サピックスのコース分け
昨日新4年3月組み分けの結果がでたようですね。妹から昨晩LINEが来て、姪っ子の成績も見ました。詳細は書きませんが、割と良かったです。
さて、新4年生の姪っ子アドバイザーになり、X(旧:ツイッター)を始めてから、新たにサピックスの2027年組の方にフォローして頂くことが増えています。
そこでよく目にするのが、αコース(通称「アルファ」)やアルファベットコースか(通称「ベット」)というコースの話です。
サピでない方のために簡単に説明しますと、サピのコース分けは最上位からα1、α2・・・となりコース名に「α」がつきます。αのコース数は校舎規模に応じて決まりますが、大規模校舎で6コース程度、中規模で3-4コース程度、小規模で1-2コース程度になります。かなり小さいとαコースなしという校舎もあります。
αコースから下位になると、単なるアルファベットのコースとなります。一番下位がAコースで、上位になるに従ってB、C、Dと上がっていきます。つまりベットのコース最上位はその校舎のαコース数と全体コース数次第となります。
例えば16コースの校舎で、αが4コースですと、上位から以下のようなコースになるわけです。
α1、α2、α3、α4、L、K、J、I、H、G、F、E、D、C、B、A
αコースの基準
さて、アルファに入れるか否かは校舎によって異なりますが、概ね総合偏差値57-60くらい(上位15%-25%程度)から上位がαコースになります。
ただ、結局コース数×15-20名がキャパになるので、アルファが4コースの校舎では、その校舎で上位60-80位以内に入る必要があるわけです。たまたまその校舎に優秀な子が多ければ、アルファに入れる基準も高くなりますし、逆にそうでもなければ、アルファに入れる基準は低くなります。
学年毎にコース基準をまとめて下さる方がいる場合がありますが(2027年組ではまだいらっしゃらないかもしれません)、息子の時の様子を見ていると、どの校舎でも偏差値60あればアルファコースは確実そうでした。
α1の基準
ついでにα1(通称「アルワン」)の基準についてもみてみます。
アルワンは当然校舎に1つだけですので、結局校舎のコース数によって基準はかなり異なります。
大規模校舎のアルワンのボーダーは総合偏差値68とか69とかになったりします。中規模ですと65くらいですかね。当然ですが、αが1つしかない小規模校は、アルファに入れる基準と同じです。
従って、大規模校のアルワンはもうどこでも合格できるレベルの成績になりますが、小規模校のアルワンはふつうのアルファと同じです。
なおサピックスラング(サピックス+スラング=サピックスラング。私が勝手に作った用語です。笑)ですが、「アルゼロ」という言葉があります。これは一般的には入塾以来ずっとα1(アルファのない低学年のうちは最上位コース)をキープし続けて、一度も下のコースに落ちたことのない子のことを指します。ちなみに、6年生の間だけキープしてても「アルゼロ」とは普通はいいません。まあ明確な定義があるわけではないのですが。
当然ですが、アルゼロの難易度は大規模校だと相当困難です。一人もいない場合もあるでしょう。中規模校でも学年でせいぜい数人でしょう。どこの校舎もアルワン常駐組がいると思いますが、ただの一度も落ちたことがない、というのは、その常駐組の中でも、テストで失敗しないか、失敗してもアルワンボーダー以上の成績を取れる子のみです。
アルファにいなければ意味がないのか?
よく「サピックスはアルファにいなければ意味がない」などという言説があります。その根拠として語られるのは以下のような点です。
①アルファの先生の方が優秀
②アルファの授業内容の方が難しいことをやっている
以下でちょっと考えていきましょう。
①アルファの先生の方が優秀
①について、私は息子の時の経験しかありませんので、肯定も否定もできません。先生の能力の比較もそう単純にはできないですしね。
ただ、集団塾である以上、生徒と先生の相性というのはどうしてもあります。受け持つ受験生全員にマッチする先生はありえないのです。
そして、アルファコースにいる子の特徴として、「先生の好みがうるさくない」ということがあると思います。○○先生は分かりやすい、とか××先生は説明がわかりにくい、ということを受験生があまり言わないのです。結局地頭がよいので先生を選ばないということかと思います。「弘法筆を選ばず」ならぬ「アルファ生、先生を選ばず」です(私の作ったサピ格言です。笑)。
端からみると、アルファの先生は受験生からの文句が出にくいうえ、結果も出ているので、「アルファの先生は優秀」という評判になりやすいのではないでしょうか。
ちなみに、サピ用語で「ブロック」という言葉はご存じでしょうか。通常、サピでは時間割の関係上、2コース又は3コースを同じ先生が担当します。例えばα1~α3を担当する先生、L~Jを担当する先生・・・といった具合です。このひとくくりのコース集団が「ブロック」です。これは校舎で配られる時間割を見るとわかります。2か3コースで時間割がひとくくりになっていると思います。
アルファが3コースあって、2コースごとのブロックになっていると、α1-α2を担当する先生と、α3を担当する先生は異なることになります。つまり、「アルファ担当」の先生という形で区切られているわけではないのです。
もちろん、今の先生が気に入っているという場合は、同じブロックに留まりたいと思いますが、ブロックが変わってしまうと担当の先生も変わってしまうのが通常です。コースが落ちてブロックが変わってしまうことを「ブロック落ち」といいます。
なので、今のコースの先生が特に気に入っている、という場合は「ブロック落ち」しないように頑張らせる、という目標はありうるかも知れません。ただこれも強調しすぎると、落ちてしまった時にモチベーションが低下してしまうかもしれないので注意です。
②アルファの授業内容の方が難しいことをやっている
②については当たり前の話です。学習習熟度に応じた授業をするためにコース分けをしているのですから、取り扱う内容が異なるのは当然です。6年のアルワンではテキストに掲載されていない難度の高い算数過去問を取り扱うことがあります。それを全コースでやるのは時間の無駄です。それよりも基礎・標準的な問題を習得する必要があるということです。
というわけで、サピックスはアルファにいなければ意味がない、というのはあまり根拠のない言説なのかなと思っています。
ただ、ちょっと蛇足になりますが、改善点があるとすればコース分けを教科ごとにして欲しいという点ですね。せめて算数・国語だけでもそうして欲しいです。オペレーション上難しいのは承知していますが、4教科総合偏差値だけを基準にすると、算数偏差値75、国語偏差値60、みたいな子と、算数偏差値60、国語偏差値75、みたいな子が同じ授業を受けることになります。これは非効率が発生すると思うのです。
とはいえ、、
ということで、私の考えとしては、サピはアルファになければ意味がない、ということはありません。
ただ、アルファという冠はやはり象徴的な意味あいがどうしても出てきます。特に子供は「アルファコース」にいたい、上がりたい、と思うことも多いでしょう。それが勉強のモチベーションの一つになるのならいいですよね。
しかし、保護者が「アルファに上がれ上がれ」と発破をかけるのは、ちょっと違うのかなと思います。上記のとおり、アルファにいたからメリットがある、ということは特にないと思いますし。
ましてや「うちの子はアルゼロです!」とか「アルファです!」とか自慢だったり周囲にアピールしたいがために、子供にそれを強く求める、などというのは本末転倒ですし、子供への悪影響しかないと思います。それは「子供のための中学受験」ではなく「保護者のための中学受験」になってしまっています。もちろん、そのような保護者は普通はいないと思うのですが、たまに「アルファ」の魔力に取りつかれてしまっているような保護者を見ますので。笑
というわけで、サピのアルファコースについて私の考えを述べてみました。
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