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一杯に籠った丁寧な仕事、

一杯に籠める想い、

丼という小宇宙には、その人の全てが詰まっているのだった。

 

2016年10月にオープンした博多・熊本ラーメン店、「麺屋MANI(マニ)」さん。

お店があるのが、川越の連雀町にある蓮馨寺のすぐ近く。蓮馨寺山門から横断歩道を渡って真っすぐ伸びる立門前通り沿い。「川越 昭和の街」と呼ばれるエリアにあります。ここ昭和の街は、個人店しかないという川越の中でも稀有なエリアで、新しい風、MANIさんが仲間入りを果たした。

ちょうど向かいにには和菓子店「彩乃菓」さんがあります。

向かって左には旧鶴川座、右隣には「レレレノレコード」さん、斜向かいには「1g」さんなど新しいお店があり、個性的な個人店が集まっている面白いエリア。

 

 

 

 

 

「麺屋MANI(マニ)」
川越市連雀町8-3
平日 11:00〜14:30、17:00〜21:30
土・日・祝 11:00〜21:30
定休日 水曜日
※祝日の場合は営業致します。
https://www.instagram.com/menya_mani/
店内はカウンター席のみ。

麺屋MANIさんと言えば、熊本ラーメンと博多ラーメンという二本柱を両立させているお店として知られる。
「黒」と表示されているのが熊本ラーメン、「白」が博多ラーメンです。

黒の熊本ラーメンは、「特製角煮」、「チャーシュー」、「ダブル」、「キャベツ」、「ネギ」、「ラーメン」。

白の博多ラーメンは、「チャーシュー」、「ネギ」、「ラーメン」。

それにトッピングとして、角煮、チャーシュー、キャベツ、ネギ、キクラゲ、味玉を頼むことができる。ランチにはミニ角煮丼やミニチャーシュー、丼もあります。

お店の看板ラーメンは何と言っても、黒(熊本)の「特製角煮」。

 

白(博多)の「チャーシュー」。

白の博多ラーメンには、炒りごまと紅ショウガが入っている。シンプルに豚骨が味わえるでしょう。

豚骨ラーメンというと、コテコテの油に独特な臭みをイメージする人もいるかもしれませんが、MANIさんのラーメンは心配無用、どちらの一杯もあっさり優しくまろやかな味で、普段豚骨ラーメンが苦手だけどここのは美味しく食べられるという声も続出し、MANIのラーメンで豚骨ラーメンに開眼するような人も。女性に好評という声も頷けます。
さらに本場九州だと味を甘めにする文化がありますが、川越で提供するのは微調整して川越の食文化に合わせている。
二本柱のラーメンは、お店では熊本ラーメンを一押ししていて、人気の一杯もやはり、上記黒(熊本)の特製角煮ラーメン。
熊本ラーメンを提供しているお店は川越ではここだけ。焦がしニンニク油の「マー油」が乗っている熊本ラーメンはなんとも香ばしい香りで、生キャベツがどさりと乗っているのも特徴です。
黒(熊本)の「キャベツ」。

熊本・博多とも、共通のスープの素材として命としてあるのが、豚骨。
「豚骨」という素材を扱うからこそでしょう、どういう仕事をしているのかがダイレクトに目の前に表れて、ごまかしが効かず、目の前の一杯に行った仕事が全部出てしまう。美味しさと裏腹な怖さ。
雑に扱えばそのまま雑味に、手間を惜しまず扱えば得も言われぬ滋味に。
それは、丁寧な仕事を信条とする職人にとってはむしろ大きなプラスになるものである。
やった仕事を直に感じてもらえる、そのスープをレンゲで一口すすれば、あ、この職人は本当に丁寧な仕事をしている、と伝わるのが豚骨ラーメンの特徴かもしれない。
MANIのスープ。
豚骨のスープに臭みがないというのは、自然にそうなるというわけではなく、もちろんしっかりとした仕事がされているからそうなっているという事実がある。臭みを消すのは一にも二にも、豚ガラを扱う丁寧な下処理(アク抜き、血抜きなど)があるかどうかです。そして特殊な釜を使い高温で長時間ぐつぐつ煮込んでいく過程も、火加減をしっかり見、焦がさないよう見張りながらなので気の抜けない時間が続く。

高温にすることで、豚骨から溶け出すコラーゲンゼラチンへと変化。

このゼラチンが豚骨から溶け出した脂肪を包み、水に馴染ませる乳化現象を起こす。こうして、まろやかな白濁スープが仕上がります。

(豚骨には鶏ガラよりも多くのコラーゲンが含まれている)

MANIの豚骨スープは下処理から始まって完成まで10時間という膨大な時間と手間を注いでいます。こうして時間と手間をかけている豚骨スープには、豚骨本来の旨味が残り、それがあの、旨いスープになっているのだ。

お店の営業は、営業中が華やかな表舞台ではありますが、店先に暖簾を下げるまでの舞台裏、そこでどれだけの仕事をしているかで全てが決まる。
角煮作りも、豚肉を焼き、脂身を落とし、煮て、また脂身を落とし、特製自家製ダレで味付け、また余計な脂身を落とし、と1日がかりで作っているという仕事がある舞台裏。その工程を経て、あの輝くような角煮が出来上がっています。この角煮を食べれば、お店としての真摯な仕事がはっきりと伝わるでしょう。

チャーシュー作りも同様に一日かけての作業があります。


それに麺は、スープに合うことを意識して特注で作ってもらっているもので、九州特有の中細ストレート麺。低加水麺で、やや硬め。ポキポキとした食感が特徴。麺の硬さの好みがあれば、バリカタ・かため・柔らかめを注文できる。
ちなみにMANIさんでは替え玉も注文OKで、替え玉は150円、半替え玉は100円。替え玉の麺は通常よりも細麺で、より本場の細い麺に近い。初めから細麺をオーダーすることもできます。

注文を受けたら、これまで長時間仕込んできたものを一気に一杯の中に合作させていく。茹で上がった麺に、具材を載せたらMANIのラーメンの出来上がり。華麗なるラーメン作りの姿がありました。

 

 

 

 

 

麺屋MANIの問仁田さんは、埼玉県東松山市出身。熊本ラーメン専門店で働き、熊本ラーメンに魅せられて10年ほど修行したのち独立、川越の立門前通りに麺屋MANIを開きました。修行元のラーメンがベースにあり、自身オリジナルの一杯を作ろうと試行錯誤して、今の形に辿り着いた。
 

MANIには熊本・博多ラーメンがどっしりとありながら、他にも希少な限定ラーメンが個性を光らせている。1日限定5食の坦々麺です。

通常バージョンと激辛バージョンもあります。

 

 

そして、忘れてはならない、MANIさんのもう一つの限定ラーメンと言えば、川越をテーマにした一杯、「川越醤油らーめん」です。

川越の新名物として広がってきた川越醤油らーめんは、発端は、川越の「松本醤油商店」さんや「武州川越轟屋」さんがタッグを組んで企画し、推し進めているプロジェクトです。すでに巷では話題になっていますが、改めて、「川越醤油らーめん」を。
趣旨目的:国内外で注目される「らーめん」を新たな川越名物とし、地域、商店の活性化やインバウンドを視野に入れた観光客のさらなる誘致に繋げる。
定義:以下の条件をすべて満たすこと
・川越近隣の醤油蔵の醤油を使用すること
(川越 松本醤油商店 川島 笛木醤油 坂戸 弓削田醤油)
・川越近隣で仕入れた食材を使用すること
川越醤油らーめんは、この定義に沿った「ラーメン」、「つけ麺」、「油そば」をメニューとします。
ラーメン店で「川越醤油らーめん」という表記で提供しているラーメンは、これらの条件を満たした一杯ということになります。

川越市内で提供するラーメン店は続々と増えていますが、MANIさんももちろん参戦。一日5杯という限定ですが、これを目当てに来る人も多くいる。特に観光客にとっては、川越らしいものを食べたいのが人情で、川越醤油らーめんの人気は不動。

MANIさんで使用している醤油は、お店からすぐ近くにある醤油蔵、松本醤油商店さんの醤油を使用しています。

川越 松本醤油

https://www.hatsukari.co.jp/
『江戸時代から受け継がれる蔵
川越で約250年続く蔵元である松本醤油商店。
天保元年に建造された蔵には、江戸時代から使い続けている杉桶が40本並び、今なお昔ながらの手法によって製造を続けています。歴史ある蔵の中には、麹菌や酵母菌、乳酸菌といった様々な菌が生息していて、これらの菌の働きで松本醤油商店の醤油は生まれます。』

 

 

 

( 松本醤油商店の天保蔵内杉桶)

 

 

川越に密着し、できるだけ地元産を使おうと意識しているMANIさんは、川越醤油らーめん以外にも、あの熊本ラーメンのキャベツも、川越産キャベツが採れる時期だと積極的に使っていることにも注目です。

川越に来たら川越らしいものを。

ちょうどMANIさんの目の前にある蓮馨寺が今の川越の着物文化の聖地のようになっているので、浴衣・着物姿の人がなんとラーメンを!MANIさんで川越醤油らーめんのみならず、豚骨ラーメンを食べるというのも定着してきている。

浴衣・着物でラーメンというのは、MANIさんらしい現象でしょう。

 

(「川越ゆかたファッションショー」川越きものの日6周年イベント 2017年8月18日

https://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12303694972.html

 

お店としていろんな展開を考えているのもMANIさんらしいところ、土日になると、店先で熊本・博多ラーメンのテイクアウトを行い、COEDOビールとともにラーメンを食べるスタイルも提唱している。簡易テーブルもあるので、立門前通りの昭和の雰囲気で食べるラーメンというのも昭和の街の粋な食べ方かも。

 

 

イメージされる世のラーメン店という枠に捉われず、積極的にいろんな展開を仕掛けているMANIさん。

そうそう、店内には、東洋大学総合情報学部の学生たちが「地域プロジェクト演習」で制作したインスタグラム用の川越昭和の街専用写真投稿フレームも用意されているので、これを使うと一味違う写真を撮ることができる。

 

ラーメン店でラーメンの写真を撮る人は多いでしょうが、これを使えば他の写真と差がつけられること間違いなしです。

というか、こういうフレームを置いているということが面白い。

このフレームは他の昭和の街でも置いているお店があります。

自店の展開だけでなく、昭和の街一体となった街ぐるみで楽しいことをやっているのもMANIさん。

ラーメン店の記事だと、どういう素材を使い、どういう手間を、というそのラーメン一杯をどこまでも掘り下げていく方向もあるのですが(川越styleとしては、そのお店があることで川越の街がどう変わっていくのか、街の中で広がりを感じさせるお店に注目したい)、麺屋MANIさんというラーメン店の場合、他のラーメン店と違う面が多々あり、そして、それがこのお店の面白さなのです。大前提としてラーメンが美味しいのは当然のこと、さらに、ラーメン店がまちづくり活動まで参加しているのは他になく、ラーメン店の記事でこんな話しができるなんてというワクワクがある。

それは、MANIさんが、「川越 昭和の街」にあるお店だからというのが大きく関係しているのは間違いない。

 

 

MANIさんがあるのが、川越で今何かと注目を集めるエリア「川越 昭和の街」。

肩肘張らず、緩さも漂わせながら、楽しいことをしよう!というノリのお店が多い昭和の街。川越を見渡しても、これだけ次から次と楽しい企画を発信している地域というのは見当たりません。

このエリアにあるお店だからでしょう、他のラーメン店ではまず見られないような展開を見せ、そんなラーメン店があるなんて!?という驚きを発していて、ラーメン店の固定概念すら打ち破りそうな勢い。

それだけ、川越昭和の街のお店一丸となって地域を盛り上げようとしていて、その熱は昭和の街に新しくお店を構えたMANIさんにももちろん伝染し、あっという間にMANIさんも地域を盛り上げようと加わっていっていたのだ。昭和の街に出来る新しいお店は同様のケースが続き、一緒に地域を盛り上げようというお店の輪が日に日に大きくなっているのを感じる。ちなみにMANIさんと同時期に昭和の街にオープンした「La Foire」さんも、もう既に昭和の街を盛り上げようと率先して動いている急先鋒となっています。


(「La Foire(ラフォアー)」川越昭和の街に出現したシトロエンのホットサンド専門店

https://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12292480828.html

 

今の昭和の街の熱気は、こういう現場のお店の人たちの熱が作り上げたものです。もともと問仁田さんは職人でありながら楽しいことをやるのも好きだったんでしょう、それが偶然にも昭和の街にお店を構えたことで地域に巻き込まれながら楽しさが相乗的になっていった。

昭和の街では、毎月18日を「ごえんの日」としているのはご存知の通りで、昭和の街の参加店で食事や買物をするとご福銭が貰えるというサービスを行っていますが、これにMANIさんも参加している。

つまり、毎月18日にMANIでラーメンを食べると、五円玉の福銭が貰えてしまうんです。こんなラーメン店、川越に他にない。

18日になると目印の五円玉のオブジェが店先に下がります。先着順なのでお早めに。

 

 


(「ごえんの日」毎月18日は川越昭和の街 ごえんの日 福銭サービス

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12239801771.html

 

それに昭和の街では毎年4月29日の「昭和の日」に合わせてイベントを開催していますが、それぞれのお店が昭和時代をイメージした扮装をして接客するのも面白いところ。

今年の4月29日は、MANIさんにとってはオープンから初めての「昭和の日」というタイミングでしたが、昭和の街の会にやろうやろう!と引き入れられ、昭和スタイルイベントに参加していたのが印象的でした。

 

(第一回「昭和スタイルでおもてなし 川越昭和の街」2017年4月29日『昭和の日』

https://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12270591425.html

それに、思い出しただけでもニンマリとした思い出が甦る、2017年7月2日蓮馨寺で開催した「川越Farmer'sMarket」とのコラボ企画です。話題沸騰だったのが、「川越昭和の街」×「川越Farmer'sMarket」スペシャルコラボイベント、『リュネットさんのコッペパンに昭和の街のお店の具を挟んで、オリジナルコッペパンを作ろう!』でした。

境内に出店する川越の人気パン店「ブーランジェリュネット」さんブースでコッペパンを購入し、昭和の街参加店でパンに挟む具を買い出しに行こう!というもの。これにMANIさんも参加してくれていたのです。

 


境内に出店するブーランジェリュネットさんが埼玉県産ハナマンテン100%でコッペパンを作り、川越昭和の街のお店で中の具を買い出しに行こう!という内容。

昭和の街参加店
・まことや
・福々スタンド
・大黒屋食堂
・彩乃菓
・トシノコーヒー
・紅茶浪漫館シマ乃
・肉の十一屋
・麺屋MANI
・La Foire
・レレレノレコード
・こひや
・伊勢屋

企画の内容に、本気で具の内容を突き詰めていく昭和の街各店、相乗的な盛り上がりとなっていたコッペパン企画。
コッペパンの具というと甘い系が美味しく、イメージしますが、いや、既存のコッペパンのイメージを凌駕したものを目指した今回の企画。
楽しいことの裏にはしっかりと詰めた「大事なこと」があります。
このコッペパン企画はなにより、昭和の街のお店を感じられるものでないと意味がないと考え、お店本位で具があり、それを多少強引でもコッペパンに挟んでしまおうと押し進めました。

パンに合わせて小さくまとめるより、うちのお店はこうなんだ!と主張してもらい、見栄えが整っていなくてもいいじゃないか、溢れたっていいじゃないかうちのお店はこうだものと挟んでもらい、ひいては昭和の街のお店を感じてもらう。

MANIさんが提供した具は・・・角煮・キャベツ、チャーシュー・キャベツでした。

MANIさん・・・どちらも溢れ過ぎていますが・・・!?という溢れる熱意を表現してくれました。

 

(後編「川越Farmer’s Market」2017年7月2日メイン会場蓮馨寺 市内各地で開催

https://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12291300979.html

MANIさんや昭和の街の人たちの熱意が伝わってくるコッペパン企画。合作は、お互いが遠慮し合っても面白くない、このコッペパンは、
ブーランジェリュネットさんの埼玉県産小麦粉ハナマンテン100%で作ったコッペパンの想いと、
うちのお店をそのまま入れる!という昭和の街の想いと、熱過ぎる両者がぶつかりあった、熱過ぎるコッペパンだったのです。

 

そうそう、そう言えば、仲がいい昭和の街のお店ならではの企画で、「トシノコーヒー」の看板娘、あやちゃんが昭和の街を紹介する散策ツアーを提案した時も、MANIさんに立ち寄り、人気の「特製角煮」を勧めていましたね。

 

「川越昭和の街を着物姿で散策ツアー提案♪」『トシノコーヒー』スタッフあやの昭和の街着物巡り

https://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12287056118.html

そんな川越昭和の街が主催するイベントが、お馴染み「昭和の街の感謝祭」。2017年9月9日蓮馨寺及び周辺商店街にて。今年で4回目の開催です。感謝祭に来て、MANIさんのことを知るという人も多くなりそう。

 

 

 

(第三回「昭和の街の感謝祭」蓮馨寺と周辺商店街 2016年9月10日

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12199339321.html

 

こうした広がりを楽しみながら、MANIの問仁田さんは、職人としてラーメンという一点をどこまでも深堀りしていくことに余念がない。

今日もじっくりと時間をかけた仕込みを大事にし、そんな苦労を微塵も感じさせないような華麗さで、表舞台で颯爽と一杯を作り上げるのだった。

 

 

 

白(博多)の「ネギ」。

 

川越昭和の街に新しく出来たラーメン店、「麺屋MANI」。

どこまでも丁寧に。

どこまでもどこまでも丁寧に。

愛情が注がれたその一杯に、身も心も一杯になるのだった。

 

「麺屋MANI(マニ)」
川越市連雀町8-3
平日 11:00〜14:30、17:00〜21:30
土・日・祝 11:00〜21:30
定休日 水曜日
※祝日の場合は営業致します。
https://www.instagram.com/menya_mani/


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個人八百屋というのは、時代の波に押されてもう絶滅危惧種のようになっていますが、いや、ここに元気な川越の八百屋がある。

農産物を知り尽くし、発信する熱意に燃え、自分で仕入れた農産物を販売や配達のみならず自身で飲食店まで運営してしまうという行動力。

野菜にまつわる色んな話しを聞けるというのもこのお店だからこそで、訊けば一つ一つの野菜について熱く語ってくれます。

野菜についてここまでの知識、愛情を持っている人が川越にいるなんて、ときっと驚くはず。

 

2016年8月にオープンした「小江戸カントリーファームキッチン」さん。

川越市松江町1-22-11

11:00~19:00 049-298-5735 不定休

お店があるのが、蓮馨寺から直進1分。山門から伸びる立門前り沿い、大正浪漫夢通りを越えて、さらに進んだ右側にあります。

 

 

あるいは大正浪漫夢通りからは、大野屋さんがある辻を川越街道方面に入って行っても辿り着く。

立門前通りに二階建て建物が見えてきました。

店先には野菜が並べられ、まるで八百屋のよう。?

 

 

 

 

蓮馨寺からほど近く、一番街に来る観光客も立ち寄り、喜多院の参拝者も訪れる、脇道のような場所にありつつ、川越の色んなスポットにアクセスしやすいという立地。

店内に足を踏み入れると、旬の素材を使った料理がこれまた所狭しと並んでいます。目移りしてしまう品揃え。

小江戸カントリーファームキッチンさんはお野菜たっぷりバイキングのお店。

お店のシステムは、大きく分けて二つあります。

大人1500円・小人980円のバイキングと980円のプレートバイキング。

バイキングはお代わり自由で、プレートバイキングは一回好きなものを選ぶことができるプレート。

休憩メニューとしてデザートセットが680円。

他にテイクアウトメニューが、

持ち帰り弁当が780円、680円、580円の3種類。これも容器に入れるおかずを自分で選ぶことができます。

また、500円で総菜詰め合わせも行っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ご飯やカレー、豚汁に煮物、焼き物、お肉、野菜、フルーツ、これら全てから選ぶことができます。

たくさんの種類の中から好きなものを選んでお皿に盛り、自分だけの組み合わせの特製プレートを作っていく。

店内には、あれにしよう、こっちもいいな、と迷う人の姿は日常茶飯事。しかしバイキングシステムを思い出して胸を撫でおろす。そう、バイキングなら、何度もいろんな組み合わせを楽しむことができるのです。

トレーにこれでもかと料理を載せたら、二階の食事スペースでゆったりと頂く。

カントリーと店名に付くように、店内はカントリー調の雰囲気はどこか懐かしいような思いに駆られます。

 

 

 

 

 

お米を一口。

あ、っとお米の美味しさにまず引き込まれる。思わずお米ばかり食べ進みそうになりながら、おかずの味、の前にやっぱり素材の味がきちんと感じられて、美味しい。いい素材を使っていることがすぐに分かります。

 

 

 

バイキングならまだまだこれから、気になったさっきの料理を食べてみよう、一階に下りて盛ってくることも自由。そうだ、次は野菜を中心に選んでみよう。

気が付けば、身も心もお腹いっぱいに。バイキング注文には、最後にスイーツプレートがプレゼントされてさらに心がいっぱいに。

 

 

 

店内に並ぶ料理は、ずっと同じもの・・・ではなく、日によって変わり、旬の食材が変わっていくことに合わせて料理が変わっていきます。

食材、つまり農産物を大切にする意識が人一倍あるのが、小江戸カントリーファームキッチン。

それも当然のことかもしれません。。。

なぜなら・・・

一見すると、なぜ店先に野菜などが?と思うかもしれませんが、

ここにカントリーファームキッチンさんの神髄が籠められている。

飲食店が農産物「も」販売しているんだ、と受け止めがちですが、本当のところはその逆、農産物がメインとしてあって、飲食店を運営しているんです。

ここは、「飲食店」であり、「八百屋」でもあるという二つの機能がある川越でも珍しい形のお店。

店先に陳列している農産物は、全て、カントリーファームキッチンの櫻井さんが自身で仕入れているもので、販売しています。

そして、お店の料理には自身が仕入れたものを使用している。

新鮮なものを新鮮なうちに使用できるという強みがこのお店にはある。

実は、八百屋としては長い経歴を持ち、今でも八百屋が主としてあります。

小江戸カントリーファームキッチンの店先はほんの一部ですが、霞ヶ関で「カントリーファーム」という名の八百屋を切り盛りし、飲食部門として「小江戸カントリーファームキッチン」を始めました。

通常、飲食店というのは食材の調達を八百屋に頼ったりしますが、カントリーファームキッチンは全くその必要がない、というか八百屋の立場として今でも飲食店への配達は大事な仕事としてあります。

というお店なので、料理に使う食材はふんだんに。

 

八百屋の目というのは、農産物を客観的に見極めることができる目。

大手量販店と違い、カントリーファームという八百屋は個人店で、扱う農産物は大手の量からは大分減りますが、その分一つ一つを吟味して仕入れ提供しようとする。

言ってみれば、その選ぶ目、農産物をセレクトする目利きを売りとしています。

その時の「旬」のものを選ぶのは当然、ただこれは、言うは易く行うは難しで、八百屋的プロの目利きが必要になります。

一つの農産物でも時季によって旬は変わっていく。今仕入れるならどこの産地のものがいいのか、この野菜はあの産地なら3月から6月までが一番美味しい、時季を考え、市場で自分の目で確認しながら、選び出す。

日本の土地は縦に長いなので、南から北まで風土が多種多様。

旬の野菜は南から迎え、、まるで桜前線のようにだんだんと北上していく。それを見極めて産地を選ぶことができるのが八百屋です。

だから、店頭にいつもネギがあったとしても、その時によって仕入れる産地が少しずつ変わっていく、変えていくというのが八百屋の水面下の仕事。

ネギは欲しいという人が多いので、常に必要、しかし、ずっと同じ産地のものを置き続けると味が落ちる、その時一番美味しい産地を見極めて提供しようとする。その信念を大切に、農産物へのこだわりは留まるところを知りません。

時期によって農産物が変わるというのは、店先を見ていればすぐに気付くこと。

並ぶ顔ぶれが変わっていくことが、まるで四季の移り変わりのようで、その時一番良い産地の農産物が販売されています。

 

 

(2017年1月)

 

そして、仕入れる農産物が変わっていけば、当然店内の料理も変わっていきます。

 

(2017年1月)

 

 

 

 

(2017年2月)

 

取り扱っている卵は定番人気で、さらにそれで作る自家製プリンも人気。

農産物と加工品を一手に取り扱えるのが、ここも強みです。

 

全国各地の農産物を仕入れながら、ある思いもカントリーファームキッチンさんは胸に抱いています。

それが・・・「川越の農産物の魅力をもって知ってもらいたい」。

全国の農産物を見渡しても、川越産は負けてないどころかずっと美味しいものがたくさんあり、それが知られていない状況は寂しい。

特に川越の南端、「福原地区の野菜は抜群に美味しい」。

さつま芋が有名ですが、「里芋が本当に美味しい」と自信も持って話します。他にも人参、大根、牛蒡、など土物類が美味しいのは、この地区の土があるから。まさに川越の資源で、川越の宝物のような畑があること。

それが、八百屋としての客観的な目で見た動かしがたい事実であり、お店の料理には川越産里芋は八百屋的な目で使用しています。

ねっとりとしてホクホクとした美味しい川越の里芋。

農産物の伝道師、櫻井さんの想いの籠った一品です。

川越の農の力を感じられると思います。

「野菜はとにかく面白い。時季によって顔触れが変わるし、全く飽きない」と笑顔で話す櫻井さんなのでした。

小江戸カントリーファームキッチンの櫻井さんは、これまで30年間一貫して八百屋を営んできました。

八百屋は親から継いで何代目・・・ということではなく、なんと櫻井さんが初代なのです。

個人で新たに八百屋を立ち上げるという稀有な例がここにあった。

生まれも育ちも川越の櫻井さんは、実家は今福で今で言うところのコンビニ、「ピンクチェリー」を営んでいました。

高校卒業後、家業を手伝いながら仕事を覚え、25歳の頃自分で商売を始めようと一念発起したのが、八百屋でした。

当初はお店を構えず、曳き売り販売から始めた。

川越総合地方卸売市場で野菜を仕入れて、ワゴン車にたっぷりと載せては、都内で移動販売していました。

それを2、3年続け、都内の倉庫を借りて八百屋を構えるようになって、どんどん八百屋として軌道に乗っていく。

そして、故郷川越でお店を構える時がやって来ました。

30代後半、川越で八百屋を開いたのが、西武新宿線南大塚駅南口。

ナンツカの人なら覚えている人もいるかもしれません。

今、「やきとり ひびき」さんがある場所の斜向かいに八百屋があったことを。あのお店が、櫻井さんのカントリーファームだったのです。

ナンツカで八百屋を開いたのち、川越の霞ケ関に移転、

現在は「丸和ストア」の中に八百屋カントリーファームを開いています。

(霞ヶ関の丸和ストア)

八百屋を中心に据えつつ、野菜を使った総菜を提供したい、もっと川越の中心部で展開したい、自分の目利きで選んだ食材をもとに飲食店をやりたい、そう考えた櫻井さんは立門前りに小江戸カントリーファムキッチンをオープン。

本業が八百屋であり、今でも毎日朝の3~4時に市場に農産物を仕入れにいくのは変わりない。そこから農産物を仕分けし、飲食店などへの配達業務があって、小江戸カントリーファームキッチンの営業があるのです。日々多忙を極める。。。

配達は、人気ラーメン店「チャーシュー力」さんや人気洋菓子店「天使の林檎」さんも櫻井さんが請け負っていて、食材を見る目を信頼され、お店で使う食材を届けています。

霞ヶ関繋がりで、「たまり場 博多屋」さんの野菜もカントリーファームが担当している。

 

(「たまりば 博多屋」もつ鍋が人気の博多料理店 人が人を呼ぶたまりば 川越の霞ケ関

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12235294445.html

他にも、市内外、県外までも範囲にして、様々な飲食店、保育園、老人ホームなどに農産物を届けています。

カントリーファームキッチンは夜の営業はないの?と訊かれることが多いそうですが、現在営業が19時までなのは、

次の日朝早く市場に行かなくてはならない事情があるからなのです。

一家を中心に少ない人数でいろんなことをやっているので、今以上に手を広げることが難しい。。。

それでも、八百屋として、飲食店として、持ち帰り弁当店として、それぞれの使い方があり地域になくてはならない場所になりつつある。

 

一番街にほど近いという場所で、観光客の姿もありますが、なにより最も多いのが地域の人の利用。オープンから中休みがなく、最後まで営業しているので、どの時間も引っ切り無しに人が訪れています。

時間帯によってお客さんの用途ががらりと変わるのがこのお店の特色で面白さ。

ふらりと御昼ご飯を食べに、昼時にお弁当を持ち帰る、夕飯の食材の買い出しにやって来る、お惣菜を買って帰る、毎日にようにやって来る常連も増えて、確かな手応えを感じている。

 

今日も定番人気のカレーを丁寧に仕込み、お客さんを迎える櫻井さん。

 

 

 

 

小江戸カントリーファームキッチンさんがあるのが、昭和の街。

川越の「昭和の街」、昭和の風情が残り、個性的なお店が軒を連ねる町並みは、話題に事欠かず、今川越で注目を集めていることはご存知の通りです。

連雀町交差点~仲町交差点の中央通りが注目を集めますが、そこから左右に抜ける通りも昭和の街の範囲となっていて、蓮馨寺山門から伸びる「立門前通り」もまた、最近になって新しいお店が増えて活気付いています。

蓮馨寺山門から真っすぐ入って来ると、和菓子店の「彩乃菓」さんがあり、右手にはかつて芝居小屋だった旧鶴川座、大正浪漫夢通りを越えて進むと、うどん店「小江戸っ子うどん」さんが出来て、新しく、しかも早速人気店に数えられるようなお店が続々と出来ている。

 

(「彩乃菓」四季の彩りと菓子の彩り 新しく誕生した川越の和菓子店

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12154132751.html )

 

 

(川越立門前通り「小江戸っ子うどん」武蔵野&讃岐のハイブリッド 自家製熟成うどん 

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12182612732.html

また、この界隈の最近の動きとしては、「きものや沙羅」さんで着物レンタルする人が外国人観光客を中心に多く、一番街でよく見られる着物姿が立門前通りで見られるようになってきたのは、沙羅さんがあるから。ここで着物に着替えて蓮馨寺を参拝し、一番街方面へ出かけていく、というのが昭和の街の新たな散策コースになってきたよう。

立門前通りはここから川越街道に突き当たるまでの通りですが、途中もう一つ重要なスポットとして、「旧川越織物市場」があります。

 

(「アートクラフト手づくり市in織物市場2015」11月14日15日旧川越織物市場)

現在は、改修工事中で立入禁止となっていますが、再オープンしたらこの場所が大きな発信拠点として機能することは間違いありません。そうなった時の立門前りは、さらなる賑わいが生まれていることはもう目に浮かぶよう。

立門前通りに小江戸カントリーファームキッチンさんが新たに仲間入りし、さらに期待が高まります。

 

カントリーファームキッチンさんは、今後は川越のイベントとコラボすることも考えている。それが、農産物と言えばあの一大イベント、川越Farmer’s Marketです。

 

 

(「川越Farmer’s Market2016夏 前編」2016年7月3日蓮馨寺

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12177493828.html

実は2016年の川越Farmer’s Marketの会場に足を運んでくれた櫻井さん。農産物のイベントということで、ずっと興味を持っていました。

2017年7月2日に蓮馨寺で開催する川越Farmer’s Marketにおいて、初コラボが実現。

お店で川越産農産物を使った料理を増やし、イベントを盛り上げます。

コラボが実現するのは、場所の近さも大きい。奇しくも、カントリーファームキッチンさんと蓮馨寺は立門前通りで結ばれた目と鼻の先。

歩いてすぐの距離だからこそ、連携の話しもスムーズに進みました。

この場所で川越Farmer’s Marketがある、この場所にカントリーファームキッチンがある、偶然とはいえなんとも運命的です。

今後は、川越Farmer’s Marketの農家さんの農産物を小江戸カントリーファームキッチンさんで扱うという連携も生まれていくと思います。

 

そしてまた、時季が移って旬の農産物が変わっていけば、店先に並ぶ野菜も店内に並ぶ料理も、少しずつ変化していく。

 

 

 

(2017年3月)

 

あっちもいいな、こっちもいいなと悩みながら、自分の好みだけが詰まったプレートをまた作る。

 

ここには、季節がありました。

季節の共に農産物が変化し、それに合わせて料理も変わっていく。

当然のようにいつも一番良いものを揃えようとする。

季節の共に歩む。

野菜って楽しい。

八百屋って楽しい。

 

「小江戸カントリーファームキッチン」

川越市松江町1-22-11

11:00~19:00

049-298-5735

不定休

 

 

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