合格体験記の罠 | 2022中学受験(息子)と2027中学受験(姪) -A stitch in time saves nine-

2022中学受験(息子)と2027中学受験(姪) -A stitch in time saves nine-

2022中学受験を終了した男子を持つ父のブログ
淡々と息子の学習(主にテスト)の記録をつけていたブログです。
息子は開成・筑駒をはじめ受験校全てに合格しました。
現在は2027年組の姪っこの中学受験アドバイザーです。

 

  合格体験記

 

さて、いまは2024年組の皆様で、合格体験記をお書きになっている方もいるかと思います。もう提出されるような時期でしょうか。

 

また、現在受験を来年、再来年に控えた皆様も、配布を結構楽しみにまってらっしゃるのではないでしょうか。

 

合格体験記はいいですよね。受験生や保護者の努力の足跡が割と赤裸々に綴られていて、読み物として大変興味深いです。

 

ただ、この合格体験記については注意点があります。それについて簡単に書きたいと思います。

 

  書く側の罠

 

匿名ならまああまり気にする必要もないのでしょうが、多くの合格体験記は実名で綴られています。

 

そうすると、中学入学後に新たに友達や知り合いになった生徒・保護者も、「同級生の話として」その合格体験記を目にする機会があるということです。

 

実際、息子の時も入学後にどこからか同級生やその保護者の合格体験記がまわってきて読んだと言っていました。サピ卒業生はサピの合格体験記をもらえませんが、弟や妹が現役サピ生ということはままありますし、そのあたりから回ってくるようです。

 

もちろん多くは問題ないでしょう。ただ、合格後のテンションで、書かなくてもいいようなこと、リアルの友人や知り合いに知られたくないことまで書いてしまう場合があります。受験生本人が書く場合もそうですが、特に保護者が合格体験記を書かれる際には気を付けたいです。

 

例えば、受験した全ての中学の合否情報(どこに合格した、どこが不合格だった)などは、実はお子さんは入学後周囲に知られたくないかも知れません。

 

またよく見るのは、補欠合格だったという情報です。補欠合格はドラマチックですし、経験されたら合格体験記に書きたくなるものですよね。特に保護者は。もちろん補欠合格だからといって何ら恥じることはないですし、一般合格と差があるものではありません。しかし、お子さんに取っては周囲に知られたくない情報である可能性もあります。

 

従って、合格体験記を書かれる際には、そのあたりを配慮する必要があると思います。合格したテンションのまま書いて出してしまうのは危険です。出す前に、受験生が書いたものは保護者が確認し、保護者が書いたものは受験生が確認してから出した方がよいと思います。

 

  読む側の罠

 

次に読む側の注意点です。

 

これは以前も書いたことがあるのですが、合格体験記は成功者バイアスの塊です。

 

もちろん、中には第一志望不合格だった理由の分析だとか、受験勉強があまりうまくいかなかったことの反省だとかが書かれているものもあります。それらはとても参考になるものです。

 

しかし、合格体験記を書こうとする時点で、どこかしら希望の中学に合格し、多少なりとも中学受験をポジティブに捉えている受験生や保護者であるということです。つまり、結果的にうまく行った家庭の話ばかりなのです。

 

例えば、筑駒・開成に合格した受験生やその保護者の合格体験記が全ての人にとって役に立つかと言えばそんなことはありません。むしろ害をもたらす可能性だってあります。

 

故野村監督の言葉に以下のようなものがあります。

「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。」

 

負け(不合格)の時こそ、何らかのはっきりとした理由があるものですし、負けた時の理由こそ将来にとって勉強になるものです。

本当であれば、不合格体験記というものがあれば、その方がよっぽど後輩にとっては役に立つと思います。しかし、当然そんなものは存在しないわけです。

 

従って、読む側としては、ああそういう家庭もあったんだな、この子は合格してよかったな、という程度の読み物として捉えるべきで、お子さんと同じ志望校に合格した受験生や保護者の合格体験記を鵜呑みにして実践するようなことのないようにするべきです。受験生一人ひとりで状況は異なるわけですので、志望校が同じであるからといって、自分のお子さんに全てあてはまるわけでもありません。

 

まあこれはこのブログをはじめ、多くのネット情報にも言えることではありますね。

 

折角なので改めて注意喚起ですが、このブログで記載している勉強法や息子の学習履歴なども、あくまで息子の時はそれでいい結果が得られた、というだけですので、もしお子さんに実践させてみて合わないのであれば、我が家の勉強法は合わないということです。もちろん、情報収集は必要ですが、情報を得たうえで、お子さんに合わせた取捨選択は各家庭で行わざるを得ないわけですね。

 

 

  まとめ

 

そんなわけで、合格体験記の書き手の罠、読み手の罠について書きました。

 

といいつつ私も合格体験記を読むこと自体は結構好きなので、今年版が出たら妹に言ってみせてもらおうと思っています。笑

 

 

実は今日書いた話は、以下のように昔記事にしています。

長いですが、よろしければご覧ください。

 

 

 

 

 

 

------

↓難関校受験生には特におすすめできる国語記述問題対策の参考書です。

 

 

 

 

↓難関校の算数の解法メソッドのまとめにおすすめです。

 

 

 

 

 

 

-------------

我が家の中学受験総括記事はこちらです↓

中学受験総括①-項目の検討と前書き

中学受験総括②-開始時期と塾・校舎選び

中学受験総括③-塾の掛け持ちについて

中学受験総括④-6年開始から夏休み前まで(算数)

中学受験総括⑤-6年開始から夏休み前まで(国理社)

中学受験総括⑥-6年開始から夏休み前まで(1週間スケジュール)

中学受験総括⑦-6年夏休み

中学受験総括⑧-6年9月から12月(1週間スケジュール)

中学受験総括⑨-6年9月から12月(サンデーサピックス)

中学受験総括⑩-6年9月から12月(過去問)

中学受験総括⑪-6年9月から12月(平常・土特)

中学受験総括⑫-6年9月から12月(必須の模試と他塾模試の必要性)

中学受験総括⑬-6年冬期講習・正月特訓

中学受験総括⑭-6年1月の家庭学習(総論・算数)

中学受験総括⑮-6年1月の家庭学習(国理社)

中学受験総括⑯-入試前日

中学受験総括⑰-前泊について

中学受験総括⑱(最終回)-中学受験 思い付きメモ

中学受験思い付きメモ 補足①-プラスαについて

中学受験思い付きメモ 補足②-自然・社会への興味

中学受験思い付きメモ 補足③-辞書・辞典

中学受験思いつきメモ 補足④-『中学への算数』の使い方

中学受験思いつきメモ 補足⑤-保護者の留意点その1

中学受験思いつきメモ 補足⑥-アンガーマネジメント

中学受験思いつきメモ 補足⑦-子供のやる気を引き出す

-------------

-------------

A3プリンタはいずれ重宝するので安い時期に購入されるのがおすすめです(定番ブラザーの2段トレイ機(MFC-J6983CWD)で現在なら40,000円くらいで購入できればいいと思います)。

 

A3プリンタ導入のススメ【アップデート】

 

↓これまでに書いた低学年~5年生くらいまでに使用した家庭学習用問題集に関する記事です。

5年生で取り組んだ問題集 算数編

東京出版 算数「ステップアップ演習」

5年生で取り組んだ問題集 国語編

【レビュー】「中学受験国語 選択肢問題の徹底攻略」

5年生で取り組んだ問題集 理科・社会編

低学年時に使った問題集 算数編

5才頃からのパズル本

 

↓社会科を得意とする子向けに、さらに一歩先に行くためオススメの本の紹介です。

社会科でさらに一歩先行く資料集・読み物 歴史編

社会科でさらに一歩先行く資料集・読み物 公民編

 

↓以下は主に6年生向けのオススメ問題集に関する記事です。

英俊社『合格トレイン 理科計算問題』はオススメ

東京出版『図形の必勝手筋』はオススメ

東京出版『必ず解きたい算数の100問』

『記述問題の徹底攻略』シリーズの使い方

 

↓以下は幼少時のオススメ知育玩具などに関する記事です。

幼少時の知育玩具や教材(就学前①)

幼少時の知育玩具や教材(就学前②)

幼少時の知育玩具や教材(就学前③)

--------

 

↓よろしければ押して頂けると嬉しいです。