本論文は、BMI高値で不育症リスクが増加することをメタアナリシス で示しています。
Fertil Steril 2021; 116: 1341(米国)doi: 10.1016/j.fertnstert.2021.06.019
Fertil Steril 2021; 116: 1349(米国)doi: 10.1016/j.fertnstert.2021.09.002
要約:2019年までに発表されたBMIと不育症(2回以上の流産)に関する25論文7916名のメタアナリシス を行いました(不育症3833名、対照群4083名)。対照群と比べ不育症群ではBMIが有意に高値(信頼区間:0.2〜1.3)でした。
解説:最近の研究から、女性の肥満(BMI高値)は卵子に影響するのではなく、着床(子宮)に影響するものと考えられています。本論文は、女性の肥満(BMI高値)で不育症リスクが増加することを示しています。すなわち、女性の肥満(BMI高値)は、子宮因子に影響することになります。
コメントでは、リスクが増加すると言っても、BMI増加が0.2〜1.3程度では微々たるものであり、本研究だけで結論づけるには早計だとしています。大規模な前方視的検討が望まれます。
下記の記事を参照してください。
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2021.1.25「減量手術によるART成績」
2020.12.27「低エネルギー食の効果は?」
2020.12.9「☆夫婦のBMIと妊娠しやすさ」
2020.6.23「女性の肥満は凍結胚移植には影響しない」
2020.4.25「ART治療における体重減少の影響は?」
2019.9.4「太ると卵子が悪くなる理由」
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2019.3.3「肥満の方の採卵時合併症は?」
2018.11.26「☆アジア人の肥満と妊娠までの期間」
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2017.11.26「BMIは凍結融解胚移植の妊娠率に影響するか?」
2017.9.13「肥満女性におけるライフスタイル改善の効果 その4:メタアナリシス」メタアナリシス
2017.7.26「肥満女性におけるライフスタイル改善の効果 その3:費用対効果」前方視的検討
2016.12.26「妊娠前のBMIが妊娠率や妊娠予後に及ぼす影響」
2016.12.17「肥満女性におけるライフスタイル改善の効果 その2」前方視的検討
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2016.10.27「短期集中型の減量作戦の効果」
2016.6.9「肥満と子宮内膜機能低下の関係」
2016.4.10「太ると妊娠率が低下します」
2015.11.20「☆肥満と不妊:米国生殖医学会の公式見解」
2015.9.7「両親の肥満が胚へ及ぼす影響」
2014.12.24「太ると精子が悪くなる」
2014.1.3「☆太ると着床率も低下する?」
2013.11.21「☆痩せると卵子の質が良くなる!?」
2013.7.9「☆減量手術をするとホルモン値が改善します」
2013.6.28「太るとAMHが低下する?」
2013.6.7「ARTの妊娠率に与える男女のBMIの影響」
2012.12.5「男性のBMIも妊娠に影響」
2012.12.3「BMI 35以上は異常卵が増加」
2012.10.30「BMIと妊娠」