岡本喜八 「座頭市と用心棒」 (1970) | It’s not about the ski 遅れて来た天才スキーヤー???、時々駄洒落(笑)、毎日ビール!(爆)

It’s not about the ski 遅れて来た天才スキーヤー???、時々駄洒落(笑)、毎日ビール!(爆)

スキー大好き、ゴルフ、読書、映画、演劇、音楽、絵画、旅行と他の遊びも大好き、元々仕事程々だったが、もっとスキーが真剣にやりたくて、会社辞めちまった爺の大冒険?





【予告編:2分46秒】





【あらすじ:Movie Walkerよりの引用(→)】

血に飽いた座頭市(勝新太郎)の心に、3年前の蓮華沢の里が故郷の様に懐かしく感じられた。しかし、市が蓮華沢の里に来てみると、里の平和は小仏の政五郎(米倉斉加年)の暴力に踏みにじられていた。

座頭市が来たことを知った政五郎は、用心棒の浪人 佐々大作(三船敏郎)に百両で市殺しを頼んだ。用心棒は、盲の按摩が相手だと知ると断ったが、百両の金に釣られて承知した。

しかし、対決して市が只者でない事を知った用心棒は、一笑して市を「化物」と呼び、市も用心棒を「獣」とつぶやいた。二人は、再度の勝負を約して酒をくみ交した。その居酒屋の女将 梅乃(若尾文子)は、市にとっては懐かしい人だった。

やがて凶状持ちの市は番所からの呼出しで牢に入れられた。市を牢から出してくれたのは、この里に君臨する小仏一家の政五郎と対抗する、政五郎の実の父、生糸問屋の烏帽子屋弥助(滝沢修)だった。

弥助宅に腰を落ちつけた市を見て、政五郎は、用心棒に早く市を殺ってくれと頼んだ。それにつけ込んで用心棒は二百両に値上げを要求した。その頃弥助が莫大な金の延べ棒を隠しているという噂が流れた。

政五郎らはやっきになって、そのありかを探した。折から短筒の名人 九頭竜(岸田森)が、烏帽子屋に草鞋を脱いだ。そんな折、八州廻りの役人 脇屋陣三郎(神山繁)が来て、弥助宅に立ちより、何か相談して帰っていった。

それを怪しいと睨んだ用心棒は陣三郎の帰途を待伏せるが、先に陣三郎一行を斬り捨てたのは、九頭竜だった。九頭竜は、跡部九内という公儀隠密で、先に金の一件を探りに送りこまれた用心棒の仕事が遅いので、やって来たのだった。

その秘密を跡をつけていた市が知り、用心棒と市は組んで金のありかを探すことにした。烏帽子屋弥助のもう一人の息子 御金改役 後藤三右衛門(細川俊之)が江戸から、大目付の目を逃れてやって来た。

【以下ネタバレあり!  読まれたくない方は、「感想」欄まで、お飛び下さい。】

翌朝、一方、小仏一家と烏帽子屋の対立は険悪になり、ついに斬り合いが始まり、果しなく続く。殴り込んだ用心棒に、三右衛門は斬りかかったが、斬っ先が狂って父 弥助の肩口に斬り込んでしまった。弥助は幽魂のように歩き、市がからくりを見破って地蔵から出した金粉の山に辿りつくと、彼を追ってきた三右衛門を刺したが、弥助自身も九頭竜の短筒に倒れた。

駆けつけた用心棒に九頭竜は静かに筒先を向けた。彼も金の亡者になったのだ。そして、用心棒をかばった梅乃が肩を射たれた。用心棒は九頭竜を倒し、深傷の梅乃を手当てをすると、吹雪の中に市と対決した。

市の仕込杖は折れ、用心棒の太股に刺さった。とその時、梅乃が助かったとの知らせで、二人は刀を引いた。風に吹かれて、飛び散る黄金の山を懸命にさぐる市の手が用心棒の手に触れた。二人はニヤッと笑い合って、吹雪の中を背を向けて歩き出した。



【感想】

2つの組織の勢力争いという図式は、黒澤明の「用心棒」(1960)の設定を敢えてそっくり戴いたパロディか。

映画で大人気の両キャラクターの夢の競演ということで、「座頭市」シリーズとしては最高のヒットを記録したらしい。しかも、どちらかと言うと、コミカルな場面が多く、クスクスしながら観れば良い大娯楽作品だ。

映画の肝のひとつは、登場人物がそれぞれ魅力的で、そのキャラクターの違いが良く描き分けられているかということだと思うが、主演の2人に加え、その他の登場人物も、一癖も二癖もあり、楽しめる。個人的には熟女 梅乃(若尾文子)の妖艶な美しさに惹かれるかも(笑)

しかし、用心棒が実は〇〇〇〇で、しかも、用心棒的稼業から足を洗って梅乃と所帯を持ちたい等と、不埒なことを用心棒(三船敏郎)が考えていて良いのだろうか!

この映画の公開年、三船敏郎の実年齢は50歳ちょうど。用心棒もほぼ同年代とすれば、そう考えるのも無理はないかも(笑)




【スタッフ、キャスト等】

監督:岡本喜八
脚本:岡本喜八、吉田哲郎
原作:子母沢寛の短編小説「座頭市物語」(1948)
撮影:宮川一夫
美術:西岡善信
音楽:伊福部昭
キャスト:
座頭市(勝新太郎)
用心棒 佐々大作(三船敏郎)
梅乃(若尾文子)
小仏の政五郎(米倉斉加年)
烏帽子屋弥助(滝沢修)
兵六(嵐寛寿郎)
九頭竜(岸田森)
後藤三右衛門(細川俊之)

上映時間:1時間55分
日本公開:1970年1月15日
鑑賞日:2018年7月14日
場所:新文芸坐(池袋)



【三船敏郎 主要出演作品】

谷口千吉 「銀嶺の果て」 (1947)
黒澤明 「酔いどれ天使」 (1948)
黒澤明 「静かなる決闘」 (1949)
谷口千吉 「ジャコ萬と鉄」 (1949)
黒澤明 「野良犬」 (1949)
黒澤明 「醜聞」 (1950)
黒澤明 「羅生門」 (1950)
黒澤明 「白痴」 (1951)
森一生 「荒木又右衛門 決闘鍵屋の辻」 (1952)
千葉泰樹 「東京の恋人」 (1952)
谷口千吉 「吹けよ春風」(1953)
本多猪四郎 「太平洋の鷲」 (1953)
黒澤明 「七人の侍」 (1954)
稲垣浩 「宮本武蔵」 (1954)
杉江敏男 「天下泰平」 (1955)
杉江敏男 「続 天下泰平」 (1955)
稲垣浩 「続 宮本武蔵 一乗寺の決闘」 (1955)
黒澤明 「生きものの記録」 (1955)
稲垣浩 「宮本武蔵 完結編 決闘巌流島」 (1956)
成瀬巳喜男 「妻の心」 (1956)
黒澤明 「蜘蛛巣城」 (1957)
黒澤明 「どん底」 (1957)
千葉泰樹 「下町 ダウンタウン」 (1957)
稲垣浩 「無法松の一生」 (1958)
黒澤明 「隠し砦の三悪人」 (1958)
稲垣浩 「或る剣豪の生涯」 (1959)
稲垣浩 「日本誕生」 (1959)
岡本喜八 「暗黒街の対決」 (1960)
松林宗恵 「ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐」 (1960)
黒澤明 「悪い奴ほどよく眠る」 (1960)
黒澤明 「用心棒」 (1961)
稲垣浩 「ゲンと不動明王」 (1961)
黒澤明 「椿三十郎」 (1962)
稲垣浩 「どぶろくの辰」 (1962)
松林宗恵 「太平洋の翼」 (1963)
黒澤明 「天国と地獄」 (1963)
岡本喜八 「侍」 (1965)
黒澤明 「赤ひげ」 (1965)
岡本喜八 「血と砂」 (1965)
谷口千吉 「奇巌城の冒険」 (1966)
ジョン・フランケンハイマー 「グラン・プリ」 (1966)
小林正樹 「上意討ち 拝領妻始末」 (1967)
岡本喜八 「日本のいちばん長い日」 (1967)
熊井啓 「黒部の太陽」 (1968)
丸山誠治 「連合艦隊指令長官 山本五十六」 (1968)
ジョン・ブアマン 「太平洋の地獄」 (1968)
稲垣浩 「風林火山」 (1969)
蔵原惟繕 「栄光への5000キロ」 (1969)
丸山誠治 「日本海大海戦」 (1969)
岡本喜八 「赤毛」 (1969)
沢島忠 「新撰組」 (1969)
岡本喜八 「座頭市と用心棒」 (1970)
テレンス・ヤング「レッド・サン」 (1971)
中島貞夫 「日本の首領 野望編」 (1977)
熊井啓 「お吟さま」 (1978)
中島貞夫 「日本の首領 完結編」 (1978)
スティーヴン・スピルバーグ「1941」 (1979)
舛田利雄 「二百三高地」 (1980)
山田洋次 「男はつらいよ 知床慕情」 (1987)
熊井啓 「千利休 本覺坊遺文」 (1989)
熊井啓 「深い河」 (1995)






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