【帚木166-2】謙譲語「聞こえさす」☆ | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【帚木166-2】謙譲語「聞こえさす」☆

勉強がんばってますかラブラブあいです。

 

この【イラスト解釈】は、文法や解釈、古典常識などを解説しています。

【イラスト訳】から6時間ぐらい空けて読んでね♪


↓今日の源氏物語はコレ↓

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「…聞こえさせつるやうに、容貌などいとまほにもはべらざりしかば、若きほどの好き心には、この人をとまりにとも思ひとどめはべらず、…」

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【源氏物語~これまでのあらすじ】

桐壺帝の御子である光源氏は、臣下に降格してからも継母である藤壺宮を忘れられないでいました。五月雨が続くある夜、宮中の宿直所で、光源氏は義兄で親友の頭中将と、女性論の話になり、そこに友人の左馬頭、藤式部丞が加わって、さらに話は盛り上がります(雨夜の品定め)。女の身分が3つに分けられ、左馬頭が具体的な女性論を、たとえ話を出して説明していき、さらに女性体験談が語られていきます。

今日は、「聞こえさす」について☆

ではいってみよ~~っと♪

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「聞こえさす」とは、

動詞「聞こゆ」に、使役の助動詞「さす」がくっついた形☆

 

源氏物語イラスト訳で古文・国語の偏差値20アップし大学受験に合格する勉強法

 

この形で、

「聞こゆ」よりも、さらに謙譲の意味が強くなります。

(o^-')b


 

【聞こえさす】(サ行下二段動詞)

申し上げる「言ふ」の謙譲語

~し申し上げる謙譲の補助動詞

(※『全訳古語例解辞典』小学館 より)


 

聞こえさせつるやうに…

訳)たった今申し上げように…

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ほら☆

主語がないですよね!

ヽ(゚◇゚ )ノ


 

しかし、

この「聞こえさす」という謙譲表現があることによって、

今までの女性論と今回の体験談の会話主が同一人物であることが分かります。


 

このブログでは、イラスト訳によって、

はじめに古文目線を鍛えてもらいますので、

 

「聞こえさす」の主語が左馬頭であることは

自然と入っていることと思いますが…


 

本番の入試では、謙譲語からの主語の見抜きは、自力でやらなければなりません。

(°д°;)


 

なので、この【重要古語】カテゴリも併せて読んで、

古文目線を強固なものにしていってほしいと思います♪

(o^-')b


 

【今回のポイント】

 

●「聞こえさす(=「言ふ」の謙譲語

●「聞こゆ」→「聞こえさす」(謙譲レベル)

謙譲語主語は、自分もしくは身分の低い者

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最後に、「聞こえさす」の意味の識別についても、触れておきますね。

 

1.「聞こえさす」の基本の意

  →①申し上げる ②~し申し上げる

 

2.手紙や願いなどには、臨機に意味をアレンジ

  →①(手紙を)差し上げる ②お願い申し上げる など

 

3.「さす」が使役の意そのままの場合

  →申し上げさせる

 

4.「聞こえ止す」の意

  →申し上げかけて途中でやめる

 

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特に注意してほしいのは、

「聞こえ(聞こゆ)」というだけで、謙譲の意になること。


 

ふーん、こういう意味もあるのかー!」と、

今回は、ざっと目を通しておき、

 

あとは、文脈に合わせて、

最も適切な意味を、その都度考えていくといいですね♪

(o^-')b

 

今回のイラスト訳はこちら→

あいでした音譜