[SB2次]大人の関係 6 | 三日茶坊主

三日茶坊主

“スキップ・ビート”の二次創作メインのブログです。
原作者・出版社とは一切関係ない私的なブログです。


何事も無かったように平静を装い台所に向かい、言われていたように飲み物を準備する。
二十歳を過ぎたキョーコと何度か飲む機会があったが、結構強いらしく飲んでも変に乱れる事もなくいつも楽しく飲むことが出来ていた。

だから一緒に飲む事に関しては特に心配することはないだろう。
そう、あの服装さえ視界に入れなければ問題は無いはずだ。

そう何度も自分に言い聞かせながら、出来るだけ視線を向けないように声をかけた。

「何飲む?」
「ええと…、とりあえずビール?」
「了解。」

蓮が缶ビールを冷蔵庫から出しグラスを用意する。

「何か手伝う?」
「ううん、大丈夫。
もう少しで出来るから先飲んでてもいいわよ。」

そう言われても一人で飲んでいるのも気が引け、もう少しというなら待っていようとソファに座る。
手持ち無沙汰を誤魔化すようにテレビのリモコンを手に取った。
電源を入れてザッピングしている間に、キョーコも料理の載ったお盆を持って戻ってきた。
簡単に作ったという割にはしっかりと美味しそうな料理が載っている。
それらをテーブルに並べると、蓮の隣に座った。

「折角作ったんだからちゃんと食べてよ。」

蓮を覗き込んで厳し目の口調で言う。
役になっても普段と同じように蓮の食事事情に口を出すのは健在らしいキョーコに、これまでペースを乱されまくっていた蓮は少しホッとしながらも苦笑して返事を返す。

「はいはい。」

そのおざなりな返事に不満げな表情をするのを可笑しく思いながら、グラスにビールを注いで手渡す。

「はい、どうぞ。」
「…ありがと。」

キョーコは誤魔化された事に不満げに軽く睨むも、すぐに仕方ないなぁというように微笑みグラスを受け取る。

「じゃぁ、乾杯。」
「乾杯。」

そう言ってグラスを軽くあわせた。