■ Love That Brute
歌手志望のルースは男やもめのエドの元で彼の子供の面倒を見ることになった。
さらにエドの店で歌手となって活躍した。しかし本当はエドは独身で、だがギャングで何人も殺している。
それを知ったルースは出て行こうとするが、エドの部下がエドの真実を話した。
製作年:1950、監督:Alexander Hall、脚本:Karl Tunberg、Darrell Ware、John Lee Mahin
■ はじめに
本作はコメディ。「ギャング・ロマンティック・コメディ/gangster romantic comedy」と紹介されている。それはなんだ??「(1941)Tall, Dark and Handsome」のリメイク。
本作でルース=ジーンが歌っている。とても洒落ている。必見っ!
登場人物(キャスト)
ルース・マニング(ジーン・ピーターズ) 歌手
E.L.ハンリー(ポール・ダグラス) ギャング、通称エド
バグジー・ウェルチ(キーナン・ウィン) エドの部下
ハリー・ザ・キッド・Jr.(ビーター・プライス) エドの偽の子供
マミー・セイジ(ジョーン・デイヴィス) エドのメイド
ビフ・セイジ(Jay C. Flippen) マミーの夫
プリティー・ウィリー(シーザー・ロメロ) エドと対立するギャング
クインティン(アーサー・トリーチャー) ウィリーの部下
チャーリー刑事(バリー・ケリー)
■ あらすじ
◆ 殺人事件が発生
シカゴ、1928年、クリスマスが近い。二人のギャングがある店を襲った。店主はスキをみて拳銃を取り出して反撃した。結果、三人が死亡した。
そこにギャングE.L.ハンリー通称エドの部下のバクジー・ウェルチが来て、三人の胸に白いカーネーションの花を置いた。
白いカーネーションはエドのシンボルなので警察はエドを探した。
◆ エドはルースに出会った。
エドは公園にいた。警察が来て事情聴取したが、アリバイがあり取り合えず逮捕できない。
突然、エドの頭に、近くで雪合戦をしている子供の雪が当たった。子供の面倒を見ている女性が申し訳なさそうに謝りにきた。
エドは年甲斐もなく、その女性に見とれた。念のために言っておけばエドは独身である。
話を聞くと、名前はルース・マニング、歌手を目指してシカゴに来たが、とりあえず施設にいる子供の面倒を見る仕事とのこと。
◆ ルースはエドの元で働く
エドはルースに対して斬新な提案をした。自分は男やもめで息子がいる。息子の面倒を見てくれ。給料は今までの三倍。
これだけの条件を出されると断る理由がなく、ルースは引き受けた。
エドはバグジーに、適当な子供を探すように命令した。
◆ ハリー・ザ・キッド・Jr.
連れてこられた子供はハリー・ザ・キッド・Jr.という、いかにも生意気な子供である。補足、ハリーがどこから連れてこられたかは不明。
しかしルースとは気が合ったようである。ルースはエドの屋敷で働き始めた。
気をよくしたエドはクリスマス・イヴに高価なコートをルースにプレゼントした。
しかしルースはこの行為に猛然と怒った。エドに対して早口でまくし立てた。エドはびっくりして防戦一方である。
しかし「ハリーの学校が見つかるまで」ということでとりあえずルースは残った。
補足。ルースが猛烈な勢いで喋ってエドが防戦するという状況は数回発生する。本作の特徴になっている。
◆ エド vs ウィリー
次の日、エドの屋敷は、エドの宿敵のウィリーの手下に取り囲まれた。
ルースは警察に連絡しようとしたが、メイドのマミー・セイジに止められた。理由はマミーはエドの正体が警察に知られるのを恐れたからである。
エドとウィリーはお互いに邪魔をしないように休戦協定を結んだ。
◆ ルースは歌手になった。
しばらくの時間が経過。
ハリーは陸軍士官学校に入学する。補足。ハリーは、明らかにそのような年齢ではないが、入学するストーリーになっている。
そしてルースは念願の歌手になった。エドが経営するクラブで歌った。エドは引き続きルースに歌手をしてもらいたいと考えた。
ここでルースは数人の男性をバックに歌とダンスを披露する。非常に洒落た素晴らしいものである。ここだけでも本作を見る価値がある。ジーン・ピーターズは「Vicky(1953)」でも歌手をしている。
ここにはウィリーも来ている。実はウィリーもルースに好意を持っている。ウィリーはルースに「エドは残虐な殺人者」と吹き込んだ。
エドとウィリーの間の抗争でウィリーの手下が何人も行方不明になっていた。
なので「吹き込んだ」というのは嘘でウィリーはエドが本当の殺人者と思っていた。
ルースはウィリーの話を信じた。
◆ エドは殺人者ではなかった
バグジーはルースのエドに対する誤解を解くために、エドの屋敷のある部屋のロッカーの後ろにある隠しドアを開けてルースを案内した。
階段を下りていく。中には行方不明になったウィリーの手下たちかいた。エドは殺人者ではなかった。
ルースはエドに対する誤解を解消した。
◆ エドは殺された
エドのクラブ。エドやウィリーがいる。解放されたウィリーの手下たちがきた。
ウィリーはエドに拳銃を突き付けて連れ出した。森の中に行って、手下たちにエドを殺すように指示した。
手下の二人はエドを連れて消えた。拳銃の音が二発聞こえた。エドは殺された。
実は拳銃を上に向けて撃っていてエドは殺されてない。
◆ エドの葬式が行われた
墓地。エドの遺体が埋葬されようとしている。ルースやウィリーなどがいる。
そこにエドと警察が現れた。ウィリーが逮捕された。何の容疑だか不明だが。
◆ 二人は結婚した
船が出発する。ルース、バグジー、ハリーが乗っている。出発間際にエドが走りこんできた。
船は出航した。エドとルースは結婚した。
■ 出演作
◆ ポール・ダグラス
(1951)14時間の恐怖/Fourteen Hours
◆ ジーン・ピーターズ
(1948)海の呼ぶ声/Deep Water/漁師とケースワーカーと孤児
(1948)征服への道/Captain from Casile/恋人ともに新大陸に渡る
(1950)Love That Brute/ギャング・ロマンティック・コメディ
(1951)女海賊アン/Anne of the Indies/捕虜を救って好きになったが裏切られる
(1952)革命児サパタ/Viva Zapata!/メキシコ革命、伝記映画
(1952)人生模様/最後の一葉/O. Henry's Full House/吹雪の中を歩いて肺炎に
(1952)ジャングルの逃亡者/Lure of the Wilderness/冤罪で逃亡し沼地で暮らす
(1953)拾った女/Pickup on South street/スパイ組織との対決
(1953)ナイアガラ/Niagara/殺人犯と一緒に滝に流される
(1953)ヴィッキー/モデル殺人事件/Vicki/ハリウッドに進出しようとしたが殺された
(1954)アパッチ/Apache/ジェロニモ降伏後も白人と戦う
(1954)愛の泉/Three Coins in The Fountain/ローマでのアメリカ人女性三人の恋愛模様