稲垣浩 「無法松の一生」 (1958) | It’s not about the ski 遅れて来た天才スキーヤー???、時々駄洒落(笑)、毎日ビール!(爆)

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スキー大好き、ゴルフ、読書、映画、演劇、音楽、絵画、旅行と他の遊びも大好き、元々仕事程々だったが、もっとスキーが真剣にやりたくて、会社辞めちまった爺の大冒険?



【予告編 許凌承 チャンネル 2012/8/28公開:3分04秒】



【作品紹介:「Amazon」よりの引用】


小倉の人力車夫・松五郎(三船敏郎)は喧嘩っぱやいが人情に厚い名物男。そんな彼が陸軍大尉の家族と知り合いになり、大尉の戦死後、未亡人よし子(高峰秀子)とその子どもに愛情を持って奉仕し続けていくが…。

名匠・稲垣浩監督が戦時中の1943年に監督した名作を、同じ脚本(伊丹万作)でカラー・リメイクしたヒューマン映画。戦中の作品は軍部の検閲によってカットを余儀なくされており、その無念の想いを15年後の日本映画黄金期にぶつけたものでもあった。旧作と比較しても甲乙つけがたい秀逸な出来栄えで、58年のヴェネツィア国際映画祭ではグランプリを受賞。三船の豪快かつ純粋さ際立つ名演はいつまでも忘れがたい余韻を残す。



【あらすじ:「Amazon」(上矢印)よりの引用】

北九州の小倉。人力車夫の富島松五郎(三船敏郎)が戻ってきた。喧嘩っ早く無鉄砲なため無法松と呼ばれる彼だが人情味は人一倍。

ある日、彼は稼業の道すがら木から落ちて怪我をした少年を助ける。少年は吉岡大尉(芥川比呂志)とその妻よし子(高峰秀子)の一粒種・敏雄であった。これをきっかけに、彼は親しく吉岡家に出入りするようになる。ところが大尉は演習で雨に打たれた風邪が元で急逝してしまう。

それからの松五郎は敏雄のよき遊び相手ともなり、淋しい母子の力となった。時は流れ、敏雄は成人した。大正六年の祇園祭り。案内役の松五郎は、敏雄への離愁、夫人への慕情と、その複雑な思いを胸に祇園太鼓を打つのだった…。


【ネタバレありの結末までのあらすじ:「映画.com」をご参照下さい。】




【感想】

三船敏郎という男優と言えば、16本も出演している黒澤明監督作品のイメージが強いが、実はこの稲垣浩監督作品にはそれを上回る20本も出演しているのだそうだ。そして、この「無法松の一生」を三船のベスト作品として挙げる人も多いらしい。

ちなみに、この映画🎞️の公開時点(1958年)で、三船敏郎はまだ38歳。しかし、映画での老けぶりは驚く。昔から特殊メイクの技術は凄かったのだ。

また、三船プロダクションのOB社員は、寡黙で不器用で、一途で、義理人情に厚く、我慢強くひたすら何かに耐えている無法松が社長(三船敏郎)の人物像に被っていると言うのだそうだ。

お会いしたことは無いが、実際の三船敏郎はスクリーン内の豪放磊落なイメージとは裏腹に(但し、運動能力は映画のとおり非常に優れていた)、極めて几帳面、マネージャーは付けず全て自分自身でスケジュール等管理、撮影所には誰よりも早く入る、台詞は全て完璧に覚えて来る、プロダクションのオフィスの前の道路を自から掃除する様な人物だったらしい。

そんな三船敏郎の実像そのものだったらしい無法松の、当時は根強く存在した身分や階級の差から、未亡人への想いを秘めて堪えて耐えに耐える人物像は極めて日本的🇯🇵で、中高年の日本男子の端くれの私の胸を打つ。

しかし、この極めて日本的人物を描いて極めて日本的🇯🇵に見えるこの作品🎞に、海外の人々も普遍的人間の価値を見出したらしい。それが証拠にこの映画🎞は、ヴェネツィア国際映画祭🇮🇹で金獅子賞(最優秀作品賞)🏆に輝いている。

もし、TV📺でもDVD📀でもネット配信🖥でも良いので、この映画🎞を観る機会があったならば、絶対に見逃してはならない。



【スタッフ•キャスト:「映画.com」(上矢印)よりの引用】


【上映時間•公開日•受賞:「Wikipedia」よりの引用】

上映時間:1時間44分
日本公開🇯🇵:1958年4月22日
第19回(1958年)ヴェネツィア国際映画祭:金獅子賞(最優秀作品賞)受賞

【鑑賞日•場所】

鑑賞日:2021年1月4日
場所:新宿武蔵野館



【三船敏郎 主要出演作品】

谷口千吉 「銀嶺の果て」 (1947)
黒澤明 「酔いどれ天使」 (1948)
黒澤明 「静かなる決闘」 (1949)
谷口千吉 「ジャコ萬と鉄」 (1949)
黒澤明 「野良犬」 (1949)
黒澤明 「醜聞」 (1950)
黒澤明 「羅生門」 (1950)
黒澤明 「白痴」 (1951)
森一生 「荒木又右衛門 決闘鍵屋の辻」 (1952)
千葉泰樹 「東京の恋人」 (1952)
谷口千吉 「吹けよ春風」(1953)
本多猪四郎 「太平洋の鷲」 (1953)
黒澤明 「七人の侍」 (1954)
稲垣浩 「宮本武蔵」 (1954)
杉江敏男 「天下泰平」 (1955)
杉江敏男 「続 天下泰平」 (1955)
稲垣浩 「続 宮本武蔵 一乗寺の決闘」 (1955)
黒澤明 「生きものの記録」 (1955)
稲垣浩 「宮本武蔵 完結編 決闘巌流島」 (1956)
成瀬巳喜男 「妻の心」 (1956)
黒澤明 「蜘蛛巣城」 (1957)
黒澤明 「どん底」 (1957)
千葉泰樹 「下町 ダウンタウン」 (1957)
稲垣浩 「無法松の一生」 (1958)
黒澤明 「隠し砦の三悪人」 (1958)
稲垣浩 「或る剣豪の生涯」 (1959)
稲垣浩 「日本誕生」 (1959)
岡本喜八 「暗黒街の対決」 (1960)
黒澤明 「悪い奴ほどよく眠る」 (1960)
黒澤明 「用心棒」 (1961)
稲垣浩 「ゲンと不動明王」 (1961)
黒澤明 「椿三十郎」 (1962)
稲垣浩 「どぶろくの辰」 (1962)
松林宗恵 「太平洋の翼」 (1963)
黒澤明 「天国と地獄」 (1963)
岡本喜八 「」 (1965)
黒澤明 「赤ひげ」 (1965)
岡本喜八 「血と砂」 (1965)
谷口千吉 「奇巌城の冒険」 (1966)
ジョン・フランケンハイマー 「グラン・プリ」 (1966)
小林正樹 「上意討ち 拝領妻始末」 (1967)
岡本喜八 「日本のいちばん長い日」 (1967)
熊井啓 「黒部の太陽」 (1968)
ジョン・ブアマン 「太平洋の地獄」 (1968)
稲垣浩 「風林火山」 (1969)
蔵原惟繕 「栄光への5000キロ」 (1969)
丸山誠治 「日本海大海戦」 (1969)
岡本喜八 「赤毛」 (1969)
沢島忠 「新撰組」 (1969)
岡本喜八 「座頭市と用心棒」 (1970)
テレンス・ヤング「レッド・サン」 (1971)
中島貞夫 「日本の首領 野望編」 (1977)
熊井啓 「お吟さま」 (1978)
中島貞夫 「日本の首領 完結編」 (1978)
スティーヴン・スピルバーグ「1941」 (1979)
舛田利雄 「二百三高地」 (1980)
山田洋次 「男はつらいよ 知床慕情」 (1987)
熊井啓 「千利休 本覺坊遺文」 (1989)
熊井啓 「深い河」 (1995)





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