上海市トップになった習派の李強氏 【中華の「顔」】
中国最高指導部(党政治局常務委員会)の7人(チャイナ7)のうち、江沢民派の上海閥出身である韓正上海市党委書記の後任に、習近平総書記の側近として白羽の矢が立った。
同市トップはかつて習氏も務め、5年後の最高指導部をうかがう重要ポスト。韓正氏も政治局常務委メンバーまで上り詰めていることから見ても、胡錦涛派の胡春華前広東省党委書記や習派の陳敏爾重慶市党委書記ら革命第6世代のニューリーダーの一角に躍り出た形だ。
習総書記ら政治局常務委員メンバー7人は31日、上海入りしてそろい踏み。上海はかつて江沢民元総書記の上海閥の拠点として権勢を振るったが、江氏に近いとされる韓氏が外れ、習派が押さえた。今や習派に牛耳られる新人事となり、上海閥の衰退、完全排除化が進みつつある象徴的な幕開けとなった。
1921年7月に第一回党大会が行われた建物を訪問し、21年に結党100周年を迎える前に習近平体制二期目5年の新たな“習一強”の結束を示した形だ。
中国経済を牽引する広東省トップも、習派の李希・前遼寧省党委書記が任命され、北京、上海、重慶、天津の4直轄市に広東省を含め、主要地域トップがすべて習派で押さえられた。
李強氏は習氏の浙江省時代に部下を務めた浙江閥。習近平氏は同じ地域で同じ汗を流し、苦労を共にした同志や部下を信頼、重用し、同じ浙江閥の蔡奇北京市党委書記や陳敏爾重慶市党委書記らとともに今月の党大会を経て党トップ25人の政治局員に昇格。李強氏の後任の江蘇省トップにも習派の婁勤倹陝西省党委書記が就任している。
中国浙江省瑞安生まれ。17歳で瑞安の水力発電所に勤務後、浙江省で約40年間にわたって党運営に従事した浙江閥。団派(共産主義青年団派)だが習派として信頼関係が厚い。58歳。(香港・深川耕治)
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同性婚を認める米国最高裁判決をきっかけに中華圏では同性婚の合法化をめぐり、賛否が先鋭化しつつある。とくに5月に発足した台湾の蔡英文政権は総統選で蔡氏が同性婚容認を掲げたため、与党・民進党の立法委員(国会議員)らが性的少数者(LGBT)による同性婚推進派の意向を反映する形で合法化に向けた法案準備を本格化させている。香港でも同性愛差別撤廃条例案の制定の動きが強まり、中国でも性の乱れを抑止できず、欧米型の同性婚推進や性交避妊教育の推進が市民権を得始めている。(香港・深川耕治)
同性婚を認めている国は22カ国、同性カップルの権利を保障する制度を持つ国・地域は29カ国・地域。アジアでは台湾以外にタイ、ベトナムも国会での法案審議が準備されつつある。
同性婚が認められる国・地域は以下の通り。
オランダ、ベルギー、スペイン、ノルウェー、スウェーデン、ポルトガル、アイスランド、デンマーク、フランス、南アフリカ、アルゼンチン、カナダ、ニュージーランド、ウルグアイ、イギリス、ブラジル、米国、メキシコ、ルクセンブルク、アイルランド、グリーンランド(デンマーク自治領)、エストニア、コロンビア、フィンランド(2017年より)
登録パートナーシップなどを持つ国・地域は以下の通り。
フィンランド、グリーンランド、ドイツ、ルクセンブルク、イタリア、サンマリノ、アンドラ、スロベニア、スイス、リヒテンシュタイン、チェコ、アイルランド、コロンビア、ベネズエラ、エクアドル、オーストラリア、イスラエル、ハンガリー、オーストリア、クロアチア、ギリシャ、マン諸島(英王室属領)、ジャージー諸島(英王室属領)、ジブラルタル(英国領)、マルタ、エストニア
※デンマーク、スウェーデン、ノルウェーにおいては登録パートナーシップ制度にあるカップルが同制度にとどまることは可能だが、新規にパートナーシップを登録することは不可。
アジアではこれまで同性婚が認められた国ないが、タイ、台湾あるいはベトナムにおいて法案が可決されればアジア初となる。
写真は香港での同性愛差別撤廃条例を通過させるための民主派デモ。
中国共産党一党独裁に反対し、民主化を求めるデモのはずが、2014年7月1日の民主化要求デモでは、先頭に同性愛差別撤廃を求める巨大なレインボー旗が広がり、民主化デモを完全に乗っ取る形になったため、同デモに毎年参加していた、同性愛に反対するカトリック香港教区の陳日君枢機卿らは2016年のデモに参加することを取りやめた。
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