丸山誠治 「連合艦隊司令長官 山本五十六」 (1968) | It’s not about the ski 遅れて来た天才スキーヤー???、時々駄洒落(笑)、毎日ビール!(爆)

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スキー大好き、ゴルフ、読書、映画、演劇、音楽、絵画、旅行と他の遊びも大好き、元々仕事程々だったが、もっとスキーが真剣にやりたくて、会社辞めちまった爺の大冒険?






【あらすじ:Movie Walkerよりの引用(→)】

昭和14年(1939年)、揺れ動く世界情勢は未曽有の危機をはらんでいた。折しも日本国内では、日独伊軍事同盟をめぐって、陸軍を中心とする軍事同盟賛成派と、一部反対派が対立していた。

時の海軍次官 山本五十六は世界大戦突入を憂慮し、同盟結成を阻止しようとしていたが、皮肉にも連合艦隊司令長官に任命されてしまった。翌年9月27日、日独伊三国同盟が調印され、やがて日米が戦争になるのは避けられない情勢となった。

山本司令長官は任務のために、昭和16年(1941年)12月8日、真珠湾奇襲作戦に出たが、それは早期講和に持込むための布石だった。この作戦は予想以上の戦果をあげた。

だが、米軍の空母全隻が無傷だったことは、開戦劈頭に相手に致命的打撃を与え早期講和に繋ごうという念願を崩し去った。やがて、大和が連合艦隊の旗艦として就役。真珠湾の余勢を駆って、日本軍は西南太平洋から印度洋にかけて、破竹の進撃を続けた。

だが昭和17年(1942年)4月18日、米空母ホーネットを発艦したB25爆撃機の編隊が、日本本土を初空襲。これに動揺した軍上層部は、ミッドウェー(ミッドウェー島は北太平洋ハワイ諸島西にある環礁)攻略作戦を強行した。しかし、作戦指導の失敗から、空母4隻を失い、山本長官の念願していた早期講和への道は、全く絶たれてしまった。

ミッドウェーの勝利から米軍は、俄然反撃に転じ、ソロモン諸島ガダルカナル島への上陸作戦を開始した。日本軍はラバウル(パプアニューギニアのニューブリテン島ガーゼル半島東側の都市)を基地に善戦したものの、補給に継ぐ補給、消耗に継ぐ消耗と日米の物量の差が日増しに現れ始めた。

ガダルカナルの将兵には、飢餓・酷熱・疫病との戦いも加わり全滅寸前。ここに山本長官は全責任を一身に集め、作戦を中止し一万余の将兵を救うべくガダルカナル島撤収命令を出した。

撤収を終った山本長官は、戦局挽回のため自らもラバウルに将旗を飜えした。そして、昭和18年(1943年)4月18日、山本長官は6機の零戦に護られて前線部隊の激励に出かけた。しかし、米軍は日本軍の機密暗号電報を解読していた。やがて、長官の乗った一式陸上攻撃機機は護衛機必死の応戦もむなしく、米軍P38機に襲われ火を吐いた。



【感想】

ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐」(1960)では、山口多聞 航空戦隊司令官役だった三船敏郎だが、8年後の本作品では、その更に上官、大臣を除いて海軍トップの、山本五十六 連合艦隊司令長官に昇進した(笑)

三船は、晩年自宅で良く本作品のヴィデオを観ていたらしいが、米国留学経験のある知米派で、日独伊三国軍事同盟に反対し、米国との開戦を避けようとした合理主義者の山本五十六のイメージを定着させたのはこの映画と、阿川弘之の小説「山本五十六」なのだろう。

映画は、阿川弘之の小説を原作としていたのかと思っていたが、タイトルにクレジットがないので、どうも違うらしい。本当の山本五十六がここまで人格者だったかどうかは判らないが(当時としては当たり前なのかもしれないが、妾もいた由)、三船敏郎が演じている山本はリーダーの理想像であり、平和の時代にも欲しい人材である。

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、褒めてやらねば、人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」:山本五十六




【スタッフ、キャスト等】

監督:丸山誠治
脚本:須崎勝彌、丸山誠治
撮影:山田一夫
美術:北猛夫
音楽:佐藤勝
特技監督:円谷英二
キャスト:
山本五十六 連合艦隊司令長官(三船敏郎)
辻政信 陸軍参謀(中谷一郎)
木村大尉(黒沢年男)
米内光政 海軍大臣(八代目 松本幸四郎)
渡辺安次 戦務参謀(平田昭彦)
黒島亀人 先任参謀(土屋嘉男)
宇垣纏 参謀長(稲葉義男)
源田実 航空参謀(佐藤允)
高野大尉(久保明)
伊集院大尉(加山雄三)
伊藤整一 軍令部次長(宮口精二)
南雲忠一 機動部隊司令長官(藤田進)
近衛文麿 総理大臣(森雅之)
平出英夫 大本営報道部長(加東大介)
木村澄江(司葉子)
矢吹友子(酒井和歌子)
船頭 喜太郎(辰巳柳太郎)
ナレーション(仲代達矢)

上映時間:2時間08分
日本公開:1968年8月14日
鑑賞日:2018年7月23日
場所:新文芸坐(池袋)



【三船敏郎 主要出演作品】

谷口千吉 「銀嶺の果て」 (1947)
黒澤明 「酔いどれ天使」 (1948)
黒澤明 「静かなる決闘」 (1949)
谷口千吉 「ジャコ萬と鉄」 (1949)
黒澤明 「野良犬」 (1949)
黒澤明 「醜聞」 (1950)
黒澤明 「羅生門」 (1950)
黒澤明 「白痴」 (1951)
森一生 「荒木又右衛門 決闘鍵屋の辻」 (1952)
千葉泰樹 「東京の恋人」 (1952)
谷口千吉 「吹けよ春風」(1953)
本多猪四郎 「太平洋の鷲」 (1953)
黒澤明 「七人の侍」 (1954)
稲垣浩 「宮本武蔵」 (1954)
杉江敏男 「天下泰平」 (1955)
杉江敏男 「続 天下泰平」 (1955)
稲垣浩 「続 宮本武蔵 一乗寺の決闘」 (1955)
黒澤明 「生きものの記録」 (1955)
稲垣浩 「宮本武蔵 完結編 決闘巌流島」 (1956)
成瀬巳喜男 「妻の心」 (1956)
黒澤明 「蜘蛛巣城」 (1957)
黒澤明 「どん底」 (1957)
千葉泰樹 「下町 ダウンタウン」 (1957)
稲垣浩 「無法松の一生」 (1958)
黒澤明 「隠し砦の三悪人」 (1958)
稲垣浩 「或る剣豪の生涯」 (1959)
稲垣浩 「日本誕生」 (1959)
岡本喜八 「暗黒街の対決」 (1960)
黒澤明 「悪い奴ほどよく眠る」 (1960)
黒澤明 「用心棒」 (1961)
稲垣浩 「ゲンと不動明王」 (1961)
黒澤明 「椿三十郎」 (1962)
稲垣浩 「どぶろくの辰」 (1962)
松林宗恵 「太平洋の翼」 (1963)
黒澤明 「天国と地獄」 (1963)
岡本喜八 「」 (1965)
黒澤明 「赤ひげ」 (1965)
岡本喜八 「血と砂」 (1965)
谷口千吉 「奇巌城の冒険」 (1966)
ジョン・フランケンハイマー 「グラン・プリ」 (1966)
小林正樹 「上意討ち 拝領妻始末」 (1967)
岡本喜八 「日本のいちばん長い日」 (1967)
熊井啓 「黒部の太陽」 (1968)
丸山誠治 「連合艦隊指令長官 山本五十六」 (1968)
ジョン・ブアマン 「太平洋の地獄」 (1968)
稲垣浩 「風林火山」 (1969)
蔵原惟繕 「栄光への5000キロ」 (1969)
丸山誠治 「日本海大海戦」 (1969)
岡本喜八 「赤毛」 (1969)
沢島忠 「新撰組」 (1969)
岡本喜八 「座頭市と用心棒」 (1970)
テレンス・ヤング「レッド・サン」 (1971)
中島貞夫 「日本の首領 野望編」 (1977)
熊井啓 「お吟さま」 (1978)
中島貞夫 「日本の首領 完結編」 (1978)
スティーヴン・スピルバーグ「1941」 (1979)
舛田利雄 「二百三高地」 (1980)
山田洋次 「男はつらいよ 知床慕情」 (1987)
熊井啓 「千利休 本覺坊遺文」 (1989)
熊井啓 「深い河」 (1995)






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