岡本喜八 「赤毛」 (1969) | It’s not about the ski 遅れて来た天才スキーヤー???、時々駄洒落(笑)、毎日ビール!(爆)

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スキー大好き、ゴルフ、読書、映画、演劇、音楽、絵画、旅行と他の遊びも大好き、元々仕事程々だったが、もっとスキーが真剣にやりたくて、会社辞めちまった爺の大冒険?








【あらすじ:Movie Walkerよりの引用(→)】

慶応4年(1868年)、江戸に進撃する官軍の先駆となったのは、相楽総三(田村高廣)を隊長とする赤報隊であった。赤報隊は東山道軍参謀から年貢半減令の旗印を与えられ、沿道各地の民衆を鎮撫して行った。

百姓あがりの赤報隊 隊士 権三(三船敏郎)は、次の目的地が郷里の沢渡宿と知るや許しを得て単身この地に乗込んだ。
その頃、幕領 沢渡宿は神尾金太夫 代官(伊藤雄之助)と結託した博徒 駒虎(花沢徳衛)一家に支配され、民衆はその圧制に苦しんでいた。

赤毛の権三は卑怯な駒虎から、年貢のカタに取られた娘たちを解放、続いて代官屋敷からは年貢米を取返した。民衆に敬まわれ有頂点の権三、母親はそんな息子に不安を感じていた。

その頃、この宿場には、官軍を阻止せんと幕臣たちの遊撃一番隊が町人に化けて潜入していた。彼らは意気あがる権三に居合い斬りの達人 一ノ瀬半蔵(高橋悦史)をさし向け、駒虎は権三の恋人トミ(岩下志麻)を丸め込んだ。

一方、仲間を助けに行っている留守中に、官軍への献金持逃げや偽官軍を吹聴された権三は代官を詰問したが、うまくその場をかわされてしまった。民衆の支持を失った権三を励ますのは、真情を知るトミだけだった。

権三は、本隊にこの旨を報告旁、三次(寺田農)ら4人を派遣して軍資金を届けさせた。しかし、偽官軍の汚名を着せられた相楽はすでに処刑されていた。三次たちを迎えたのは、東山道軍参謀 荒垣(神山繁)を初めとする白毛をかぶった官軍だった。

白毛隊は無残にも少年たちを斬り捨てた。新しく支配者となった東山道軍参謀に年貢半減令や民衆の心などは邪魔だった。代官は遊撃隊に殺され、半蔵の恋人(吉村実子)も彼らにより命を落した。半蔵は無理非道な白毛隊官軍に怒り、権三に加担した。

やがて、トミまでが白毛隊の非情な弾丸を浴びて殺され、赤毛の権三は激しい怒りと共にに荒垣のいる白毛隊官軍勢に突撃して行った。



【感想】

連合艦隊司令長官 山本五十六」(1968)/日本海大海戦」(1969)での、それぞれ山本五十六/東郷平八郎 連合艦隊司令長官を演じた後の作品であり、この後の作品新撰組」(1969)では、近藤勇 局長になるが、本作品はそれらと全く違う役柄。百姓上がりで学問も修めていないが、元気と勢いと正義感が取り柄の無名の赤報隊兵士 権三(架空の人物)である。

この権三が、あの七人の侍」(1954)の菊千代を彷彿とさせるエネルギッシュでギラギラした演技で画面狭しと暴れ捲る痛快さ。
七人の侍」では34歳だった三船も、この映画公開時点ではもう49歳だったが、菊千代が帰って来た感じで、とても面白い快作である。

上記の3作品や、この後に岡本喜八監督が撮った座頭市と用心棒」 (1970)も含めた5作品の中では、この映画が一番好きかもしれない。

三船敏郎は軍神等優等生キャラクターよりも、実はアウトロー的ヒーローが良く似合う。ご本人も伸び伸びと演じておられる様に見える。

この以前に封切られた、「上意討ち 拝領妻始末」(1967)もサラリーマン侍が、最後に藩の理不尽な命令に耐えきれず反逆し、爆発する話だった。同じ岡本喜八監督作品の「」(1965)、血と砂」(1965)も、アウトロー西部劇の様な話。アウトロー三船敏郎の方が、その生い立ちからして、実像に近かったのかもしれない。



【スタッフ、キャスト等】

監督:岡本喜八
脚本:岡本喜八、広沢栄
撮影:斎藤孝雄
美術:植田寛
音楽:佐藤勝
キャスト:
赤毛の権三(三船敏郎)
トミ(岩下志麻)
三次(寺田農)
一ノ瀬半蔵(高橋悦史)
神尾金太夫(伊藤雄之助)
駒ヶ根虎三(花沢徳衛)
荒垣弥一郎(神山繁)
相楽総三(田村高廣)
お袖(岡田可愛)
お葉(吉村実子)
ウメ(望月優子)
お春(乙羽信子)
玄斎(天本英世)
雨ガエル(砂塚秀夫)
馬宿ノ甚兵衛(浜村純)
番頭左右吉(岸田森)
居酒屋ノ亭主(草野大悟)
甚兵衛爺三(左卜前)
代官所手代(常田富士男)
斥候(地井武男)
ナレーション(中谷一郎)

上映時間:1時間56分
日本公開:1969年10月10日
鑑賞日:2018年7月24日
場所:新文芸坐(池袋)



【三船敏郎 主要出演作品】

谷口千吉 「銀嶺の果て」 (1947)
黒澤明 「酔いどれ天使」 (1948)
黒澤明 「静かなる決闘」 (1949)
谷口千吉 「ジャコ萬と鉄」 (1949)
黒澤明 「野良犬」 (1949)
黒澤明 「醜聞」 (1950)
黒澤明 「羅生門」 (1950)
黒澤明 「白痴」 (1951)
森一生 「荒木又右衛門 決闘鍵屋の辻」 (1952)
千葉泰樹 「東京の恋人」 (1952)
谷口千吉 「吹けよ春風」(1953)
本多猪四郎 「太平洋の鷲」 (1953)
黒澤明 「七人の侍」 (1954)
稲垣浩 「宮本武蔵」 (1954)
杉江敏男 「天下泰平」 (1955)
杉江敏男 「続 天下泰平」 (1955)
稲垣浩 「続 宮本武蔵 一乗寺の決闘」 (1955)
黒澤明 「生きものの記録」 (1955)
稲垣浩 「宮本武蔵 完結編 決闘巌流島」 (1956)
成瀬巳喜男 「妻の心」 (1956)
黒澤明 「蜘蛛巣城」 (1957)
黒澤明 「どん底」 (1957)
千葉泰樹 「下町 ダウンタウン」 (1957)
稲垣浩 「無法松の一生」 (1958)
黒澤明 「隠し砦の三悪人」 (1958)
稲垣浩 「或る剣豪の生涯」 (1959)
稲垣浩 「日本誕生」 (1959)
岡本喜八 「暗黒街の対決」 (1960)
黒澤明 「悪い奴ほどよく眠る」 (1960)
黒澤明 「用心棒」 (1961)
稲垣浩 「ゲンと不動明王」 (1961)
黒澤明 「椿三十郎」 (1962)
稲垣浩 「どぶろくの辰」 (1962)
松林宗恵 「太平洋の翼」 (1963)
黒澤明 「天国と地獄」 (1963)
岡本喜八 「」 (1965)
黒澤明 「赤ひげ」 (1965)
岡本喜八 「血と砂」 (1965)
谷口千吉 「奇巌城の冒険」 (1966)
ジョン・フランケンハイマー 「グラン・プリ」 (1966)
小林正樹 「上意討ち 拝領妻始末」 (1967)
岡本喜八 「日本のいちばん長い日」 (1967)
熊井啓 「黒部の太陽」 (1968)
ジョン・ブアマン 「太平洋の地獄」 (1968)
稲垣浩 「風林火山」 (1969)
蔵原惟繕 「栄光への5000キロ」 (1969)
丸山誠治 「日本海大海戦」 (1969)
岡本喜八 「赤毛」 (1969)
沢島忠 「新撰組」 (1969)
岡本喜八 「座頭市と用心棒」 (1970)
テレンス・ヤング「レッド・サン」 (1971)
中島貞夫 「日本の首領 野望編」 (1977)
熊井啓 「お吟さま」 (1978)
中島貞夫 「日本の首領 完結編」 (1978)
スティーヴン・スピルバーグ「1941」 (1979)
舛田利雄 「二百三高地」 (1980)
山田洋次 「男はつらいよ 知床慕情」 (1987)
熊井啓 「千利休 本覺坊遺文」 (1989)
熊井啓 「深い河」 (1995)







No.9435    Day 3317