松林宗恵 「ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐」 (1960) | It’s not about the ski 遅れて来た天才スキーヤー???、時々駄洒落(笑)、毎日ビール!(爆)

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スキー大好き、ゴルフ、読書、映画、演劇、音楽、絵画、旅行と他の遊びも大好き、元々仕事程々だったが、もっとスキーが真剣にやりたくて、会社辞めちまった爺の大冒険?





【予告編:3分09秒】





【あらすじ:Movie Walkerよりの引用(→)】

昭和16年(1941年)12月、千島列島 択捉島、単冠湾に集結した連合艦隊の主力空母6隻、戦艦2隻、巡洋艦3隻、駆逐艦11隻を含む機動部隊は一路ハワイへ向けて南下していた。

緒戦において敵の胸中深く突入、アメリカ太平洋艦隊を撃滅する。これは司令長官 山本五十六 大将の大博打だったが、天は幸した。

12月8日午前1時05分、空母より発進した第一次攻撃隊は洋上に去った。友成大尉(鶴田浩二)以下189機。偵察士官 北見中尉(夏木陽介)もその一人だった。

「全軍突撃!」の命令一下、一斉に攻撃は開始された。帰途につく第一次攻撃隊と入れちがいに第二次攻撃隊が攻撃を引き継いだ。「われ、奇襲に成功せり」、北見はこう打電した。

真珠湾攻撃の後、北見に帰省が許された。ひなびた山間の村。ひとりの母と、気だてのいい許婚の啓子(上原美佐)がいた。しかし、結婚により帝国海軍軍人として気迫に欠けることがないか、結論を得ないまま彼は戦場に帰った。

セレベスに、濠北に、印度洋に。連合艦隊の行くところ敵はなかった。再び帰省した北見は、啓子と結婚することになった。が、一通のウナ電が彼を母艦に呼び戻す。玄関先でのあわただしい、これが最後になるかもしれない固めの盃。

連合艦隊は、アメリカ太平洋艦隊に最後のとどめを刺すべく、アメリカの空母を求めてミッドウェイ海域に出撃した。意外に強いグラマン機の反撃。しかし、アメリカの空母は現われない。攻撃機に装填された魚雷が外され、代わりに爆弾が付けられた。

そこへ、敵空母発見の報が入った。再び魚雷が装填される。一瞬の後、アメリカの攻撃機が姿を現わした。「五分」。この時間が日本無敵艦隊をミッドウェイの沖深く沈めてしまった。

北見ら生残りの将兵たちは、この敗戦をひたかくしにしようとする軍首脳のため、家族に会うことも許されずに九州基地から二度と帰らぬ戦場へと飛び立っていった。


【感想】

ハワイ・真珠湾攻撃から、ミッドウェイ海戦での敗北までを描く。主人公は若い北見中尉(夏木陽介)と言って良く、三船敏郎は北見の上官である山口航空戦隊司令官役である。

三船は、この映画より前の本多猪四郎監督の「太平洋の鷲」(1953)で、本格的戦争映画に初めて出演したが、この時は第二航空戦隊の友永大尉役(本作品では鶴田浩二が演じている)であり、司令長官という様な、軍上層部の士官を演じるのは、今回が初めてであるが、本作で、三船敏郎の立派な軍司令官というイメージが定着したのだろうと思う。

本作の時点で三船敏郎はまだ40歳だが、大変な貫禄である。しかも、黒澤明の「用心棒」は、この映画より翌年の1961年公開であり、実は「軍人」三船より、「素浪人 三十郎」三船の方が後なのは、小さな驚きだ。

最初は、真珠湾攻撃より始まり、国威発揚映画の様に勇ましいが、ミッドウェイ海戦での敗北で、映画は一気に厭戦気分に。空母飛龍と運命を共にした山口司令官(三船敏郎)と加来艦長(田崎潤)の幽霊(?)が、今後の日本の戦局を憂いた会話を交わすシーンがあり、ユニークである。




【スタッフ、キャスト等】

監督:松林宗恵
脚本:橋本忍、国弘威雄
撮影:山田一夫
美術:北猛夫、清水喜代志
音楽:團伊玖磨
特技監督:円谷英二
キャスト:
第二航空戦隊空母「飛龍」
北見中尉(夏木陽介)
松浦中尉(佐藤允)
梅崎軍医中尉(太刀川寛)
脇中尉(瀬木俊一)
矢野中尉(上村幸之)
友成大尉(鶴田浩二)
深瀬大尉(小泉博)
飛行長(平田昭彦)
航空参謀(土屋嘉男)
先任参謀(池部良)
加来艦長(田崎潤)
山口第二航空戦隊司令官(三船敏郎)
啓子(上原美佐)
連合艦隊
山本五十六司令長官(藤田進)
第一航空戦隊空母「赤城」
整備参謀(堺左千夫)
通信参謀(宝田明)
戦務参謀(小林桂樹)
航空参謀(三橋達也)
作戦参謀(加東大介)
草鹿参謀長(上原謙)
民間人
啓子(上原美佐)
サト(三益愛子)
藤作(志村喬)

上映時間:1時間58分
日本公開:1960年4月26日
鑑賞日:2018年7月21日
場所:新文芸坐(池袋)




【三船敏郎 主要出演作品】

谷口千吉 「銀嶺の果て」 (1947)
黒澤明 「酔いどれ天使」 (1948)
黒澤明 「静かなる決闘」 (1949)
谷口千吉 「ジャコ萬と鉄」 (1949)
黒澤明 「野良犬」 (1949)
黒澤明 「醜聞」 (1950)
黒澤明 「羅生門」 (1950)
黒澤明 「白痴」 (1951)
森一生 「荒木又右衛門 決闘鍵屋の辻」 (1952)
千葉泰樹 「東京の恋人」 (1952)
谷口千吉 「吹けよ春風」(1953)
本多猪四郎 「太平洋の鷲」 (1953)
黒澤明 「七人の侍」 (1954)
稲垣浩 「宮本武蔵」 (1954)
杉江敏男 「天下泰平」 (1955)
杉江敏男 「続 天下泰平」 (1955)
稲垣浩 「続 宮本武蔵 一乗寺の決闘」 (1955)
黒澤明 「生きものの記録」 (1955)
稲垣浩 「宮本武蔵 完結編 決闘巌流島」 (1956)
成瀬巳喜男 「妻の心」 (1956)
黒澤明 「蜘蛛巣城」 (1957)
黒澤明 「どん底」 (1957)
千葉泰樹 「下町 ダウンタウン」 (1957)
稲垣浩 「無法松の一生」 (1958)
黒澤明 「隠し砦の三悪人」 (1958)
稲垣浩 「或る剣豪の生涯」 (1959)
稲垣浩 「日本誕生」 (1959)
岡本喜八 「暗黒街の対決」 (1960)
松林宗恵 「ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐」 (1960)
黒澤明 「悪い奴ほどよく眠る」 (1960)
黒澤明 「用心棒」 (1961)
稲垣浩 「ゲンと不動明王」 (1961)
黒澤明 「椿三十郎」 (1962)
稲垣浩 「どぶろくの辰」 (1962)
松林宗恵 「太平洋の翼」 (1963)
黒澤明 「天国と地獄」 (1963)
岡本喜八 「」 (1965)
黒澤明 「赤ひげ」 (1965)
岡本喜八 「血と砂」 (1965)
谷口千吉 「奇巌城の冒険」 (1966)
ジョン・フランケンハイマー 「グラン・プリ」 (1966)
小林正樹 「上意討ち 拝領妻始末」 (1967)
岡本喜八 「日本のいちばん長い日」 (1967)
熊井啓 「黒部の太陽」 (1968)
丸山誠治 「連合艦隊指令長官 山本五十六」 (1968)
ジョン・ブアマン 「太平洋の地獄」 (1968)
稲垣浩 「風林火山」 (1969)
蔵原惟繕 「栄光への5000キロ」 (1969)
丸山誠治 「日本海大海戦」 (1969)
岡本喜八 「赤毛」 (1969)
沢島忠 「新撰組」 (1969)
岡本喜八 「座頭市と用心棒」 (1970)
テレンス・ヤング「レッド・サン」 (1971)
中島貞夫 「日本の首領 野望編」 (1977)
熊井啓 「お吟さま」 (1978)
中島貞夫 「日本の首領 完結編」 (1978)
スティーヴン・スピルバーグ「1941」 (1979)
舛田利雄 「二百三高地」 (1980)
山田洋次 「男はつらいよ 知床慕情」 (1987)
熊井啓 「千利休 本覺坊遺文」 (1989)
熊井啓 「深い河」 (1995)






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