与野党一騎打ちへ着々 台湾総統選2020 | 中国情報ジャーナル ディープな香港・中国・台湾

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与野党一騎打ちへ着々 台湾総統選2020
蔡英文氏再選へ足場固め 与党
臥薪嘗胆の朱立倫氏出馬 野党

柯台北市長も第三の候補



2020年1月に行われる台湾の次期総統選に向けて与野党の総統、副総統候補選びが本格化し始めている。昨年11月の統一地方選で大敗した与党・民進党は蔡英文総統の再選シナリオが崩れて党勢回復に注力、野党・国民党は政権交代への前進に手応えを得たいが二大政党に嫌気が差した無党派に支持される柯文哲台北市長が第三の候補として意欲を示しており、レースは三者三様の総力戦となりそうだ。(香港・深川耕治)

総統選レースは5、6月ぐらいまでに各党の総統候補を選び出し、来年1月の投開票に向けて実質的な選挙戦へ動き出す。さらに副総統候補が決まると、本格選挙戦に突入する。
 


各党の有力者がどんな形で名乗りを上げ、最終候補に残るか、各党内での求心力や人気度を踏まえ、序盤戦での出方をうかがう重要な時期となっている。


昨年11月の統一地方選で与党・民進党が大敗し、蔡英文総統の再選に黄信号が灯り、最大野党・国民党が躍進して政権交代への現実味も帯び始めた。その後の動向を見る上で試金石となるのが27日に投開票された立法委員(国会議員)の補欠選挙(2議席)だった。

結果は、独立志向の強い民進党と対中融和路線を続ける国民党がそれぞれ1議席を獲得して互角の痛み分け。補選は統一地方選で台北、台中両市の市長選に立候補した立法委員2人が辞職したことによるもので、元来、民進党の地盤が強い台北市第2区は民進党の何志偉氏が、国民党の支持者が多い台中市5区は国民党の沈智慧氏が当選する現状のままの順当な結果となった。

ただ、台北市第2区で総統選への出馬が注目される無党派の柯文哲台北市長が擁立した側近候補・陳思宇氏(無所属)は惨敗し、与野党の二択に一石を投じる柯市長の「第三の候補」としての期待感や新たな流れは不十分で戦略の見直しが必要とされている。
 


さらには3月16日、新北、影化、台南、金門の4議席の立法委員補選が行われるため、結果次第で総統選レースでだれを主軸にどう戦うか、明確化されることになる。

今回の補選で背水の陣となった民進党は、最悪の全敗は免れた。とくに台北市2区では他候補の動きを警戒し、首の皮一枚で蔡総統再選への党勢回復の道筋をつけようとしている。


1月11日、民進党内で「ポスト蔡総統」の呼び声が高いニューリーダーとして期待されていた頼清徳行政院長(首相)が統一地方選の責任を取って内閣総辞職した。同党の重鎮、蘇貞昌氏を新たな行政院長に任命した蔡総統は「執政成果を人々に分配し、実感してもらう」と述べ、新北市長選で敗北したばかりの蘇氏も「支持を得ることが任務」と実務内閣として蔡政権のアキレス腱となっている不況にあえぐ低所得者層対策に力を入れて支持率回復を狙うスタンスだ。

民進党の総統指名レースで求心力が脆弱になった蔡氏の強力なライバル候補となるのが辞職した同党ホープで台湾独立志向の強い頼清徳氏だ。党内では昨年の統一地方選の惨敗で「支持率が回復しない蔡氏が総統候補になっても巻き返す国民党に勝てない」との意見が根強い一方、人気と知名度のある頼氏を担ごうとの動きがあっても「独立色が強過ぎて無党派中間層の票を期待できにくい」との見方もある。

国民党の躍進で対中政策の先鋭化だけでは中国の脅威を刺激して勝敗の鍵を握る無党派層の支持を取り込めず、総統選を乗り切れない重苦しい雰囲気が付きまとう。

1月9日、民進党の新たな党主席に前行政院(内閣)秘書長の卓栄泰氏が就任。蔡政権に批判的な游盈隆氏を破り、蔡氏再選を進める主流派「保皇派」(台湾メディア)の支持を受けたことで蔡氏の再出馬が基本路線であることを印象づけている。


民進党の蘇嘉全立法院長(国会議長)は29日、「民進党の最悪の状況はすでに過ぎ去りつつある。内部固めをしっかりすべきで、総統候補は蔡英文氏以外にない」と話し、頼清徳待望論は沈静化してきているとの見方を示して牽制。蔡氏が民進党の総統候補になる筋書きは既定路線とのイメージを先行させている。

一方、政権奪還への勢いに乗る野党・国民党の総統候補選びは熱を帯び始めた。12月25日、新北市長を退任したばかりの朱立倫氏が先回の総統選で大敗したリベンジを誓って「総統選に挑戦する」と公認獲得に名乗りを上げた。


朱氏の最大のライバルは、馬英九政権で副総統を務めた呉敦義・国民党主席、再登板に意欲を見せる馬英九前総統、馬氏の政敵である王金平・前立法院長(国会議長)などだ。党内では朱氏を含め、「4つの太陽」と呼ばれる。さらに統一地方選で大旋風を巻き起こした韓国瑜高雄市長が総統選に加わって、朱立倫氏とのペアとしいて副総統候補になれば政権奪還がさらに現実味が帯びるとの見方も出ている。若手でリベンジを狙う朱立倫氏、老齢がネックの呉敦義氏のいずれが軸となって総統候補になるかで政権奪還の可能性は大きく変わる。

総統選の台風の目となるのが無所属の柯文哲台北市長。1月29日に発表された台湾の最新世論調査(美麗島電子報)結果によると、総統選の支持率で柯氏がトップの33.4%。二位が朱立倫氏で23.4%、三位が蔡英文総統で19.0%。柯氏の支持者らは、結党して総統選に挑むか、民進党の副総統候補に参戦するか、総統選のキャスティングボードを握りたいとの思惑だが、補選の大敗で戦略練り直しになお時間がかかりそうだ。



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