ちょっと設定に無理があるかも…。
そんなので良ければ以下からどうぞ。
パパパニック
テレビ局の通路を歩いていた尚は、少し先の交差した通路を横切っていくキョーコを見つけた。
挨拶くらいしてやるかと足を速めて角を曲がろうとしたところで聞こえてきた声に、思わず壁に寄り身をひそめた。
「敦賀さん、社さん。お疲れ様です。」
「最上さん、お疲れ様。」
「キョーコちゃん、お疲れ様。久しぶりだね。」
って、なんで俺が隠れなきゃなんないんだよ!
自分に突っ込みを入れつつ、会話の内容が気になりそのまま立ち聞きする尚。
「本当にお久しぶりですよね。
しばらく先生とご一緒の海外ロケに行ってらしたんですよね?」
「そうだよ。やっぱり凄い人だから一緒に仕事させてもらってとても勉強になったよ。」
嬉しそうに話を聞くキョーコに、蓮はイタズラめいた目で言い出した。
「そうそう。“父さん”から伝言預かって来たよ。」
「え?」
は?なんで敦賀蓮の親父からキョーコに伝言なんてあるんだよ?
「『キョーコ、いつでも遊びに来いと言ってあっただろう。お前が遊びに来るのを妻共々楽しみにしてる。その時には、ちゃんと“父さん”と呼べるようになっているように』って。」
「ホントですか!?うわぁ、嬉しい!」
「ちゃんと“父さん”って呼べないの?前はちゃんと呼んでたように記憶してるけど。」
「素だと照れちゃってうまく呼べなかったんです。
今度はちゃんと呼びたいんですけど…。」
キョーコは嬉しそうに照れながらも、ちょっと困ったように言った。
「そっか。
最上さんの言葉で“父さん”って呼んであげたら凄く喜ぶと思うよ。
頑張って。」
「はい!」
蓮に励まされ、キョーコは花が咲いたような明るい笑顔で返事をした。