黒澤明 「野良犬」 (1949) | It’s not about the ski 遅れて来た天才スキーヤー???、時々駄洒落(笑)、毎日ビール!(爆)

It’s not about the ski 遅れて来た天才スキーヤー???、時々駄洒落(笑)、毎日ビール!(爆)

スキー大好き、ゴルフ、読書、映画、演劇、音楽、絵画、旅行と他の遊びも大好き、元々仕事程々だったが、もっとスキーが真剣にやりたくて、会社辞めちまった爺の大冒険?


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【あらすじ:Wikipediaよりの引用】

ある猛暑の日、村上刑事(三船敏郎)は射撃訓練からの帰途のバスの中でコルト式拳銃をすられ、犯人を追うも見失ってしまう。
拳銃の中には7発の銃弾が入っていたため、事件が起きるのではないかと彼は焦り戸惑う。

村上は上司の中島警部(清水元)の進言で、スリ係の市川刑事(河村惣吉)に相談し、鑑識手口カードを調べるうちに、女スリのお銀(岸輝子)こそが、混んだバスの中で身体を押し付けて来た女だと、その顔写真を見て思い出す。

村上はお銀のもとを訪ねるも、彼女はシラを切るばかり。そこで村上は彼女を執拗に追い回し、とうとう観念したお銀は、場末の盛り場で食い詰めた風体でうろついてるとピストル屋が袖を引くというヒントを与える。

ピストルを探すため復員兵姿で闇市を歩く村上は、ピストルの闇取引の現場を突き止め、ピストル屋のヒモの女(千石規子)を逮捕するが、先に女を捕まえたためピストルを渡しに来た男に逃げられてしまう。

そこへ淀橋で強盗傷害事件が発生し、その銃弾を調べると村上のコルトが使われたと判った。責任を感じた村上は辞表を提出するが、中島警部はそれを引き裂き「君の不運は君のチャンスだ」と叱咤激励する。

村上は、淀橋署のヴェテラン刑事佐藤(志村喬)と組み捜査を行うことになった。
村上と佐藤はピストル屋のヒモの女を聴取して、拳銃の闇ブローカー本多(山本礼三郎)の存在を突き止める。

本多が野球好きだと知り、捜査陣は巨人対南海戦が行なわれるに後楽園球場向かう。アイスキャンディ売りの男が本多を発見し、佐藤と村上は球場にニセの呼び出し場内放送を流して貰い、本多を正面玄関に呼び出し、逮捕する。

本多の口からピストルは遊佐という男の元にあることが判明。
2人は早速遊佐の実家の桶屋へ向かって彼の姉に会い、遊佐が復員のときに帰りの汽車で全財産のリュックを盗まれたことが原因で、その道を踏み外したことを知るが、実家の部屋から発見した便箋より、恋人ハルミの存在をつかむ。

佐藤と村上はダンスホールを訪ね、そこで踊り子をしているハルミ(淡路恵子)を訪ねるが、多感な年頃の彼女は遊佐との関係については口を割らなかった。
村上はハルミに、自分も遊佐と同じく復員の際にリュックを盗まれた体験があると告げる。

【この映画をまだご覧になられていない方は、この先のあらすじ(含む結末)は読まれないで、次の「感想」の項にジャンプされる様、強くお薦め致します】

ついに、ある邸宅のご夫人が村上のコルトで殺傷される事件が発生。
まだピストルには弾が5発残っている。
佐藤と村上はハルミのアパートへ向かい、村上はハルミが遊佐について白状するのを待つ。
佐藤は部屋にあった「あづまホテル」のマッチを手掛かりに遊佐の姿を追い、彼が宿泊する弥生ホテルに辿り着く。

佐藤はホテルからハルミ宅にいる村上に電話をかけようとするが、警官が来たことに気付いた遊佐の凶弾に倒れてしまう。
ハルミと村上は受話器越しに2発の銃声を聞き、村上は絶叫する。
遊佐は土砂降りの雨が降る中を逃走した。

翌朝、警察病院で佐藤の回復を待つ村上の元にハルミがやって来て、遊佐が午前6時に大原駅で待っていることを告げる。
村上は駅へ駆け出し、待合室の人々の中から泥だらけの靴で、スーツのズボンも泥の跳ね上げが凄い男、すなわち遊佐を探し出す。

村上と目が合った遊佐は逃亡、それを追いかけ、雑木林の中で格闘を繰り広げる。
1発の銃弾が村上の左腕を射抜き、残りの2発は外れ、弾丸はなくなった。
力尽きた遊佐に村上は手錠をかける。
その側を登校する子供たちが「蝶々」を歌いながら通っていくのだった。

数日後、病室の佐藤を訪れた村上は、遊佐の行状を他人事とは思えないと述懐する。
それに対して佐藤は、この町では犯罪は毎日のように起きており、遊佐のことなどいずれ忘れるだろうと諭すのだった。



【感想】

黒澤明の刑事ものの傑作。新米刑事とヴェテラン刑事のコンビが難事件を解決というストーリーは、その後ハリウッド映画等で無数のヴァリエーションを生むことになる。

若き日の三船敏郎のキレキレの風貌と演技。熱いマグマを胎内に抱えているかの様。
それと対照的な、志村喬演じる温和で酸いも甘いも知り尽くしたヴェテラン刑事。
この凸凹コンビのチームワークと活躍が、この映画の最大の見所のひとつ。

犯人役の木村功と、その恋人役の有馬恵子の硬くて青い感じも良い。犯人とて、道を踏み外しさえしなければ、もっと真っ当な人間になっていたかもだ。
境遇から言って、村上刑事と犯人はコインの表と裏だから。

いずれにしても、俳優の演技が素晴らしいと映画が締まる。これもDVD等でも良いから是非観て戴きたい映画。68年前の作品とは思えない臨場感と緊張感。

まだ戦後4年しか経っていない当時の雰囲気、風俗も興味深い。

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【スタッフ、キャスト等】

監督:黒澤明
脚本:黒澤明、菊島隆三
キャスト
村上刑事:三船敏郎
佐藤刑事:志村喬
並木ハルミ:淡路恵子
スリ係 市川刑事:河村惣吉
係長 中島警部:清水元
ハルミの母:三好榮子
ピストル屋のヒモ:千石規子
拳銃の闇ブローカー本多:山本礼三郎
桶屋の女房(遊佐の姉):本間文子
遊佐:木村功

上映時間:2時間02分
日本公開:1949年10月17日
1949年度キネマ旬報ベストテン:日本映画第3位
鑑賞日:2017年10月28日
場所:TOHOシネマズ新宿



【黒澤明監督作品リスト】

① 「姿三四郎」 (1943)
② 「一番美しく」 (1944)
③ 「続 姿三四郎」 (1945)
④ 「虎の尾を踏む男達」 (1945)
⑤ 「わが青春に悔なし」 (1946)
⑥ 「素晴らしき日曜日」 (1947)
⑦ 「酔いどれ天使」 (1948)
⑧ 「静かなる決闘」 (1949)
⑨ 「野良犬」 (1949)
⑩ 「醜聞」 (1950)
⑪ 「羅生門」 (1950)
⑫ 「白痴」 (1951)
⑬ 「生きる」 (1952)
⑭ 「七人の侍」 (1954)
⑮ 「生きものの記録」 (1955)
⑯ 「蜘蛛巣城」 (1957)
⑰ 「どん底」 (1957)
⑱ 「隠し砦の三悪人」 (1958)
⑲ 「悪い奴ほどよく眠る」 (1960)
⑳ 「用心棒」 (1961)
㉑ 「椿三十郎」 (1962)
㉒ 「天国と地獄」 (1963)
㉓ 「赤ひげ」 (1965)
㉔ 「どですかでん」 (1970)
㉕ 「デルス・ウザーラ」 (1975)
㉖ 「影武者」 (1980)
㉗ 「乱」 (1985)
㉘ 「夢」 (1990)
㉙ 「八月の狂詩曲 (1991)
㉚ 「まあだだよ」 (1993)



【オマケ:お時間のある方はどうぞ。】






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