腕の中に納まった心地よい体温。その体温を堪能しようと手を身体に這わせようとしたその時…。
「つっ、つつつ、敦賀さ~~~ん!!
お気を確かにーー!
私は抱き枕じゃありませんよ~~~~!」
目をグルグル回しながら、生け捕られた鶏のようにバタバタと暴れるキョーコ。
あれ?
「本物?」
「本物って何ですか!?
正真正銘、本物の最上キョーコです!」
腕を緩めると、微かに頬を染めながら怒ったような表情で蓮の胸から身体を起こした。
「ええと…。ごめん、ね。
でも、なんで最上さんがそんな格好でうちに居るの?」
ばつが悪く謝りつつ、疑問に思っていたことを尋ねる。
「今日、お会いした時に敦賀さんの顔色があまり良くないような気がしたので、社さんに電話したんです。
『敦賀さんが風邪を引いてるんじゃないか?』って聞いていた時に、たまたま社長が通りかかって『だったらラブミー部を看病に派遣しよう』って話になりまして。
『何事も形からだ!』とか仰ってこの格好をさせられて、『倒れてるといけないから』とカードキーを持たせられたんです。」
社長!!
俺を犯罪者にするつもりですか!
病人と分かってて俺で遊ぶのはやめて下さい!
ニヤニヤ笑っているだろう人物に心の中で苦言を呈しつつ、ガックリと項垂れ頭を抱える。
「あの…、大丈夫ですか?頭、痛いんですか?
やっぱり熱上がってるんじゃないですか?」
その様子を見て心配になったのかオロオロと覗き込むキョーコに、蓮はフッと息を吐いた。
本当に、どうしてこの子はいつも俺の不調に気付くんだろう?
他には誰も気付いていなかったと思うのに…。
もしかしたら特別気にかけてくれているのかもしれないと期待してしまうじゃないか。
社長のお遊びに知らずにつき合わせられて強制的にここに来ているとしても、本気で心配そうに覗き込んでいるキョーコから蓮を心配してくれた気持ちは強制されたものではないのだと感じられる。
今のところ全く報われそうにない片想い中の蓮には、それだけで心がほんのり暖かくなるような気がした。
「いや、頭痛はないよ。熱は少し上がってるのかもしれないけど…。
じゃぁ、看病お願いしてもいいかな。」
「はい、お任せください!」
力強く請け負うキョーコに蓮は優しい笑顔を向けたのだった。
リクエスト出したの誰だっけ?
萌え絵描いてもらったからSS書くって言ったの誰だっけ?
はい、私です!
そして絵を描いてもらってSS書くって言ったのいつだっけ?
え~と、去年の年末くらい…?
しずかさん、ごめんなさい!m(_ _ )m
自分で「蓮を押し倒しているキョーコちゃん」とリクエストしておいて、書いたSSでは全く違うシチュエーションで絵を使ってしまって。
だって、しずかさんの萌え絵で『ナース姿のキョーコちゃんが蓮を押し倒すシチュエーション』で他のスキビ二次作家様達が既に素敵なお話を書かれていて、それに同じシチュエーションで並ぶ勇気が無かったんです~。
ヘタレな私を許して~(>_<)
しかも、書くって言ってから既に4ヶ月近く…。
ほんっとうに遅くなって申し訳ありません!m(_ _ )m ←スライディング土下座
題名も迷ってピンクのナース服なのに白衣でいいのかな?とか…。
しずか様、快く「いいですよ」と言っていただきありがとうございました。
こんな感じになりましたが、楽しんでいただけたらうれしいです。