【感想】
一昨年の10月に再見して以来の鑑賞。感想については、前回(↓)のより気の効いたことは書けそうにないので、リブログして、下に貼っておくことにする。
今回は特に三船敏郎に注目して観てみた。
三船敏郎演じる菊千代は、農民の生まれだが武士に憧れて、七人の侍の戦いに加わった自称「武士」であり、この映画において、勘兵衛(志村喬)をリーダーとする浪人たちと、利吉(土屋嘉男)らの農民たちとの、橋渡しをする重要なキャラクターである。
前回も少し書いてしまっているが、大地のマグマが噴出する様な、荒々しく猛々しい三船の演技(当時34歳)を通して、破天荒な菊千代というキャラクターが生き生きとしてスクリーンを駆け巡っていく。
一億総平民の戦後の昭和の世に、武士がいるはずは無く、農民でありながら侍の心意気・気概を持とうとする菊千代は、敗戦から立ち直りつつある当時の日本観客が一番共感出来るキャラクターだったのかもしれない。
【スタッフ、キャスト等】
監督:黒澤明
脚本:黒澤明、橋本忍、小國英雄
撮影:中井朝一
音楽:早坂文雄
美術:松山崇
キャスト:
七人の侍
菊千代(三船敏郎)
勘兵衛(志村喬)
勝四郎(木村功)
五郎兵衛(稲葉義男)
七郎次(加東大介)
平八(千秋実)
久蔵(宮口精二)
農民
儀作(高堂国典)
利吉(土屋嘉男)
茂助(小杉義男)
万造(藤原釜足)
与平(左卜全)
万造の娘 志乃(津島恵子)
利吉の妻(島崎雪子)
上映時間:3時間27分
日本公開:1954年4月26日
1954年度キネマ旬報ベストテン:日本映画第3位
1954年度ヴェネツィア国際映画祭:銀獅子賞
鑑賞日:2018年7月11日
場所:TOHOシネマズ新宿
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