習政権擁護を強調する江沢民氏の妹、江沢慧氏【中華の「顔」】
今秋の中国共産党大会で政権の前半5年を終え、新たな5年を迎える習近平政権にとって政権基盤の確保という点では江沢民元国家主席の動向は党指導部人事や派閥のパワーバランスで大きな政治的な意味を持つ。
6月5日、江沢民氏の妹で林業研究の第一人者となっている全国政治協商会議(政協)人口資源環境委員会副主任の江沢慧氏が19年に北京市内で開かれる世界園芸博覧会に向けての準備工作会議で演説し、「習近平総書記を核心とする党中央、国務院と緊密に連携しながら一致団結していこう」と習近平政権の支持、擁護を強調した。
江沢慧氏の父、江上青氏は江沢民元国家主席の叔父だが、江上青氏に息子がいないまま死去したため、江沢民氏の父が家督を引き継ぎ、江沢民氏と江沢慧氏は兄妹の関係となった。
90歳の江沢民氏は先月28日、長男の江綿恒氏が校長を務める上海科学技術大学を訪れたことが中国紙「新京報」で報じられ、1年以上ぶりで公の場に現れ、動向が注目されていた。党指導部人事が正式決定する半年前という微妙な時期に江沢民氏や江沢慧氏の動向が報じられることに「政治的な圧力が働いている」(香港紙「りんご日報」)との見方も出ている。
中国江蘇省揚州生まれ。安徽農学院卒。林業の専門家で安徽農業大学校長、中国林業科学研究院長などを経て全国政治協商会議(政協)人口資源環境委員会副主任。79歳。
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同性婚を認める米国最高裁判決をきっかけに中華圏では同性婚の合法化をめぐり、賛否が先鋭化しつつある。とくに5月に発足した台湾の蔡英文政権は総統選で蔡氏が同性婚容認を掲げたため、与党・民進党の立法委員(国会議員)らが性的少数者(LGBT)による同性婚推進派の意向を反映する形で合法化に向けた法案準備を本格化させている。香港でも同性愛差別撤廃条例案の制定の動きが強まり、中国でも性の乱れを抑止できず、欧米型の同性婚推進や性交避妊教育の推進が市民権を得始めている。(香港・深川耕治)
同性婚を認めている国は22カ国、同性カップルの権利を保障する制度を持つ国・地域は29カ国・地域。アジアでは台湾以外にタイ、ベトナムも国会での法案審議が準備されつつある。
同性婚が認められる国・地域は以下の通り。
オランダ、ベルギー、スペイン、ノルウェー、スウェーデン、ポルトガル、アイスランド、デンマーク、フランス、南アフリカ、アルゼンチン、カナダ、ニュージーランド、ウルグアイ、イギリス、ブラジル、米国、メキシコ、ルクセンブルク、アイルランド、グリーンランド(デンマーク自治領)、エストニア、コロンビア、フィンランド(2017年より)
登録パートナーシップなどを持つ国・地域は以下の通り。
フィンランド、グリーンランド、ドイツ、ルクセンブルク、イタリア、サンマリノ、アンドラ、スロベニア、スイス、リヒテンシュタイン、チェコ、アイルランド、コロンビア、ベネズエラ、エクアドル、オーストラリア、イスラエル、ハンガリー、オーストリア、クロアチア、ギリシャ、マン諸島(英王室属領)、ジャージー諸島(英王室属領)、ジブラルタル(英国領)、マルタ、エストニア
※デンマーク、スウェーデン、ノルウェーにおいては登録パートナーシップ制度にあるカップルが同制度にとどまることは可能だが、新規にパートナーシップを登録することは不可。
アジアではこれまで同性婚が認められた国ないが、タイ、台湾あるいはベトナムにおいて法案が可決されればアジア初となる。
写真は香港での同性愛差別撤廃条例を通過させるための民主派デモ。
中国共産党一党独裁に反対し、民主化を求めるデモのはずが、2014年7月1日の民主化要求デモでは、先頭に同性愛差別撤廃を求める巨大なレインボー旗が広がり、民主化デモを完全に乗っ取る形になったため、同デモに毎年参加していた、同性愛に反対するカトリック香港教区の陳日君枢機卿らは2016年のデモに参加することを取りやめた。
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