因とも考えられています。「いかれてしまっている」という意味を表す英語「ルナティック」は月が語源です。

 メンデレーエフは、元素の周期表を作り、原子の世界を科学へ導いた人です。その周期表に書けている部分があり、そこへの疑問から、新元素が発見された逸話は有名ですね。

 

科学者タロット解題〜19太陽ガリレオ・ガリレイ

 №19は、太陽とガリレオ。太陽信仰は、西洋でも昔からありました。キリスト教以前のさまざまな宗教に登場します。また、当時のエジプト文化流行を踏まえ、エジプトの宗教の主神である太陽神の影響も受けているでしょう。

 ガリレオは、科学界にとっては、まさに太陽。後に続くニュートンたちを導く光となりました。

 

科学者タロット解題〜20審判ウェゲナー

 №20は、審判とウェゲナー。審判はキリスト教の「最後の審判」を意味するカードで、復活を意味するカードです。これについては、キリスト教の基本的な知識がないと、理解しがたいでしょう。

 ウェゲナーは、大陸移動説を唱えましたが、最初はまったく相手にされませんでした。その後の地磁気など様々な分野の研究から、大陸移動説は劇的な復活を遂げます。

 

科学者タロット解題〜21世界アインシュタイン

 №21は、世界とアインシュタイン。世界は完成を意味するカード。№1と同じく、キリスト教の影響が見られないカードです。

 アインシュタインについては、適当な量のエピソード紹介にとどめました。

 

科学者タロット解題〜0愚者ファインマン

 №0は、愚者とファインマン。愚者「the Fool」は、ピエロのようなトリックスターを意味するカードであり、ジプシー自身を意味するカードであったかもしれません。

 ファインマンは科学界随一のトリックスター。彼ほど、このカードにふさわしい人はいないでしょう。エピソードは、本人のことを知人が書いた一連の「自伝」(知人が彼との会話を思い出して再構成したものなので、本当の意味での自伝ではありません)シリーズを読んだ方が詳しいので、エピソード紹介は最小限にとどめてあります。

 

 

【占い】

 

血液型性格判断は当たるのか

 戦後日本で大流行した、独自の占いである、血液型性格判断について、その裏側の事情や、実験結果を書きました。

 

ノストラダムスの時代

 歴代予言者No.1といえるノストラダムス。その有名な著書『諸世紀』(いわゆる<ノストラダムスの大予言>の書)が書かれた時代、科学はどのような状況だったのかを探ります。

 

謹賀新年と暦

七曜の起源

太陽暦と太陰暦と12の月

 西洋、東洋を問わず、暦と占は表裏一体で、切り離せない関係にあります。

 暦の起源を探ることで、占いと天文学の切り離せない関係を探ります。

 

さりと魔法の国その5〜占星術と天文学1(小学生以上)

さりと魔法の国その6〜占星術と天文学2(小学生以上)

 占星術と天文学の密接な関係を探ります。

 

ゲマトリア魔法の数字〜さりと魔法の国10

 ゲマトリアは古代からつづく、こじつけのような名称解釈。日本の姓名判断に近いものがありますが、その歴史は遥かに古い。悪魔の数字666もこのゲマトリアから。

 

予知夢とひのえうま〜物理サークルより

 魔法の時代の吉凶占いは基本的に未来予知です。予知夢は、まさに魔法時代の占い。それを数学的に解釈したお話です。

 

【更新履歴】

※いくつかの記事を追加し、説明文も少し変えました。(2022.8.19)

※「予知夢とひのえうま」を追加しました。(2024.3.11)

 

 

関連記事

 

〜ミオくんと科探隊セレクション〜

 サイトマップ1〜7の、テーマごとの記事をまとめたセレクション記事の一覧です。

 

科学と幽霊〜ミオくんと科探隊セレクション
のらねこ(STRAY CATS) 海を渡る/物理教育国際交流〜ミオくんと科探隊セレクション

光と色〜ミオくんと科探隊セレクション

科学と魔法〜ミオくんと科探隊セレクション
占いと科学〜ミオくんと科探隊セレクション

宇宙人がいっぱい〜ミオくんと科探隊セレクション

 

 

〜ミオくんと科探隊 サイトマップ〜

このサイト「ミオくんとなんでも科学探究隊」のサイトマップ一覧です。

 

 

***   お知らせ   ***

 

日本評論社のウェブサイトで連載した『さりと12のひみつ』電子本(Kindle版)

Amazonへのリンクは下のバナーで。

 

 

 

『いきいき物理マンガで冒険〜ミオくんとなんでも科学探究隊・理論編』紙本と電子本

Amazonへのリンクは下のバナーで。紙本は日本評論社のウェブサイトでも購入できます。

 

 

『いきいき物理マンガで実験〜ミオくんとなんでも科学探究隊・実験編』紙本と電子本

Amazonへのリンクは下のバナーで。紙本は日本評論社のウェブサイトでも購入できます。