The Killers

保険調査員のリアドンは、強盗をした後に殺されたスウィードの調査をする。
スウィードや強盗の黒幕のコルファクスと付き合っていたキティという女がいた。


映画関連目次(闇雲映画館)

製作年:1946,監督:Robert Siodmak,脚本:Anthony Veiller,原作:The Killers(1927,Ernest Hemingway)


■ はじめに

◆ 登場人物(キャスト)

オーレ・"スウィード"・アンダーソン(バート・ランカスター)
ニック・アダムス(フィル・ブラウン)
キティ・コリンズ(エヴァ・ガードナー)

ジム・リアドン(エドモンド・オブライエン)
サム・ルビンスキー(サム・レヴェン)
リリー・ハーマン・ルビンスキー(ヴァージニア・クリスティン)

"ビッグ・ジム"・コルファクス(アルバート・デッカー)
"ダムダム"・クラーク(ジャック・ランバート)
チャールストン(ヴィンス・バーネット)
"ブリンキー"・フランクリン(ジェフ・コーリー)
マックス(ウィリアム・コンラッド)
アル(チャールズ・マッグロー)

◆ 補足

スウィードが殺された真相を保険調査員のジム・リアドンが追及していくストーリー。だが我々に示される状況とリアドンが掴んでいく状況にタイムラグがあるので、それを認識していないと分からなくなる。

それと我々にはスウィードが殺し屋二人に殺されたのが明示されるのだが、リアドンやルビンスキーはそれを知らない。キティは自分が犯人と疑われるのではないかと心配している。

本作はバート・ランカスター(1913年11月2日-1994年10月20日:80歳)の映画初出演。サーカスで空中ブランコをやっていたが、ケガをして止め、いくつかの職業を経験して俳優になった。キン肉マンだが、コメディもこなすし微妙なキャラクターも演じる。

エドモンド・オブライエン(1915年9月10日-1985年5月9日:69歳)は「(1939)ノートルダムのせむし男/The Hunchback of Notre Dame」では溌剌とした若者のピエール・グランゴワールであった。その後は少々太ってはいるが、多くの映画に出演している。

チャールズ・マッグロー(1914年5月10日-1980年7月30日:66歳)は善役も悪役もこなすが、敵に回すと手強いような感じの役をする。推薦は「(1952)その女を殺せ/THE NARROW MARGIN」。
 


■ あらすじ

◆ スウィードは殺された

1946年、ニュージャージー州ブレントウッドの町。二人の殺し屋マックスとアルが、「スウィード」と呼ばれているガソリンスタンド勤務の男を殺そうとやってきた。

食堂で二人を見つけたスウィードの同僚ニック・アダムスは、その日は休みだったスウィードに警告の電話をかけた。

スウィードは電話を受けたが、そのままベッドに寝転がっていた。

二人の殺し屋が入ってきて、スウィードを撃ち殺して立ち去った。

◆ スウィードは元ボクサー

スウィードは2500ドルの生命保険に入っていた。

保険調査員のジム・リアドンはスウィードの保険受取人を探す。スウィードの友人などを辿って行く。

スウィードは元はボクサーでオーレ・アンダーソンだった。

スウィードの幼馴染でフィラデルフィア警察のサム・ルビンスキー警部補を探し、会って話を聞いた。

◆ スウィードはギャングとかかわった

スウィードは手を骨折してボクサーを止めた。

ルビンスキーに「警察に入らないか」と誘われたが断った。

そしてこともあろうにギャングの"ビッグ・ジム"・コルファクスとかかわりを持つようになった。

さらにマジメな恋人のリリー・ハーマンを捨てて、より魅力的すなわちかなり怪しい感じのするキティ・コリンズと関係を持つようになった。

リリーはルビンスキーと結婚した。

◆ スウィードは三年の刑

ルビンスキーはキティが盗んだ宝石をスウィードが身に着けているのを発見した。

スウィードはルビンスキーを殴って逃げた。ルビンスキーはスウィードを追いかけた。

掴まって裁判にかけられて三年の刑を受けた。

◆ 強盗をしたが金を奪われた

スウィードは刑期を終えた後、"ダムダム"・クラークや"ブリンキー"・フランクリンとともにコルファクスが首謀するニュージャージー州ハッケンサックでの給料強盗に加わった。

彼らは25万ドルを奪った。

コルファクスはスウィード以外のメンバーを使って、アジトに火をつけさせ、メンバーは金を持って姿をくらました。

スウィードから見れば、突然金を持ち逃げされたという状況。

◆ キティは金を取り戻した

キティはスウィードに「彼らから金を取り戻しなさい」と煽ったが、スウィードは動かなかった。

だがキティはコルファクスとも関係を持っていた。

コルファクスのところに出かけて行き、ブレントウッドにいたスウィードの前に、彼らから奪った金を持って現れた。

その金はスウィードの部屋に隠された。

◆ キティの行方

リアドンはスウィードが殺された部屋を見張っている。キティの行方を掴むためである。

だがダムダムが現れた。おそらく盗まれた金を取り戻すためである。

リアドンはダムダムと争ったが逃げ出した。

リアドンはピッツバーグで表向きは建設業をやっているコルファックスを訪ねて、キティの行方を聞いたが答えは得られなかった。

◆ 殺し屋に襲われた

だがある時キティから連絡があり、あるナイトクラブで会った。リアドンは用心のためにルビンスキーに連絡しておいた。

彼女は自分が金を盗んだのはスウィードのためにやったことだと説明した。

キティがトイレに立った時に、殺し屋の二人(マックス&アル)が襲撃してきた。リアドンとルビンスキーは反撃して、二人を殺害した。

◆ コルファックスの屋敷

リアドンとルビンスキーは警官隊を引き連れてコルファックスの屋敷に向かった。キティも追いかけた。

だが先にダムダムとコルファックスが銃撃戦を展開し、二人とも負傷していた。

キティは虫の息のコルファックスに「自分がスウィードを殺したのではないことを証明してほしい」と泣きついたが、コルファックスはもうそれに答えられる状態ではなかった。
 


■ 出演作

バート・ランカスター
(1947)真昼の暴動/Brute Force
(1947)暗黒街の復讐/I Walk Alone
(1948)私は殺される/SORRY, WRONG NUMBER
(1949)裏切りの街角/Criss Cross
(1952)真紅の海賊/The Crimson Pirate
(1953)白人酋長/His Majesty O'Keefe
(1954)アパッチ/Apache
(1957)OK牧場の決斗/Gunfight at the O.K. Corral
(1960)許されざる者:妹は先住民の娘なのか?/The Unforgiven
(1960)エルマー・ガントリー/魅せられた男/Elmer Gantry
(1951)復讐の谷/VENGEANCE VALLEY
(1961)明日なき十代/The Young Savages
(1950)美女と老人と偽札/Mister 880
旅路:シーズンオフの海辺のホテルで展開する人間模様/Separate Tables
(1960)許されざる者:妹は先住民の娘なのか?/The Unforgiven
(1956)空中ブランコ:驚異の三回転/Trapeze
(1948)殺人犯と看護師/Kiss the Blood Off My Hands
(1947)砂漠の怒り/Desert Fury
(1954)ヴェラ・クルス/Vera Cruz

◆ エドモンド・オブライエン
(1939)ノートルダムのせむし男/The Hunchback of Notre Dame
(1947)二重生活/ A Double Life
(1953)二重結婚者/The Bigamist
(1966)ミクロの決死圏/Fantastic Voyage
(1953)ヒッチ・ハイカー/THE HITCH-HIKER
(1949)都会の牙/D.O.A./Dead On Arrival
(1947)罠にかかった弁護士/The Web
(1950)ブックメーカー殺人事件/711 Ocean Drive
(1953)恐怖の町/Man in the Dark
(1952)黒い街:ターニングポイント/The Turning Point
(1956)1984年/1984
(1950)拳銃無情/Between Midnight and Dawn
(1948)分断された家族/Another Part of the Forest
(1962)リバティ・バランスを射った男/The Man Who Shot Liberty Valance
(1951)シルヴァーシティ/Silver City

チャールズ・マッグロー
(1942)不死の怪物/The Undying Monster
(1946)殺人者/The Killers
(1947)真昼の暴動/Brute Force
(1951)替え玉殺人事件/HIS KIND OF WOMAN
(1952)その女を殺せ/THE NARROW MARGIN
(1971)ジョニーは戦場へ行った Johnny Got His Gun
(1958)手錠のままの脱獄/The Defiant Ones
(1947)Tメン/T-Men
(1951)血に飢えたデイヴ/Double Crossbones
(1949)脅迫:脱獄犯が刑事と歌手を拉致/The Threat
(1953)騎兵隊突撃/War Paint
(1949)恋人よ今一度/Once More, My Darling
(1960)シマロン/Cimarron
(1952)零号作戦/One Minute to Zero
(1958)手錠のままの脱獄/The Defiant Ones

ヴァージニア・クリスティン
(1953)私刑される女/Woman They Almost Lynched
(1955)見知らぬ人でなく/Not as a Stranger
(1949)善意の隠蔽工作/Cover Up