【夕顔344-3】古文単語「口さがなし」
中学受験を終えられたみなさん。
古文の大学受験は、情報処理能力がカギ☆
早めの古文目線の習得が不可欠ですよ~♪
源氏物語イラスト訳 重要古語
古文単語は、
1.古今異義語(現代の意味と違うもの)
2.古典多義語(現代より幅広いもの)
3.古今同義語(現代と同じ意味のもの)
があります。
大学入試によく出るのは、今回のような【ドッキング古語】です♪
【今回の源氏物語】
「何か、隔てきこえさせはべらむ。自ら、忍び過ぐしたまひしことを、亡き御うしろに、口さがなくやは、と思うたまふばかりになむ。…」
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今回出てきた古文単語
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■【何か】…どうして~か(いや~ない)
■【隔て】…タ行下二段動詞「隔つ」の連用形
※【隔(へだ)つ】…隠し隔てをする
■【きこえさせ】…サ行下二段動詞「きこえさす」の連用形
※【きこえさす】…謙譲の補助動詞(右近⇒光源氏)
■【はべら】…ラ変動詞「はべり」の未然形
※【はべり】…丁寧の補助動詞(右近⇒光源氏)
■【む】…推量の助動詞「む」の連体形
■【自(みづか)ら】…(夕顔)ご自身
■【忍び過ぐす】…秘密にし通す
■【たまふ】…尊敬の補助動詞(右近⇒夕顔)
■【し】…過去の助動詞「き」の連体形
■【を】…目的対象の格助詞
■【亡き御うしろ】…お亡くなりになった後
※【うしろ】…あと。のち。特に死後
■【に】…時を表す格助詞
■【口さがなく】…ク活用形容詞「口さがなし」の連用形
※【口さがなし】…悪口など勝手なことを言いふらす
■【やは】…反語の係助詞(「は」は強意)
■【と】…引用の格助詞
■【思うたまふ】…お思い申し上げる。存じます
※【思う】…ハ行四段動詞「思ふ」連用形のウ音便
※【たまふ】…謙譲の補助動詞(右近⇒夕顔)
■【ばかり】…限定の副助詞
■【に】…断定の助動詞「なり」の連用形
■【なむ】…強意の係助詞(結びの省略)
◇ 今回は「に」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「口さがなし」 ☆
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「何か、隔てきこえさせはべらむ。自ら、忍び過ぐしたまひしことを、亡き御うしろに、口さがなくやは、と思うたまふばかりになむ。…」
問)傍線部の意味として最も適当なものを、次の中から1つ選べ。
1.勝手なことを言いふらせようか、そんなことできない。
2.意地汚くいられようか、そんな必要はない。
3.意気地がなくていられようか、そんなことできない。
4.口うるさくていいのだろうか、いやそんなはずはない。
5.悪口を言ったりできるだろうか、いや無理だ。
重要古語として覚えている以外の単語がでてきた時、
けっこう焦りますよね~;;
「さがなし」は”性質が悪い”意。
重要古語として、しっかりイメージ湧いていることと思います。
その「さがなし」に、
「口(くち)」がドッキングしているのだから、
【くちさがなし(口さがなし)】
【形容詞:ク活用】
…物の言い方が悪い。悪口など勝手なことを言いふらす
*『全訳古語例解辞典(小学館)』より
基本的なイメージがついたらOKですっ!
҉٩(*´︶`*)
このようなドッキング古語は、
今後、大学入試共通テストに向けて
思考力を確認する体で、よく出題されると思います。
【解答】…1
「何か、隔てきこえさせはべらむ。自ら、忍び過ぐしたまひしことを、亡き御うしろに、口さがなくやは、と思うたまふばかりになむ。…」
● 過去記事リンク
■はべり
■しのぶ
■過ぐす
■ばかり
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