■ He Ran All the Way
ニック(ジョン)はアルと強盗をして逃げた。アルは撃たれた。ニックは知り合ったペギー(シェリー)という女性の家に行った。
疑われていなかったのだが、ミスで自分の正体をさらしてしまった。家族を脅す。そしてペギーに車を買いに行かせて脱出を謀る。


製作年:1951、監督:John Berry、脚本:Hugo Butler、Dalton Trumbo、原作:He Ran All the Way(Sam Ross)


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 ニック・ロービー(ジョン・ガーフィールド)
 ロービー夫人(グラディス・ジョージ) ニックの母親
 アル・モーリン(ノーマン・ロイド) ニックの相棒

 ペギー・ドブス(シェリー・ウィンターズ) 菓子工場勤務
 ドブス氏(ウォーレス・フォード) ペギーの父親、新聞社印刷所勤務
 ドブス夫人(セレーナ・ロイル) ペギーの母親、専業主婦
 トミー・ドブス(ロバート・ハイアット) ペギーの弟

本作はジョン・ガーフィールドの遺作である。
 


■ あらすじ

◆ ニックは強盗した

ニック・ロービーは母親と一緒に住んでいる。ニックがまともに働かないので、母親はニックに常に小言を言っている。

ニックとアル・モーリンは強盗を計画している。ニックがビビっていたが、ついに決行した。

金を奪ったが、二人は追いかけられて逃げた。アルは撃たれて倒れた。ニックは金を持って逃げた。

町中を走り公衆プールに入り込んだ。いっぱい人がいるので分かりにくいという判断。金が入ったバッグは捨ててジャケットのポケットに入れた。

水着を借りてプールに入った。泳ぎがあまり上手ではない女性ペギー・ドブスに出会った。ペギーに泳ぎを教えた。このようにすれば、少しでも捜査を免れることができる。

◆ ペギーのアパートに行った

二人はプールを出てタクシーでペギーの家まで行った。タクシーに乗ったのも身を隠すためである。

二人は別れたがタクシーの中にペギーの忘れ物があり届けた。

アパートに入って少し話をしたが母親がいた。そして父親が仕事から帰ってきて歓迎された。他には弟がいた。ニックは歓迎された。

父親は新聞社の印刷工場で働いている。父親は「今日の事件で大変だった」と言った。ニックとアルが起こした事件である。

ニックは聞かれて「一人暮らし」と答えた。

両親と弟は出かけた。二人だけが残った。ニックは警察の捜査が気になっている。ペギーは体調が悪いのかと心配する。

◆ ニックは自ら正体を現してしまった

外で話声がした。両親と弟の他に誰かがいる。ニックは警察が来たものと思った。

三人が入ってきた。突然ニックは拳銃を突き付けた。みんな驚く。「俺はニック・ロビーだ」と言った。

しかし父親は「新聞に載っている名前はアル・モーリン」と言う。ニックは何も怪しまれていないのに自分から白状してしまった。

ニックは電話線を引きちぎった。

ペギーは「警察に身元がばれてないなら逃げればいい。何も言わないわ」と提案するが、ニックは信用せずに立て篭もることにした。

当アパートはダイニングの他に三部屋がある。両親の部屋、ペギーの部屋、それとトミーの部屋。

ニックはトミーの部屋でトミーを人質に取ることにした。

◆ 父親とペギーは仕事

朝になった。新聞が配達された。今度は事件の記事にニックの名前が出ている。父親はニックを刺激しないように新聞を隠した。

ニックは金を渡して「迷惑料だ」と言った。このまま出て行くつもりだったが、新聞の自分の名前が載っているのを知って方針を変更した。

怪しまれないように父親とペギーは仕事に行った。母親とトミーとニックが残った。母親は裁縫をしてニックと目を合わさないようにしている。

一方ニックの実家には警察が現れた。母親は「どこにいるかは知らない。早く捕まえてちょうだい」と言った。

ペギーは心配なので昼休みに戻って来て、また会社に戻った。終業後、同僚と遊びに行く予定だったが断った。

しかし同僚に「髪形を変えて、いい服を着れば結婚できるわよ」と言われたので、その通りにした。

◆ ニックは夕飯を作ったが、

ニックと母親はゴチャゴチャ口論をしていた。そのせいで母親がミシンでケガをした。ニックは慌てて母親をベッドに運んだ。それでも母親はニックを睨みつけた。

ちょうどトミーが入ってきて、母親のケガを見てニックに殴りかかった。父親も帰ってきた。

ニックはみんなの夕飯を作った。笑顔ですすめた。しかし父親、母親、トミーは食べようとしない。ニックは腹を立てて「食べないと撃つぞ」と怒った。

◆ 「二人でここをでよう」

ペギーが戻って来た。ペギーが遅くなったので、ニックはペギーの行動を疑う。しかし髪と服が新しくなっているのを見て「俺が好きか?」と聞く。注、いや髪は元のまま。

「二人でここを出よう。車を買ってこい。俺たちのため」。ペギーが「俺たちのため」が気に入ったのかは不明だが、二人はキスした。

父親と母親は「ペギーはなぜ帰って来たのか?」と話している。注、ペギーには親戚の家に行くように言っていた。

朝が来た。母親とトミーは教会に出かけた。ペギーは車を買いに行った。

父親は帆船の模型を作った。ニックと父親は宗教について話した。ニックは宗教を冷笑する。

父親はペギーのことを「車を買いに行く振りをした。警察に行った。お前は捕まる」と言う。

しばらくしてペギーが戻って来た。「ライトが壊れているので修理して一時間後に届ける」とのこと。

父親はペギーが一緒に行くというのでびっくりする。だが父親はこれを聞いて外に出た。ニックは止めない。

◆ 車がなかなか来ない

しかし車がなかなか来ない。ニックは焦ってくる。ペギーを責める。ペギーは言い訳する。

サイレンが鳴った。サイレンを聞いてニックは怒った。拳銃を出して「動くな」と叫んだ。注、サイレンは無関係。

ペギーはせっかく一緒に行くつもりになっていたのに、拳銃を出されてニックへの気持ちが冷めた。

ニックはペギーに拳銃を突き付けたまま、アパートの階段を下りて一階に来た。

◆ ニックは撃たれた

一階はガラス戸があって、外は道路、向かいに店がある。ニックとペギーが戸口に来た。

ここで道路の向かいから銃が発射された。ニックは拳銃を落とした。拳銃はガラス戸の下に落ちた。ニックとペギーはガラス戸の両側。

道路の向こう側には父親が立って拳銃を構えている。

落ちている拳銃を拾おうとすると、道路の向こうから撃たれる。ニックはペギーに「拳銃を拾え」と命令した。

ペギーは拳銃を拾った。ニックは「渡せ」と言った。ペギーは拳銃を渡す振りをしてニックを撃った。

ニックは倒れた。そこにペギーが買った車が到着した。
 


■ 出演作

◆ ジョン・ガーフィールド
(1946)郵便配達は二度ベルを鳴らす/The Postman Always Rings Twice
(1948)悪の力/苦い報酬/Force of Evil
(1946)限りある命/Nobody Lives Forever
(1941)海の狼/The Sea Wolf
(1951)その男を逃すな/He Ran All the Way

シェリー・ウィンターズ
(1947)二重生活/ A Double Life
(1950)ウィンチェスター銃'73/Winchester '73
(1949)陽の当たる場所/A Place in the Sun
(1954)重役室/Executive Suite
(1955)悪徳/The Big Knife
(1959)拳銃の報酬/ODDS AGAINST TOMORROW
(1965)偉大な生涯の物語/The Greatest Story Ever Told
(1970)血まみれギャングママ/Bloody Mama
(1951)密輸と犬とギャング/Behave Yourself
(1951)その男を逃すな/He Ran All the Way