ポツンと一軒、鄙び系雰囲気ばっちり!松島「湯の原温泉 霊泉亭」は、昔ながらの湯治場宿
日曜日夜のテレビ朝日系人気番組「ポツンと一軒家」が始まったのが、今からちょうど4年前の2017年10月22日(レギュラー放送開始は翌2018年10月7日)からですが・・・
日本三景の1つである松島(宮城県松島町)には、土産物屋や飲食店、宿泊施設などが建ち並び観光客で賑わう海岸沿いにある、JR仙石線「松島海岸駅」から徒歩20分の山の中に、ポツンと一軒、鄙び系雰囲気ばっちりの、昔ながらの湯治場宿が存在します。
今回ご紹介する松島「湯の原温泉 霊泉亭」は、1000年以上続く湯治場なのだそうです。
※宮城県宮城郡松島町松島字湯の原11(日帰り入浴8:00~19:30まで受付、最終退館20:00、1回限りの入湯料金は大人550円)
一軒宿なので、周囲には少し離れた場所に民家があり、あとは山と田んぼという、「東北」らしいのんびりとした景色が広がっているのが、写真からも想像できますよね。
左の小径へ入る
県道から分岐する小径の入り口は、施設の200m手前にあるのですが、この地点には当方ブログ過去記事でご紹介した「今風(現代風)」の日帰り温泉施設があります。
今のところ、「今風(現代風)の長湯できる安定したサービス」VS「一見客に冷たく、入浴1回限りながらも昔ながらの鄙びた雰囲気」という正反対の個性で上手く棲み分けできているようです。
また、前回記事でも触れましたが、この地点にはもう1件、別の温泉宿である「松島温泉松泉閣(宮城県宮城郡松島町松島猪ノ原5)」がありました。
しかしながら、楽天トラベルを覗いてみた限りでは、少なくても2020年以降の営業実績は無いようです(2021.7.31時点の写真で、事実上「廃屋」状態)。
到着!
谷戸の小径を奥へ歩き進めていくと、今回の目指す目的地である「湯の原温泉 霊泉亭」の、いかにも鄙びた温泉宿風な木造建物が見えてきました。
駐車場に停まっている車は、やはり地元(県内)の「宮城」または「仙台」ナンバーが9割ですが、近隣県の「福島」みたいな地名も散見されます。
縁側の前をさらに奥へ進んで、自販機の先が正面玄関のようですね。
この褪せた木床と縁側が古き良き湯治旅館の風情を漂わせてい「いい味」出している木造二階建ての建物は、繰り返しになりますが、1泊2500円くらいから泊まれる自炊専用の湯治宿。
日帰り入浴客が「圧倒的多数派」になった今の時代でも、コロナ禍の直前まで長期滞在客がいらっしゃったみたいですよ。
脱衣所は
暖簾を潜って
コインロッカーの突き当りを左(右)へ
正面玄関入ったら、手指消毒の後に右側にある受付で検温および入湯料(1回限り)550円を支払います(※再入浴不可)。
次に正面へ戻って男女別の暖簾を潜って行くのですが、最初に出会うコインロッカーは「貴重品BOX」という位置付け(財布や腕時計、スマホ等を保管し施錠)。
脱衣所があるのは、その先(コインロッカーへ突き当りを、男は左、女は右)です。
こちらは鍵が掛からず、昔ながらの竹籠が置いてあるだけ。
なお、最近の改装で洗面台には無料で利用できるヘアドライヤーが置かれるようになりました。
※リンスインシャンプーとボディソープも浴場内に用意されています
貼り出されている注意書きを読むと、以前は45℃の「熱いお湯」だったそうですが・・・
今は43℃に設定
太い柱が格子状に通り、山小屋風で開放的な三角形の天井が特徴的の浴場。
無味無色透明かつ無味の泉質は、近隣(南方300m)にある「芭蕉の湯」とほぼ同じですが、保健所の指導なので仕方がないとはいえ、ちょっと塩素臭が気になるかな・・・
でも、メタけい酸の含有量が基準値を超えたため「温泉」と認定されている湯です。
源泉温度は13.1℃ですが、山に湧く冷鉱泉を沸かし、循環&消毒して流し込んでいます。
単純冷鉱泉ですが、近隣の「芭蕉の湯」共々、このサラリとした熱めの湯が湯上り後の爽快感MAXな気分に浸らせてくれるので、地元の常連客が途切れ目なく来るのでしょうね。
※比較対象温泉の主要諸元
■夢ロマン:PH7.9、成分総計2390mg/kg
■湯楽の里栃木:PH7.9、成分総計1960mg/kg
■野田ほのか:PH7.06、成分総計24710mg/kg
■高井戸美しの湯:PH7.58、成分総計23780mg/kg
■湯の森所沢:PH8.3、成分総計695mg/kg
■スパロイヤル川口:PH7.7、成分総計8799mg/kg
■新座温泉:PH8.0、成分総計2501mg/kg
■荻窪なごみの湯:PH7.5、成分総計8719mg/kg
■蘭々の湯:PH7.4、成分総計32000mg/kg
■小春日和:PH7.4、成分総計20540mg/kg
■みどりの湯(都賀):PH7.42、成分総計33760mg/kg
■市原江戸遊:PH8.2、成分総計11565mg/kg
■三郷めぐみの湯:PH7.2、成分総計24440mg/kg
■ゆーシティ蒲田:PH8.36、成分総計1239mg/kg
■ふくろう乃湯:PH9.0、成分総計1283mg/kg※現「宮の街道温泉 江戸遊」
■前日光つつじの湯:PH9.7、成分総計520mg/kg
■テルメ小川:PH7.8、成分総計2177mg/kg
■深大寺湯守の里:PH7.83、成分総計9019mg/kg
■不老山薬師温泉:PH8.7、成分総計693mg/kg
■吉川温泉あゆみ:PH7.4、成分総計21610mg/kg
■海辺の湯:PH9.3、成分総計1330mg/kg
■海辺の湯久里浜:PH7.2、成分総計26250mg/kg
■のぼり雲:PH8.3、成分総計2195mg/kg
■横須賀湯楽の里:PH7.45、成分総計29330mg/kg
■かたくりの湯:PH9.3、成分総計238mg/kg
■仙台コロナの湯:PH4.9、成分総計6843mg/kg
■仙台海神の湯:PH7.46、成分総計8283mg/kg
■塩原湯っ歩の里:PH6.6、成分総計1640mg/kg
■手賀沼満天の湯:PH7.3、成分総計19625mg/kg
■船橋湯楽の里:PH7.4、成分総計31370mg/kg
■極楽湯(柏):PH7.4、成分総計18160mg/kg
■みのりの湯(柏):PH8.0、成分総計5304mg/kg
■七光台温泉:PH7.9、成分総計1887mg/kg
■きぬの湯:PH7.9、成分総計4686mg/kg
■御老公の湯(境):PH7.5、成分総計17000mg/kg
■湯快爽快(茅ヶ崎):PH7.9、成分総計31480mg/kg
■湯快爽快(三郷):PH7.3、成分総計20100mg/kg
■府中縄文の湯:PH8、成分総計7013mg/kg
■国立湯楽の里:PH7.95、成分総計4393mg/kg
■溝口喜楽里:PH8、成分総計3541mg/kg
■酒々井湯楽の里:PH7.7、成分総計18980mg/kg
■春日部湯楽の里:PH7.27、成分総計17279mg/kg
■かすかべ湯元温泉:PH8.76、成分総計419mg/kg
■杉戸雅楽の湯:PH7.3、成分総計16070mg/kg
■東鷲宮百観音温泉:PH7.9、成分総計18510mg/kg
■久喜なごみ:PH7.6、成分総計5065mg/kg
■花咲の湯(原市):PH7.6、成分総計6114mg/kg
■湯河原いずみの湯:PH8.6、成分総計1556mg/kg
■野比温泉:PH8.7、成分総計1500mg/kg
■川崎(縄文)志楽の湯:PH7.5、成分総計27750mg/kg
■みうら湯弘明寺:PH:8.33、成分総計1449mg/kg
■SPA HERBS(大宮):PH:8.5、成分総計1942mg/kg
■さいたま清河寺温泉:PH:7.9、成分総計4109mg/kg
■幕張湯楽の里:PH7.48、成分総計32630mg/kg
■舞浜ユーラシア:PH7.6、成分総計35680mg/kg
■芭蕉の湯(松島):PH6.6、成分総計190mg/kg
■松島湯の原霊泉亭:PH7.3、成分総計143mg/kg(←本記事)
風呂上がりの1杯
軽く摘まめるお菓子やアイスクリーム、そして風呂上がりの「定番」コーヒー牛乳や、瓶入りのコーラなどは、受付で買えるようになっています。
その中でも、今回本ブログ管理者が頂いた「おススメ品」は・・・
浦霞の甘酒(小・税込400円)
地場(宮城県塩竈市)の老舗造り酒屋が製造している甘酒を、よく振ってから頂きます。
アツアツ温泉に浸かった後は、キンキンに冷やした「飲む点滴」で、身も心も完全リフレッシュ!
今回、本ブログ管理者は電車(JR仙石線)利用なのですが、「東北」という土地柄で、しかも(仙台市に近いとはいえ)郡部という土地柄ゆえか、自動車を運転して来る入湯者も多い・・・
そんな訳で、一瞬「缶ビール」も置いているように見えたのですが、売っていたのは全て「ノンアルコール飲料」だけでした。
瑞巌寺と
深~い関係にある温泉
今回ご紹介している「湯の原温泉 霊泉亭」は、今から溯ること約1200年前の天長年間(824年から834年)に、瑞巌寺の前身となる寺を開いた慈覚大師(じかくだいし、別名「円仁」=えんにん)という僧が、霊泉を求めて呪文を唱えながら、この地の岩場に湧出したのが始まりと伝えられています。
その後、1800年頃に瑞巌寺の第113世住職となった叔堂が、この鉱泉を沸かして入浴したところ全快したので、これを契機に「霊泉亭」と令名され、湯治場になったとの事。
特に神経痛やリウマチ、脚気からの回復に良いと言われてきました・・・
この温泉に入浴するのと併せて、瑞巌寺も見学されると「松島の歴史を巡る旅」をした気分に浸れるのではないかと思いますよ♪
いかがでしたでしょうか?
今回は、日本三景の1つである松島(宮城県松島町)の中心街から徒歩20分の山の中に、ポツンと一軒、鄙び系雰囲気ばっちりの、昔ながらの湯治場宿をご紹介いたしました。
以前には僧侶の草庵としても使われるなど、松島海岸を代表する人気観光スポットの1つである瑞巌寺と深い関係がある、まさに文字通り「霊泉」であることがわかりましたよ♪
松島観光のメッカは、もちろん海に浮かぶ島々の美しい風景を堪能することですが・・・
皆さんも是非とも、すぐ裏山に沸く温泉に浸かって「その他大勢とは一味違った、自分だけのこだわりの旅」を目指してみてはいかがでしょうか?