源氏物語イラスト訳の重要古語です
古文単語でよく出題されるのは、
1.古典特有語
…現代にない古語。
2.古今異義語
…現代と意味の異なる古語。
3.死語的現代ワード
…受験生世代はほぼほぼ使わない語。
…ですが、今回の古語は、
古文特有のフュージョン指示語☆
はい、ではいってみましょぉ~♪
٩(๑•̀∇•́๑)و
夕顔32のイラスト訳はこちら
【今回の源氏物語】
惟光に、
「この西なる家は何人の住むぞ。
問ひ聞きたりや」
とのたまへば、例のうるさき御心とは思へども、えさは申さで、
――――――――――
今回出てきた古文単語
――――――――――
■【惟光(これみつ)】…光源氏の従者
■【に】…対象の格助詞
■【この】…この家の(指示連体詞)
■【西】…西の方。西隣
■【なる】…所在の助動詞「なり」の連体形
■【は】…提示の係助詞
■【何人(なにひと)】…どういう人物
■【の】…主格の格助詞
■【住む】…マ行四段動詞「住む」の連体形
■【ぞ】…強意の係助詞(文末用法:疑問を表す)
■【問ひ聞く】…尋ね聞く
■【たり】…存続の助動詞「たり」の終止形
■【や】…疑問の係助詞(文末用法)
■【と】…引用の格助詞
■【のたまへ】…ハ行四段動詞「のたまふ」の已然形
※【のたまふ】…おっしゃる(「言ふ」の尊敬:作者⇒光源氏)
■【ば】…順接確定条件の接続助詞
■【例(れい)の】…いつものように
■【うるさき】…ク活用形容詞「うるさし」の連体形
※【うるさし】…わずらわしい。厄介だ
■【御心(みこころ)】…お気持ち。ご趣向
※【御―】…尊敬の接頭語(惟光⇒光源氏)
■【と】…引用の格助詞
■【は】…強意の係助詞
■【思へ】…ハ行四段動詞「思ふ」の已然形
■【ども】…逆接の接続助詞
■【え―で】…とても~できないで
※【え】…可能を表す陳述の副詞
※【で】…打消接続の接続助詞
■【さは】…そうは。そのようには
※【さ】…そう。そのように(指示副詞)
※【は】…強意の係助詞
■【申さ】…サ行四段動詞「申す」の未然形
※【申(まう)す】…申し上げる(「言ふ」の謙譲:作者⇒光源氏)

◇ 単語の意味と文法的説明です。
◇「重要古語一覧」もご参照ください。
――――――――――――
今回の古文単語 「さは」 ☆
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「さは」は、連語として意味が定着した古語☆
現代の、「さようなら」みたいなもので、
古文特有の連語として押さえておきましょう♪
(●‘∀‘●)ノ"

【さは】
【副詞】
…そうは。そのようには
【接続詞】
…それでは。それならば
*『学研全訳古語辞典(Webilio古語辞典)』より
おぉっと…!
副詞と接続詞があるようですね。
(`・д´・ ;)
入試でよく出題されるのは、
このうちの副詞のほう☆
指示副詞なので、
現代文と同様、指示内容が聞かれるんですよ!
(*′•ω•`*;)

惟光に、
「この西なる家は何人の住むぞ。問ひ聞きたりや」
とのたまへば、例のうるさき御心とは思へども、えさは申さで、
問)傍線部の意味として最も適当なものを次の中から選べ。
1.惟光は、母を気遣わない光源氏には何も申し上げたくなかったので
2.惟光は、同じことを以前から何度も光源氏に申し上げていたので
3.惟光は、隣家のほんとうの姿を光源氏に申し上げることができないで
4.惟光は、光源氏の女癖が厄介だとはとても申し上げることができないで
5.惟光は、光源氏が自分の母を気遣わないことの遺恨を申し上げないで
もちろん、
「え…で」という陳述の副詞が
まず最初のポイント☆

1.惟光は、母を気遣わない光源氏には何も申し上げたくなかった(△)ので
2.惟光は、同じことを以前から何度も光源氏に申し上げていた(×)ので
3.惟光は、隣家のほんとうの姿を光源氏に申し上げることができないで(○)
4.惟光は、光源氏の女癖が厄介だとはとても申し上げることができないで(○)
5.惟光は、光源氏が自分の母を気遣わないことの遺恨を申し上げないで(△)
3か4かに絞れます。
…でも、あとは、
「さは」の指示内容で絞るしかないですね!
(o´・ω・`o)ノシ
解答……4
【空蝉(第3章)】の一気読みはこちら⇒
【源氏物語イラスト訳】の冒頭はこちら⇒
【今回の源氏物語】
惟光に、
「この西なる家は何人の住むぞ。
問ひ聞きたりや」
とのたまへば、例のうるさき御心とは思へども、えさは申さで、
● 過去記事リンク
■惟光(これみつ)
■に(助詞)
■こ、これ、この(指示語)
■なり(所在・存在)
■は(係助詞)
■の(格助詞)
■ぞ・ぞや
■たり(助動詞) たり②
■や(文末)
■と(格助詞)
■のたまふ
■ば(接続助詞)
■例の
■うるさし うるさし②
■おほん(御)
■ど・ども(接続助詞)
■え(識別)
■さ(指示語)
■申す(まうす)
■で(接続助詞)
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