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「歩いて行こうぜ」




ノブオさんに迷惑をかけるのは嫌だったから、思い付きで俺は言った。




するとすかさずヒロシがつっこんだ。




「何日かかんだよ。近所に買い物に行くみたいな言い方すんなよ。」




それを聞いて森木が鼻で笑うと、「ルパン、お前ちょっとはできんだろ?」と言った。




「出来なくはないけどさ…あんま自信ないわ」




「大丈夫っしょ。決まりな」




あまり乗り気じゃなかった森木がやけにあっさり決めたが、ルパンも運転に不安がある。



もしかしたら、そんなルパンに運転させて、俺達に出発してすぐに奈良行きを諦めさせるためだったのかもしれない。



しかし、森木のもくろみは見事に外れる事になる。




出発は車通りが減る深夜ということにして、その日はとりあえず解散した。




帰り道、俺は無性に絵美の声が聞きたくなったのと、驚かせるための種をまくために電話をすることにした。



しばらく行けそうにないと伝えて、いきなり行って驚かせるイタズラを思い付いたのだ。




ポケットには謎の外国人に買わされた「残高がなかなか減らない」不思議なテレホンカード。




俺は早速公衆電話を探しながら歩いた。



ポケットに手を入れたらタバコが切れていた。



長電話になるだろうから、タバコがないときつい。




少し遠回りになるが、自販機と公衆電話がある場所があるのでそこに向かった。




ものの数分でついたが、公衆電話には先客がいた。





少し待ったが、一向に終わらない。




俺はタバコとジュースを買い、道路向かいにある公園に向かった。




時間を潰すためだ。




のんびりとまずは一服でもと思っていたが、そこには思いがけない人物が居た。



~つづく~


井口達也


※七夕だね。毎年曇りだなあ。織姫と彦星は恥ずかしがりやさんなのかね。

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