■ Double Crossbones
デイヴとトムは海賊の略奪物を売った疑いでエルデン総督に捕らえられたが逃げ出した。
船に乗ったが、それは海賊船。デイヴを伝染病と誤解した海賊たちは二人を置き去りにして船を捨てた。
エルデンの船と出会い、今度は海賊のハッタリをしてエルデンを追い出した。
海賊たちの巣窟トルトゥーガ島に行ったが、エルデンが海賊の上前を撥ねていることが分かった。しかもエルデンはデイヴの恋人のシルヴィアと結婚を企んでいる。
デイヴは再度エルデンと対決に出発する。


製作年:1951、監督:Charles Barton、脚本:Oscar Brodney、John Grant、原作:Oscar Brodney


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 デイヴィー・クランダル(ドナルド・オコーナー) デイヴ
 トム・ボッツ(ウィル・ギア) デイヴの同僚
 カレブ・ニコラス(モーガン・ファーリー) デイヴの雇い主
 シルヴィア・コップランド(ヘレナ・カーター) デイヴの恋人

 ジェラルド・エルデン総督(ジョン・エメリー)
 モントローズ卿(スタンリー・ローガン)
 モントローズ夫人(キャスリン・ギヴニー)
 Malcolm Giles(ヘイドン・ローク)
 ベン・ウィケット(チャールズ・マッグロー) デファイアンス号船長

◇トルトゥーガの海賊船長たち
 ヘンリー・モーガン(ロバート・バラット)
 キッド(アラン・ネイピア)
 ヘンリー・エイヴリー(グレン・ストレンジ)
 黒髭(ルイス・バチガルピ)
 アン・ボニー(ホープ・エマーソン)

本作では実在・架空の有名海賊が数人登場する。「Double Crossbones」は髑髏の海賊旗の交差した骨のこと。
 


■ はじめに

◆ デイヴとシルヴィア

18世紀初頭、チャールストン(サウスカロライナ)。デイヴィー・クランダル(デイヴ)は宝飾店の店員。

勉強家で酒も飲まない。いや酒を飲まないのは飲むとジンマシンが出るから。言わなくても分かるが貧乏。

しかしなぜかシルヴィア・コップランドという金持ちの娘が恋人である。少々気が強いが美人である。

◆ デイヴは逮捕、しかし逃亡

デイヴの店に総督のエルデン、モントローズ卿夫妻、そしてシルヴィアが訪ねてきた。シルヴィアは両親が死亡しており、後見人はエルデン。

デイヴとシルヴィアはさっそく別の部屋に行ってニコニコ、イチャイチャ。しかしデイヴは上がってしまってシドロモドロ。

しか~しモントローズがある宝石を見て「これはダヴェンポート卿のものだ。半年前に海賊に奪われた」と言い出した。確かにチャールストンは海賊が略奪品を売りに来るところである。

「海賊と取引するものは同罪だっ!」と店主のカレブやディヴとトムは逮捕された。兵隊にしょっ引かれている行くところ、街角で喧嘩が発生した。そのどさくさに紛れてデイヴとトムは逃げだした。

一方シルヴィアは、デイヴを庇ったことでエルデンに叱られていた。ここでエルデンは「私と結婚してくれ」とドサクサ。もちろんしっかりとシルヴィアは言い返す。

店主を呼ぶ。「君の役目は終わった」。エルデンは店主を撃ち殺した。

◆ 海賊船に乗る

二人は船に乗って逃亡しようとしたが金がない。そこでデイヴは酒場で歌って踊って金を稼いだ。

二人は金を持ってある船に行った。ディファイアンス号。船長や船員の人相を見れば、海賊と分かるのだが、なぜか二人は気が付かない。

ともあれベン・ウィケット船長のディファイアンス号に乗って出港した。

◆ 海賊が逃げ出した

ウィケットは船をしばらく走らせた後に予定の行動に出た。二人を酒で酔わせて海に投げ込もうとする。

デイヴは酒が飲めないので断るが強制的に飲ませられる。するとたちまちジンマシンが出てきた。

これを見て海賊たちは「伝染病だっ!」と騒ぎ出した。彼らはみんなボートに乗り込んで逃げ出した。

ディファイアンス号には二人だけが残った。

◆ ハッタリで海賊になる

二人だけでは船は動かせないので漂流状態。

しかしありがたいことに船が近づいてきた。だが海賊旗が掲げられているので船は逃げていく。知らせるために大砲を撃った。見事命中、帆柱が倒れた。

相手の船はエルデンのサザンジプシー号。だが元の船にいても見込みがない。サザンジプシー号に乗り移った。

ここで二人はハッタリをして海賊を装う。ハッタリは見事成功。さらに捕らえられていた罪人を解放した。

ここまでは良かったが、その船にはシルヴィアが乗っていた。シルヴィアはデイヴが海賊と知って睨みつけた。デイヴはがっくり。シルヴィアはエルデンに断っていた結婚の話をオーケーする。

さて捕らえられていたのは罪人であるが、話を聞くとエルデンの悪政で借金に追い詰められていた人々である。彼らを船員にした。

エルデンやシルヴィアはディファイアンス号で去っていった。デイヴは涙をこらえて見送った。

◆ トルトゥーガに向かう

さてみんなは行く場所がないので、覚悟を決めて海賊の巣窟トルトゥーガに行くことにする。

ここで名だたる海賊船長たちに会った。

船長たちはデイヴが本物の海賊であるかテスト。黒髭と戦うことになった。布の両端を口に咥えたまま剣で争う。黒髭が布を離したのでデイヴの勝ちとなった。

アン・ボニーは「私の好みだ」と言ってデイヴの肩を抱いた。

◆ 知事は悪人だった

ここで植民地からの使者ジャイルズが来た。実はエルデンの手下。エルデンが掴んでいる船の運行情報を持って来た。

これを元に海賊が船を襲撃する。結果エルデンにも分け前が渡る。ジャイルズは「今回は花嫁衣裳を所望している。世界に一つのものだ」と伝えた。それはシルヴィアに着せるためである。

デイヴはエルデンの正体を掴んだ。シルヴィアを悪人の妻にすることはできない。デイヴはチャールストンに戻ることにした。

◆ チャールストンに向かう

船長たちはジャイルズの黒幕がエルデンであるとは知らなかったようである。

船長たちは「我々の儲けが少なくて、エルデンが大儲けしている」と怒った。

デイヴは「チャールストンを攻めよう」と提案するが、船長たちは「勝ち目がない」と反対する。

アンだけは賛成したが、二人でチャールストンに向かった。

◆ 結婚式(エルデンとシルヴィア)

シルヴィアは結婚式を前にしてウキウキ状態。

明日は結婚式で、パーティが行われた。ジェフリー・メリウェザー卿が現れた。実はデイヴの変装。

ニコニコしてエルデンとシルヴィアに挨拶するが二人は不審な顔。デイヴは、わざと間違えてモントローズ夫人に「これは美しい花嫁」と言う。シルヴィアはイライラ。間違いを指摘されるとシルヴィアに「お年なのにお幸せで」と皮肉。

シルヴィアをダンスに誘う。そこでシルヴィアはデイヴに気が付く。シルヴィアは怒るが、ともあれ二人きりで話すことになる。

「エルデンと結婚するな」「勝手なこと言わないで」と小競り合い。「エルデンが海賊の黒幕」と話す。最初は信じないが、デイヴがどんな花嫁衣裳かを当てるとシルヴィアは信じる。

◆ デイヴは捕らえられるが望遠鏡でごまかす

さてここでエルデンなどが入ってきた。二人は剣で戦う。そこでシルヴィアが倒れた。実は気絶したふり。。エルデンがシルヴィアに駆け寄るが、その間にデイヴは逃亡。しかし捕らえられた。地下牢に直行。

シルヴィアは外に出る。そこにはデイヴの船(サザンジプシー号)の部下たち。「デイヴを取り返そう」と話をするが「警備が厳重で不可能」という結論。シルヴィアには「デイヴは諦めろ」と言う。

しかしいいアイデアが出された。これは秘密。シルヴィアは一人で牢に行く。

牢の中で二人は会う。「誰とも結婚しないわ」とキスをして、シルヴィアは立ち去った。そして望遠鏡を置いて行った。

エルデンがきた。デイヴはシルヴィアが置いていった望遠鏡を渡す。エルデンは海を見る。注、地下牢なのに海が見えるのも変だけど。

すると海上にはたくさんの海賊船が見えた。「ありえない」「トルトゥーガの海賊だ」。エルデンは慌てる。

デイヴはエルデンの罪状を記した書面にサインを迫る。エルデンが渋るので「彼らが砲撃すれば、この町は終わりだ」と急かす。エルデンはサインした。

サインを貰ってデイヴは「海賊に知らせに行く」と地下牢を出る。残ったエルデンは望遠鏡を調べて、海賊船は望遠鏡のレンズに描かれた絵であることが分かった。「ヤツを捕まえろっ!」と叫ぶ。

◆ 海賊たちが助けに来た

町では兵士が探し回っている。デイヴは隠れている。モントローズの船を訪ねた。

しかしそこではエルデンがモントローズに拳銃を突き付けていた。エルデンは二人とも殺すつもりである。

エルデンはモントローズに拳銃を向けた。

しかしここで海賊たちが侵入してきた。デイヴとエルデンが剣で戦う。海賊たちも戦いに加わる。

エルデンは海に落ちて、戦いは勝利した。

◆ 結婚式(デイヴとシルヴィア)

海賊たちはエルデンを退治した功績により、国王から恩赦された。しかし海賊たちは、廃業するので少しさみしそうでもある。

酒場で二人の結婚式が行われた。
 


■ 出演作

◆ ウィル・ギア
(1939)大平原/Union Pacific
(1948)海の呼ぶ声/Deep Water
(1948)秘境/Lust for Gold
(1950)折れた矢/Broken Arrow
(1950)ウィンチェスター銃'73/Winchester '73
(1950)テキサスから来た男/The Kid from Texas
(1950)コマンチ族の怒り/Comanche Territory
(1968)バンドレロ/Bandolero!
(1951)血に飢えたデイヴ/Double Crossbones

◆ ジョン・エメリー
(1945)白い恐怖/Spellbound
(1945)海賊バラクーダ/The Spanish Main

◆ スタンリー・ローガン
(1936)進め龍騎兵/The Charge of the Light Brigade

◆ キャスリン・ギヴニー
(1954)愛の泉/Three Coins in The Fountain
(1949)陽の当たる場所/A Place in the Sun

◆ チャールズ・マッグロー
(1942)不死の怪物/The Undying Monster
(1946)殺人者/The Killers
(1947)真昼の暴動/Brute Force
(1951)替え玉殺人計画/His Kind of Woman
(1952)その女を殺せ/THE NARROW MARGIN
(1971)ジョニーは戦場へ行った Johnny Got His Gun
(1958)手錠のままの脱獄/The Defiant Ones
(1947)Tメン/T-Men

◆ ロバート・バラット
(1951)遠い太鼓/Distant Drums
(1949)カナダ平原/Canadian Pacific
(1947)大草原/The Sea of Grass
(1935)海賊ブラッド/Captain Blood
(1936)進め龍騎兵/The Charge of the Light Brigade

◆ アラン・ネイピア
(1944)恐怖省/Ministry of Fear
(1944)呪いの家
(1953)悲恋の王女エリザベス/Young Bess
(1951)追いはぎ/The Highwayman
(1947)永遠のアンバー/Forever Amber
(1950)大城塞/Tripoli
(1946)船乗りシンバッドの冒険/Sinbad the Sailor(1946)
(1945)戦慄の調べ/Hangover Square
(1947)心の旅路/Random Harvest
(1949)裏切りの街角/Criss Cross