■ The Young Savages
ニューヨーク、イーストハーレムで不良少年団の間で抗争が発生している。
プエリト・リコ系のロベルト・エスカランテが殺された。容疑者はイタリア系の三人の少年。
地方検事補のハンク・ベルが捜査することになった。しかし容疑者の一人ダニー・ディパスがハンクの昔の恋人メアリーの息子であることが分かった。
またハンクの上司、地方検事のダニエル・コールは、知事選挙に出馬しており、選挙を有利にするために、犯人を極刑にすることを要求した。


製作年:1961、監督:John Frankenheimer、脚本:Edward Anhalt J.P. Miller、原作:A Matter of Conviction(Evan Hunter)


■ はじめに

登場人物(キャスト)

 ハンク・ベル(バート・ランカスター) 地方検事補
 カリン・ベル(ダイナ・メリル) 妻
 ジェニー・ベル(ロバータ・ショア) 娘
 ダニエル・コール(エドワード・アンドリュース) 地方検事、ハンクの上司
 ガンターソン刑事(テリー・サヴァラス) 刑事

◇ イタリア系/サンダーバード
 アーサー・リアドン(ジョン・デイヴィス・チャンドラー) 犯人
 アンソニー・アポスト(ネイル・ネフィユー)
 ダニー・ディパス(スタンリー・クリスティン) 犯人
 メアリー・ディパス(シェリー・ウインターズ) ダニーの母親、ハンクの元恋人
 アンジェラ(?) 目撃者

◇ プエリト・リコ系/ホースマン
 ロベルト・エスカランテ(ホセ・ペレス) 被害者
 ルイーザ・エスカランテ(ピラー・スーラット) 被害者の母親
 


■ あらすじ

◆ 殺人事件発生

1960年、ニューヨーク、イースト・ハーレム。イタリア系の不良少年団サンダーバードとプエリト・リコ系の不良少年団ホースマンが争っていた。

サンダーバードの三人、アーサー・リアドン、アンソニー・アポスト、ダニー・ディパスはナイフを隠し持って、ホースマンの地区に出かけた。

ホースマンのメンバー、ロベルト・エスカランテが刺されて死亡した。ロベルトが襲撃されたときの状況はよく分からない。

三人の後をつけていたアンジェラは三人がゴミ箱に捨てたナイフを拾って隠した。

◆ 三人は逮捕された

警察は三人を逮捕した。三人は正当防衛を主張した。

だがしかし殺されたロベルトは盲目であった。

目撃者のアンジェラは「三人が持っていたのはナイフではなくハーモニカ」と信じられないような証言をした。

注、我々はナイフであっことを目撃している。

またダニーはかってプエリト・リコ系の少年を事故から助けたことも分かった。

◆ ハンク・ベル検事補

ハンク・ベルはイタリア系の家系。地方検事補になった。妻のカリン、娘のジェニーと暮らしている。

ハンクの上司、ダニエル・コール地方検事は知事選に立候補している。

コールは事件の捜査担当ををハンクに指定した。容疑者がイタリア系なので捜査するには適任とのことである。

コールは選挙を有利にするためには、この事件の犯人を極刑にして検察の威厳を高めることが重要だと考えている。

◆ メアリー

ハンクはダニーの母親がかつてハンクの恋人だったメアリー・ディパスであることを知って驚いた。

メアリーは「ダニーは人を殺したりはしない」と訴えた。しかし捜査に私情を持ち込むことは許されない。

一方、カリンはハンクがコールの要求に屈することを牽制した。

◆ 襲撃事件

サンダーバードは、同じイタリア系のハンクが敵になったと反発した。またハンクが犠牲者の葬儀に参列したことも、反発を加速した。

ハンクの捜査は進んでいった。しかしハンクやカリンが襲撃される事件が発生した。

このようなことでハンクはたじろぐはずもないが、しかしカリンは恐怖に落ちた。

◆ 結果

アーサー・リアドンは懲役20年、アンソニー・アポストは精神病院行。ダニー・ディパスは懲役1年となった。

判決は上司のコールが望むようにはならなかった。ハンクの出世には影響したが、ハンクにはきちんと仕事をしたという自負心が残った。
 


■ 補足

同じようにニューヨークの不良少年団の対立を描いた「ウェストサイドストーリー」と同じ製作年。「ウェストサイドストーリー」は基本的に恋愛映画だが、本作は検事の話でテーマが地味である。

ハンクの上司のコールは「地方検事」。地方検事には「連邦地方検事」と「州地方検事」がある。コールは「州地方検事」。

連邦地方検事は連邦政府から任命されて、州間をまたぐ事件、全国に関連する事件を扱う。元締めがFBI。

州地方検事は選挙で選ばれ州内の事件を扱う。州によって違うが1~4名。検事の元に実際に事件を担当する検事補がいる。ハンクはこれ。その下に部下や事務員などがいる。

州地方検事は選挙で選ばれるため、州知事へのコースの一つ。本作や「(1988)スイッチングチャンネル/Switching Channels」では州地方検事が州知事に立候補している。本作では検事が犯人への厳罰を求めるが、「スイッチングチャンネル」では死刑の執行を早めようとする。
 


■ 出演作

バート・ランカスター
(1947)真昼の暴動/Brute Force
(1947)暗黒街の復讐/I Walk Alone
(1948)私は殺される/SORRY, WRONG NUMBER
(1949)裏切りの街角/Criss Cross
(1952)真紅の盗賊/The Crimson Pirate
(1953)白人酋長/His Majesty O'Keefe
(1954)アパッチ/Apache
(1957)OK牧場の決斗/Gunfight at the O.K. Corral
(1960)許されざる者/The Unforgiven
(1960)エルマー・ガントリー/魅せられた男/Elmer Gantry
(1951)復讐の谷/VENGEANCE VALLEY
(1961)明日なき十代/The Young Savages

シェリー・ウィンターズ
(1947)二重生活/ A Double Life
(1950)ウィンチェスター銃'73/Winchester '73
(1949)陽の当たる場所/A Place in the Sun
(1954)重役室/Executive Suite
(1955)悪徳/The Big Knife
(1959)拳銃の報酬/ODDS AGAINST TOMORROW
(1965)偉大な生涯の物語/The Greatest Story Ever Told
(1970)血まみれギャングママ/Bloody Mama
(1951)密輸と犬とギャング/Behave Yourself
(1951)その男を逃すな/He Ran All the Way
(1960)俺の墓標は立てるな/Let No Man Write My Epitaph
(1961)明日なき十代/The Young Savages