Apache

ついにジェロニモが降伏した。しかしマサイはまだ戦った。マサイは捕らえられてジェロニモと一緒にフロリダに送られた。
しかし途中で脱出した。居留地に向かった。途中でチェロキーに会い「農業をすればよい」と種を貰った。
居留地に着いたが、騙されて、また捕らえられた。フロリダに送られようとしたが、また脱出した。
その後は、騎兵隊や裏切ったアパッチたちにゲリラ闘争を行った。恋人のナリンリも一緒についてきた。
その後は闘争を止めて、定住して農業を始めた。ナリンリは妊娠した。
しかし騎兵隊に居場所を発見されて取り囲まれた。ナリンの陣痛が始まった。


映画関連目次(闇雲映画館)

製作:1954年、監督:ロバート・アルドリッチ


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 マサイ(バート・ランカスター)
 ナリンリ(ジーン・ピーターズ)
 ジェロニモ(モンテ・ブルー)
 サントス(ポール・ギルフォイル)

先住民が登場する西部劇映画は、多くが白人の立場から表現したものだが、本作は先住民の立場から描かれている。
 


■ あらすじ

◆ ジェロニモが降伏した

ついにジェロニモが降伏した。ジェロニモなどが隊列を組んでゆっくりと進んでいく。騎兵隊が包囲し銃を構えている。「本当に降伏するのかっ!?」とまだ半信半疑である。

これに不満なマサイは馬に乗ってきて、騎兵隊にライフル銃を発射した。しばらく撃ち合った後に落馬し岩山に逃げた。騎兵隊が迫ってくる。

そこにナリンリが来た。ナリンリはマサイに「降伏すれば命は助かる」と説得する。マサイは応じない。するとナリンリはライフル弾のベルトをマサイに渡した。

マサイはさらに銃撃戦を展開するが、ついに包囲されて捕らえられた。

◆ フロリダへ送られる

ジェロニモなどが居留地から列車でフロリダへ送られる。叛乱の芽を摘むためである。マサイも送られる。

居留地に残る多数のアパッチ族が見送る。

ナリンリは列車に乗り込もうとしているマサイに水を飲ませるために柄杓を口元に持って行った。その隙にナイフをマサイの脇に隠した。しかしその場で見つかりナイフは没収された。

ジェロニモの後はナリンリの父親のサントスが酋長となった。しかしサントスはすでに酒に溺れている。

◆ 脱出する

アパッチ族の一団が列車の席に座っている。みんな両手に手錠がかけられている。ジェロニモとマサイは隣同士。

セントルイスでメディアの一団が乗ってきた。本件を取材するためである。写真も撮られる。

一段落したところで、護送の責任者がジェロニモと並んだ写真を撮ることになる。マサイは起立させられる。

写真を撮り終わり、マサイの席には別の人間が座った。列車は発車した。

マサイは、その隙に列車を降りた。列車のすぐ脇に寝そべって、手錠の鎖をレールの上に置いた。列車が発車し車輪で鎖が切れた。

◆ チェロキーと会う

マサイは、町を通り山を越え荒野を走り川を渡って居留地を目指した。

厩に入って馬の餌をかじっていた。そこに男性が入ってきた。マサイはナイフを構えた。

先住民である。その男性は落ち着いて、マサイにナイフをしまうように言った。チェロキーとのこと。

その家は白人の家と同じように作られていた。白人と同じような生活をしているようであった。カロライナ→テネシー→オクラハマと移動してきたそうである。

その男性は「農業をやれば安定した暮らしができる。白人と共存できる」と語った。しかしマサイにとっては受け入れがたいことである。

その男性は「この家に住んでよい」と言った。しかしマサイが居留地に戻る意思を示すと、トウモロコシの種が入った袋をプレゼントしてくれた。

◆ 居留地に戻った

マサイは再び居留地を目指した。太陽にさらされ、雨が降り、雪が降った。

居留地に戻った。ちょうどナリンリを見かけた。ある男性に求婚されている。

騎兵隊の指示のもとに多くの人が作業している/させられている。マサイは貰ってきた種の袋を見つめた。

サントスとナリンリは、自分たちのテントに入った。そこにはマサイがいた。マサイは「みんなは誇りを忘れた」という話をした。そして持ってきた種を見せて「みんなを集めてくれ」と言った。農業について説明するつもり。

サントスは「ゆっくり休め」と言った。疲れていたマサイは眠り込んだ。

しかし突然叩き起こされて捕らえられた。サントスが裏切った。その間ナリンリはマサイを助けないように外で縛られていた。

◆ ナリンリが騎兵隊に行く

ナリンリは居留地の中の騎兵隊のオフィスに出かけた。マサイが持ってきた種の袋を見せた。

応対した人物は「(マサイを)釈放させたいのか?」「そのとおり」「考えておく」「嘘ね」。ナリンリはオフィスから出ていった。

「彼らは農業はできない」「やらせるとマサイの元にみんなが団結してしまう」という話をしている。

◆ またフロリダへ、また脱出した

マサイと後三人がフロリダへ連れていかれる。鉄道駅までは馬車となる。

四人は足かせと手錠をかけられて馬車の後部に後ろ向きに座る。二人の騎兵隊員が乗る。

急な坂道を越えなければならないので歩かされることになる。そのために足枷が外される。四人は馬車の後を歩いていく。

突然一人が逃げ出した。二人は射撃する。一人は拳銃、一人はライフル。

マサイは拳銃を持っている隊員に後ろからしがみつく。そして拳銃を奪ってもう一人を射殺。その隊員も射殺する。

カギを奪って三人の手錠を外した。二人は「一緒に行こう」と言うが、マサイは別れた。

◆ ゲリラ戦を展開する

マサイは追っ手を警戒しながら居留地を目指した。追手が来たので、岩山の上から射撃する。

電信線を切断する。すると騎兵隊は鏡でモールス信号を送った。マサイはそれをライフルで狙う。

鉄道の橋を破壊する、騎兵隊の宿舎を狙撃する、火薬庫に火を放つ、馬を驚かせて解き放った。神出鬼没の活躍で騎兵隊は大混乱。

◆ マサイが戻った

居留地では「マサイが戻った」との噂が流れる。サントスは「殺される」と怖がっている。

マサイがテントに現れサントスに「娘は預かる」と言ってナリンリを連れ出した。

マサイはナリンリを後ろに乗せて馬を走らせる。ナリンリは一応誘拐されたのだが、特に抵抗はしないで一緒に行く。

騎兵隊が追いかける。

ナリンリは疲労困憊している。川を渡って足跡を消す。ナリンリを遠くにいけないように(緩く)ロープで縛った。

マサイが出発しようとするので「父を殺しに行くのね」と言う。

マサイは、サントスを殺しに行ったのではなく、またゲリラ戦を展開する。

適当なところで撤退して戻ってきた。ナリンリのロープを外して、また馬に乗っていく。

◆ 「私を撃ちなさい」

岩山のふもとで休んでいる。ナリンリ「もう動けない」と言う。

マサイがライフルを微妙に構えているので「私を殺すの?」と言う。続けて「あなたと一緒に死ねるなら本望と思った。昔は仲間を思いやる心かあった。しかし今は憎悪だけ、復讐のためだけ」。

「私を撃ちなさい」。

相変わらず騎兵隊が追跡している。「女の足跡だ。隠れ家が近い」と話している。「ここで待とう」といろいろなところに隠れて配置に着く。

ナリンリが岩の上から追跡隊を見つめている。マサイがそばに来た。ナリンリは追跡隊が待ち伏せしていることを知らせる。

マサイが逆に追跡隊を一人ずつ襲撃した。

◆ 二人はまた喧嘩して仲直り

二人は現場を離脱した。

安全なところに来るとナリンリは「銃が突き付けられている」。「突き付けてない」「心に銃を持ってる」「なぜ危険を知らせた(注、先ほど追跡隊の動向を知らせたこと)」「あなたを助けるため」と展開する。

マサイは出かける用意をした。ナリンリが「一緒に行く」と言うと「居留区に戻れ、ついてくるな」。

ナリンリの靴を奪って捨てた。それでもナリンリがついて来ようとする。

それを見てマサイはナリンリを抱きしめる。一緒にいくことにした。「白人やアパッチ、みんな俺の敵、いつかは殺される」「その時まで一緒にいる」。

◆ ナリンリが妊娠した

上記の場面より、わりと時間が経過している。

その後二人は一緒に住み始めた。以前と違って定住している。

ナリンリが薪を運んできた。マサイは寝ている。二人でふざけて殴り合った。そして抱き合った。ナリンリが耳元でささやいた。「もう一人のマサイができる」。

下の方をみると鹿狩りが来た。これを見て「もうすぐ追手が来るのでは?」と考えて二人は出発した。

ナリンリは「私を居留地に帰らせるつもりね」と疑うが、マサイは「西の山に行こう」と言った。

◆ 種が発芽した

二人は別の場所に移動して小屋を作って住んでいる。

マサイが戻ってきた。今日の獲物はウサギだけ。銃を使うと音がするので使えない。

「放浪していた時は自由に撃てた」「戦いを止めれば」「それはできない」「雪が解けたら、居留区に連れていく」「いや。あなたとチェロキーのような生活をする」。ここでマサイはナリンリが持っていた種(の一部)を投げ捨てる。元はチェロキーから貰った種。

これからしばらく時間経過がある。

マサイが出発の準備をしている。またどこかへ移動するつもりのようである。注、理由は明らかにされない。

ナリンリが(マサイが投げ捨てた)種が発芽しているのを発見する。「ここに残れとの知らせよ」「彼らは必ず来る」。

ナリンリは「戻るわね」と確認すると「戻ってくる」と約束して出ていく。

◆ 畑を作る

ナリンリは畑を作り始めた。マサイも協力して一緒に作業する。固い土を掘り返して柔らかくする。種を撒く。

ナリンリが里(居留地ではない)に下りて種を盗んできた、ズボンと上着も盗んできた。盗んできた種も植えた。

ナリンリのお腹がもう大きくなってきている。

◆ 手配された

居留地の騎兵隊の責任者が里の店に来た。店主が服と種が盗まれたことを話している。店主は「インディアンは種を盗まない」という話をした。

しかし責任者はナリンリがトウモロコシの種を持ってきたことを思い出した。その場で騎兵隊の砦に伝令を依頼した。

◆ 生まれた

マサイは弓でシカを狙っていたがシカは逃げ出した。その時騎兵隊が近づいてきたのに気がついた。

家に戻った。ナリンリはすでに陣痛が始まっている。「きっと男の子よ」。

マサイは騎兵隊のことは言わなかったが、ナリンリはマサイの表情からそれが分かった。

「彼らは畑を見つけるだろう」「なぜ戻ったの?」「ここが家だ」「逃げて。私と子供は大丈夫」「何も言うな」。

マサイは家から出て、岩の上から騎兵隊を迎え撃った。敵の中に飛び込んで倒した。

そして家の前のトウモロコシ畑に隠れた。それなりの面積がある。トウモロコシは成長している。

騎兵隊は畑を包囲した。少しずつ包囲網が狭められる。

まさにマサイに銃が向けられようとした時、赤ん坊の泣き声が聞こえた。

マサイは立ち上がった。司令官は「撃つな!」と叫んだ。

マサイは家に近づいていく。司令官は「アパッチが初めて畑を作った。戦いは終わった」。マサイは家に入った。
 


■ 出演作

バート・ランカスター
(1947)真昼の暴動/Brute Force
(1947)暗黒街の復讐/I Walk Alone
(1948)私は殺される/SORRY, WRONG NUMBER
(1949)裏切りの街角/Criss Cross
(1952)真紅の盗賊/The Crimson Pirate
(1953)白人酋長/His Majesty O'Keefe
(1954)アパッチ/Apache
(1957)OK牧場の決斗/Gunfight at the O.K. Corral
(1960)許されざる者/The Unforgiven
(1960)エルマー・ガントリー/魅せられた男/Elmer Gantry
(1951)復讐の谷/VENGEANCE VALLEY
(1961)明日なき十代/The Young Savages
(1950)美女と老人と偽札/Mister 880
旅路:シーズンオフの海辺のホテルで展開する人間模様/Separate Tables
(1960)許されざる者:妹は先住民の娘なのか?/The Unforgiven
(1956)空中ブランコ:驚異の三回転/Trapeze

ジーン・ピーターズ
(1948)海の呼ぶ声/Deep Water/漁師とケースワーカーと孤児
(1948)征服への道/Captain from Casile/恋人ともに新大陸に渡る
(1950)Love That Brute/ギャング・ロマンティック・コメディ
(1951)女海賊アン/Anne of the Indies/捕虜を救って好きになったが裏切られる
(1952)革命児サパタ/Viva Zapata!/メキシコ革命、伝記映画
(1952)人生模様/最後の一葉/O. Henry's Full House/吹雪の中を歩いて肺炎に
(1952)ジャングルの逃亡者/Lure of the Wilderness/冤罪で逃亡し沼地で暮らす
(1953)拾った女/Pickup on South street/スパイ組織との対決
(1953)ナイアガラ/Niagara/殺人犯と一緒に滝に流される
(1953)ヴィッキー/モデル殺人事件/Vicki/ハリウッドに進出しようとしたが殺された
(1954)アパッチ/Apache/ジェロニモ降伏後も白人と戦う
(1954)愛の泉/Three Coins in The Fountain/ローマでのアメリカ人女性三人の恋愛模様