黒澤明 「隠し砦の三悪人」 (1958) | It’s not about the ski 遅れて来た天才スキーヤー???、時々駄洒落(笑)、毎日ビール!(爆)

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スキー大好き、ゴルフ、読書、映画、演劇、音楽、絵画、旅行と他の遊びも大好き、元々仕事程々だったが、もっとスキーが真剣にやりたくて、会社辞めちまった爺の大冒険?




【特報+予告編 (2:15~) Obsolete gokuチャンネル 2019/5/19公開:6分16秒】




【作品紹介:Wikipediaより引用】


1958年公開の日本時代劇映画。監督は黒澤明、主演は三船敏郎モノクロ東宝スコープ、139分。

戦国時代を舞台に、敗国の侍大将が世継ぎの姫と軍用金を擁し、2人の百姓を従えて敵中突破する姿を描いた冒険活劇である

黒澤作品初のシネマスコープ作品で、ワイド画面を活かした迫力ある映像とアクションが中心の娯楽大作となった。

製作日数の大幅な遅滞と、それによる製作費の増大を引き起こしたが、興行的に大ヒットし、第9回ベルリン国際映画祭監督賞国際映画批評家連盟賞を受賞した



【あらすじ:Wikipedia(上矢印)より引用】

戦国の乱世、秋月家は隣国の山名家と一戦を交えて敗れ去った。秋月家の侍大将・真壁六郎太 (三船敏郎)は、世継の雪姫 (上原美佐)を擁して数名の残党と隠し砦にこもった。砦近くの泉には、薪の中に軍資金黄金二百貫が隠されている。

同盟国の早川領へ脱出の機会を狙っていた六郎太は、砦近くの沢で出会った二人の男、百姓の太平 (千秋実) と又七 (藤原釜足) を利用しようと考えた。二人の強欲は、黄金を背負わせたらあらゆる苦難にも耐え得ると見抜いたからだ。

早川領への国境は警護が固かったから、一度山名領へ入り、敵地を通って早川領へ抜けるより道はなかった。六郎太は雪姫を口がきけない村娘にしたて、太平・又七とともに砦を後にした。

国境の関所。六郎太は背中の薪を一本引抜き山で拾ったと訴え、黄金を見て騒ぎ出したその際に関門を通過した。木賃宿で一夜を明かした六郎太は、姫の願いで、人買いに買われて行く秋月の百姓娘 (樋口年子) を救った。百姓娘はどこまでもついてきた。

一行五人は、しばらくの間姿をくらますことに成功したが、騎馬武者に発見された。六郎太の前に、山名の侍大将・田所兵衛 (藤田進) が立ちふさがった。激闘数合、兵衛は六郎太の槍を太腿に受けた。首をさしのべる兵衛を残し、六郎太は馬にとび乗った。

山名方は百姓を火祭りにかりたて、一行がその行列にまぎれこんで逃げるのを待った。薪を火にくべる火祭りの行列は、黄金をしこんだ薪を運ぶ絶好の機会だった。太平と又七が列を離れようとしたとき、六郎太は押しとどめその炎の中に薪を投げこんだ。一行は、百姓たちとともに踊った。

翌朝、金の延棒を拾いあげていた一行に危機が迫った。山名方の山狩りである。太平・又七は敵方へ走った。--山名と早川の国境にある関所の牢の中で、雪姫と六郎太は最後を待っていた。そこに現われたのが兵衛だ。六郎太に不覚をとったため、主君に弓杖で打たれたという。

姫・六郎太・百姓娘の三人は、縛られたまま馬に乗せられて、黄金をつんだ五頭の馬と共に、敵将の前に曳き出された…



【結末までのネタバレありのあらすじ:hm-hmネットをご参照下さい。】




【感想】

三船敏郎はもちろん良いに決まっているのだが、これが映画デビューだった、上原美佐 (当時21歳) が大変魅力的。上原演じる雪姫は、意志が強く、美しくて、カッコいい。雪姫を観るだけでもこの映画は価値があるくらい素晴らしいのだ。本人は自分は俳優は向いていないと思い、この映画の後、何本かの作品に出演したものの、2年後の1960年に引退してしまったのが誠に惜しまれる。

そして、スター·ウォーズC3POR2-D2のモデルとなった千秋実藤原釜足の凸凹コンビのコミカルさ。また、三船敏郎が馬を駆って敵の騎兵に追いつきやっつけて、また戻って取って来ると言うのは、インディ·ジョーンズの確か第1作だったと思うが (記憶が曖昧)、スピルバーグがそっくり戴いていた。

後で冷静に考えると若干無理があるかなとも思えるが、観ている間はそんなことを考える隙を与えない、矢継ぎ早の絶体絶命の危機から危機の連続と、それを何とか切り抜けるテンポの良いスピーディな展開。ハリウッド映画の得意とするところだが、それを黒澤明は60年以上前にやっていた。まあ、黒澤もハリウッドの西部劇、特にジョン·フォード監督作品を相当参考にしていたらしいので、まあお互い様であり、パクりでも良い模倣は、映画を面白くし進歩させると思う。

黒澤監督の「七人の侍」(1954)の感想に、「これが映画だ!」と興奮して書いたが、この映画もまた「これぞ映画なのだよ!」。娯楽アクションを徹底的に追求すると、それもまた芸術に昇華して、映画史に残る名作となるのだ。

黒澤明初のシネマスコープ作品でもあるし、映画館の大きなスクリーンでご覧戴くのが良いに決まっているが、配信 (YouTubeで観れる) でもDVDでも良いから、とにかくこの映画は絶対観るべし❗ 「トップガン マーヴェリック」のトム·クルーズにだって負けていない。前述の三船敏郎が馬を駆って敵をやっつけるシーン (疾走する馬🐎で刀⚔を構え、つまり両手は手綱から離れており、両足だけで馬を操っている!:上に貼った予告編の2:31~、一瞬だけそのシーンが見れる) は、本人が本当に乗馬して演技している (ジャン=ポール·ベルモンドやトム·クルーズ同様スタントマンを使っていない) のだから凄まじい。恐るべし❗、三船敏郎チュー

また、映画の初めの方で、千秋実 (太平) と藤原釜足 (又七) が、足軽として参戦する合戦のシーンも、当時もちろんCGなど無い時代わざわざ城郭🏯周りの階段巨大なオープンセットを造り、夥しい数のエキストラを使って撮影しており大迫力❗(上の予告編 5:54~で一瞬見れる) しかし、この映画での予算の使い過ぎもあって、東宝からの圧力も強まり、黒澤は自身のプロダクション設立を余儀なくされ、自身もプロデューサーの役割をして、以降の作品は東宝と黒澤プロダクションの合作となる。そりゃそうだわ😂

最後に、誰の台詞かは、ネタバレになるので、ここには書かないが、「裏切り御免❗」という台詞とその前後の展開も大好きだラブラブ🤣



【スタッフ·キャスト等:Wikipedia(上矢印)より引用】

スタッフ編集


キャスト編集


上映時間:2時間19分
公開日:1958年12月28日
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鑑賞日:2021年9月21日
場所:TOHOシネマズ新宿



【非常に貴重な映像!!おーっ!  1981年4月4日 フジテレビゴールデン洋画劇場で本作品放映後の、黒澤明監督、千秋実さん、藤原釜足さん、上原美佐さん (既に全員鬼籍に入られています) の対談 sena sakuraチャンネル 2012/5/28公開:11分56秒】




【午前十時の映画祭事務局オフタイム 2021/9/16公開:19分11秒】



【黒澤明 (1910.3.23-1998.9.6) 監督作品】

①「姿三四郎」 (1943)
②「一番美しく」 (1944)
③「続 姿三四郎」 (1945)
④「虎の尾を踏む男達」 (1945)
⑤「わが青春に悔いなし」 (1946)
⑥「素晴らしき日曜日」 (1947)
⑦「酔いどれ天使」 (1948)
⑧「静かなる決闘」 (1949)
⑨「野良犬」 (1949)
⑩「醜聞」 (1950)
⑪「羅生門」 (1950)
⑫「白痴」 (1951)
⑬「生きる」 (1952)
⑭「七人の侍」 (1954)
⑮「生きものの記録」 (1955)
⑯「蜘蛛巣城」 (1957)
⑰「どん底」 (1957)
⑱「隠し砦の三悪人」 (1958)
⑲「悪い奴ほどよく眠る」 (1960)
⑳「用心棒」 (1961)
㉑「椿三十郎」 (1962)
㉒「天国と地獄」 (1963)
㉓「赤ひげ」 (1965)
㉔「どですかでん」 (1970)
㉕「デルス・ウザーラ」 (1975)
㉖「影武者」 (1980)
㉗「」 (1985)
㉘「夢」 (1990)
㉙「八月の狂詩曲」 (1991)
㉚「まあだだよ」 (1993)


【三船敏郎 (1920.4.1-1997.12.24) 主要出演作品】

谷口千吉 「銀嶺の果て」 (1947)
黒澤明 「酔いどれ天使」 (1948)
黒澤明 「静かなる決闘」 (1949)
谷口千吉 「ジャコ萬と鉄」 (1949)
黒澤明 「野良犬」 (1949)
黒澤明 「醜聞」 (1950)
黒澤明 「羅生門」 (1950)
黒澤明 「白痴」 (1951)
森一生 「荒木又右衛門 決闘鍵屋の辻」 (1952)
千葉泰樹 「東京の恋人」 (1952)
谷口千吉 「吹けよ春風」(1953)
本多猪四郎 「太平洋の鷲」 (1953)
黒澤明 「七人の侍」 (1954)
稲垣浩 「宮本武蔵」 (1954)
杉江敏男 「天下泰平」 (1955)
杉江敏男 「続 天下泰平」 (1955)
稲垣浩 「続 宮本武蔵 一乗寺の決闘」 (1955)
黒澤明 「生きものの記録」 (1955)
稲垣浩 「宮本武蔵 完結編 決闘巌流島」 (1956)
成瀬巳喜男 「妻の心」 (1956)
黒澤明 「蜘蛛巣城」 (1957)
黒澤明 「どん底」 (1957)
千葉泰樹 「下町 ダウンタウン」 (1957)
稲垣浩 「無法松の一生」 (1958)
黒澤明 「隠し砦の三悪人」 (1958)
稲垣浩 「或る剣豪の生涯」 (1959)
稲垣浩 「日本誕生」 (1959)
岡本喜八 「暗黒街の対決」 (1960)
黒澤明 「悪い奴ほどよく眠る」 (1960)
黒澤明 「用心棒」 (1961)
稲垣浩 「ゲンと不動明王」 (1961)
黒澤明 「椿三十郎」 (1962)
稲垣浩 「どぶろくの辰」 (1962)
松林宗恵 「太平洋の翼」 (1963)
黒澤明 「天国と地獄」 (1963)
岡本喜八 「」 (1965)
黒澤明 「赤ひげ」 (1965)
岡本喜八 「血と砂」 (1965)
谷口千吉 「奇巌城の冒険」 (1966)
ジョン・フランケンハイマー 「グラン・プリ」 (1966)
小林正樹 「上意討ち 拝領妻始末」 (1967)
岡本喜八 「日本のいちばん長い日」 (1967)
熊井啓 「黒部の太陽」 (1968)
ジョン・ブアマン 「太平洋の地獄」 (1968)
稲垣浩 「風林火山」 (1969)
蔵原惟繕 「栄光への5000キロ」 (1969)
丸山誠治 「日本海大海戦」 (1969)
岡本喜八 「赤毛」 (1969)
沢島忠 「新撰組」 (1969)
岡本喜八 「座頭市と用心棒」 (1970)
テレンス・ヤング「レッド・サン」 (1971)
中島貞夫 「日本の首領 野望編」 (1977)
熊井啓 「お吟さま」 (1978)
中島貞夫 「日本の首領 完結編」 (1978)
スティーヴン・スピルバーグ「1941」 (1979)
舛田利雄 「二百三高地」 (1980)
山田洋次 「男はつらいよ 知床慕情」 (1987)
熊井啓 「千利休 本覺坊遺文」 (1989)
熊井啓 「深い河」 (1995)





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