[SB2次]ラブミー部の彼女達 後編 | 三日茶坊主

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また別のある日、千織は途中で会った奏江と一緒にラブミー部へ向かっていた。
すると、部室から蓮が出てきた。

「じゃあ、最上さんまたね。」
「はい、敦賀さん、ありがとうございました。」

そのままキョーコと挨拶を交わして去って行った。2人はそれを見送って部室に入る。

「「おはよう。」」
「モー子さん、天宮さん、おはよう!」

着替えをしながら奏江が聞いた。

「敦賀さん、何しに来てたの?」
「移動まで時間あって時間潰しに寄ってみたって。
それで、役作りの相談にのって貰っちゃった。」
「あの忙しい人がわざわざ会いに来て相談にのるって、やっぱり敦賀さん、あんたの事が好きなんじゃないの?」
「まさか!絶対あり得ないわ!
最近はそうでも無くなってきたかなって思うけど、始めは、それはもう生理的に受け付けられないって位嫌われてたし。
それに、“芸能界1良い男”とか“抱かれたい男No.1”とか称号持ってる人が、私なんか相手にするわけないじゃない。」

一笑に付したキョーコに、そういうものだろうかと思いつつ、千織は以前気になった事を聞いてみた。

「京子さんは敦賀蓮が好きなの?」
「そんな恐れ多い!
尊敬、いいえ崇拝してるんです!」

と蓮の演技の凄さについて熱く語り始めた。

性格の違いによる温度差はあれど、他人からの好意に鈍感で、自分からの好意は芝居への情熱ゆえという似た展開に、千織はラブミー部の実態を理解した。

そう、芝居に対する情熱はあれど、“愛したくも愛されたくもない病持ち”、それがラブミー部の実態なのだ。
普通の人なら『こうは成るまい』と思ったかもしれない。

しかし…

『2人共さすがね。恋愛に現を抜かすなんて愚の骨頂よね。
私も芝居に対する情熱を取り戻せるかしら。』

自ら志願した新入りとは言え、やはり彼女もラブミー部員だった。