Trapeze

マイクは空中ブランコの三回転を達成したが、その後ケガをして引退した。
空中ブランコをやりたいとティノという若者が現れた。するとアクロバットをしているローラが「自分もやりたい」と言い出した。
結局二人とも空中ブランコをすることになった。


映画関連目次(闇雲映画館)

製作年:1956、監督:Carol Reed、脚本:Liam O'Brien、James R. Webb、原作:The Killing Frost(1950、Max Catto)


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 ボーグリオン(トーマス・ゴメス) シルク・デヴィルの団長
 マイク・リプル(バート・ランカスター)
 ローラ(ジーナ・ロロブリジーダ) アクロバット
 ティノ・オルシーニ(トニー・カーティス)
 ローザ(ケティ・フラド)
 オットー(Jean-Pierre Kerien)

 ジョン・リングリング・ノース(マイナー・ワトソン) アメリカのサーカス団団長

バート・ランカスターはサーカス出身で、身のこなしは軽い。サーカス当時にどのような演技をしていたかは不明。
 


■ あらすじ

◆ 空中ブランコ

サーカスで披露される空中ブランコ。空中の高いところにブランコが二基設置されている。

一つのブランコには一人が乗っている。膝を曲げてブランコに逆さまにぶら下がる。大きな弧を描いて揺れている。こちらのプレイヤーはキャッチャーと呼ばれる。

もう一人(フライヤー)が残りのブランコに乗ってキャッチャーに近づく。フライヤーはブランコから離れて空中に飛ぶ。

キャッチーとフライヤーは手をつなぎ、フライヤーはキャッチャーにぶら下がる。

二人は大きく揺れて、また戻ってくる。手を放してフライヤーはキャッキャーを離れて、元のブランコに乗って、スタートの位置に戻る。

これはかなり高度な技である。ブランコの下には安全のためにネットが張ってある。

◆ マイク・リブル

マイク・リブルはフランスのサーカス団シルク・デヴィルでブランコ乗り=フライヤーをしていた。

マイクの技はとりわけすごかった。キャッチャー側に乗り移る時、体をドリルのように回転させてキャッチャーに捕まる。また離れる時も回転して戻る。

さらに高度な技であるが、マイクは三回転をやってのけた。三回転ができたのは、他のサーカス団も含めて六人のみである。

だがマイクはある時ブランコから転落して負傷した。今では杖を突いて歩いており、ブランコには乗っていない。

◆ ティノ・オルシーニが入って来た

当サーカス団には団員を希望する若者が押しかけてきている。ティノ・オルシーニもその一人である。

実はティノの父親はマイクのキャッチャーであった。ティノはマイクのように三回転を目指している。

団長のボーグリオンはティノを雇ったが、マイクはもうブランコをする気はない。教える気もない。

だが昔からマイクを知っているローザの勧めでマイクも気を変えてティノは練習を始めた。

◆ ローラも参加した

これを見たアクロバットをしているローラは「自分も空中ブランコをやりたい」と言い出した。ローラはとにかく目立ちたがり屋である。

マイクは良い顔はせずに断る。するとローラはティノに色目を使って迫る。

魅力的なローラに言われるので三人の関係はグチャグチャになった。

結局のところローラもブランコをやることになり、練習を始めた。

三回転はまだであるが、ティノとローラは演技を見せるようになった。ハンサムと美女の二人が演技するのであるから、観客からは熱狂的な拍手が沸き起こった。

三回転の練習も合間を縫って行われた。

◆ マイクがケガをした

この演技をアメリカのサーカス団の団長ジョン・リングリング・ノースが見ていた。

一方ローラは次第にマイクに惹かれるという展開になったのだが、マイクがまたケガをした。

ケガは大したことはなかったが、ローラがマイクの宿舎を訪れて手当てをした。

だがこれを知ったティノはマイクを殴りつけた。もちろんのことであるが、ティノもローラが好きである。

◆ 三回転を達成

さてついにティノが三回転を披露する時がきた。ボーグリオンはキャッチャーをオットーに指定した。

だがティノが配置につくと、マイクがキャッチャーとして待っていた。観衆の前でのマイクの演技はケガ以来のことである。

緊張の演技が始まった。ローラも一生懸命に見ている。

ティノは見事に三回転を成し遂げた。観客席からは大拍手。

演技が終了した。演技を見ていたノースは、自分のサーカス団で演技を依頼した。

だがマイクはサーカス団を立ち去った。そしてローラはマイクを追いかけた。
 


■ 出演作

バート・ランカスター
(1947)真昼の暴動/Brute Force
(1947)暗黒街の復讐/I Walk Alone
(1948)私は殺される/SORRY, WRONG NUMBER
(1949)裏切りの街角/Criss Cross
(1952)真紅の盗賊/The Crimson Pirate
(1953)白人酋長/His Majesty O'Keefe
(1954)アパッチ/Apache
(1957)OK牧場の決斗/Gunfight at the O.K. Corral
(1960)許されざる者/The Unforgiven
(1960)エルマー・ガントリー/魅せられた男/Elmer Gantry
(1951)復讐の谷/VENGEANCE VALLEY
(1961)明日なき十代/The Young Savages
(1950)美女と老人と偽札/Mister 880
旅路:シーズンオフの海辺のホテルで展開する人間模様/Separate Tables
(1960)許されざる者:妹は先住民の娘なのか?/The Unforgiven