■ Fourteen Hours
男性がホテルの15階から飛び降りようとしている。
警察は必死の説得を行い、下では野次馬が集まる。
製作年:1951、監督:Henry Hathaway、脚本:John Paxton、原作:The Man on the Ledge(Joel Sayre)
■ はじめに
登場人物(キャスト)
チャーリー・ダニガン(ポール・ダグラス) パトロール警官
ロバート・コシック(リチャード・ベイスハート) 自殺志願の男性
クリスティン・コシック(アグネス・ムーアヘッド) 母親
ポール・コシック(ロバート・ケイス) 父親、別居中
ヴァージニア・フォスター(バーバラ・ベル・ゲデス) 元婚約者
ルース(デブラ・パジェット) 野次馬
ダニー・クレップナー(ジェフリー・ハンター) 野次馬
ルイーズ・アン・フューラー(グレイス・ケリー) 野次馬、離婚調停中
Mr.フューラー(?) ルイーズの夫、離婚調停中
牧師(?)
本作のレヴューを見てみると、あまり評判がよろしくない。本作は、マジメな方には向いていないかもしれない。だが、皆さんには大丈夫だろう。私もマジメ人間だが、本作を見る時はキャラクタを切り替えることができる。
このようなタイプの映画にしては豪華キャスト。
■ あらすじ
◆ 15階の棚
ある朝、ニューヨークのホテル。15階の部屋の外の棚、ほんの数十センチの幅。
その上にある青年が立った。柵もなく、一歩踏み出せば地上に真っ逆さまの状態である。後で判明するが、名前はロバート・コシック。
それを発見したパトロール警官のチャーリー・ダニガンは、その部屋に駆けつけた。
チャーリーは必死の説得を試みた。ロバートはチャーリーに心を許したようだが、やはり棚の上に留まったままである。
チャーリーは上司の命令でいったん地上勤務に戻ったが、ロバートがチャーリーとしか話さないというので、再度ロバートに対応することになった。
◆ 野次馬
当然のことながら下には多数の野次馬が集まって騒いだ。
「ヤツがいつ飛び降りるか?」と賭けをやっている。野次馬を相手に食べ物や飲み物を売る者が現れた。
また怪しげな宗教的なメッセージを配布する者も現れた。
警察官が野次馬の整理をした。ハシゴ車が到着した。
◆ 家族と恋人
チャーリーが名前や素性を聞いた。それを元に警察は家族を探した。
まず母親が呼ばれた。母親も説得するが状況は変わらない。
別居中の父親も呼ばれた。しかし父親とは話したくないようである。
次には元婚約者のヴァージニアが呼ばれた。ヴァージニアとの間に何かあったようである。
しかし全体として状況は変わらない。
◆ 食事とシャワーと牧師
次第に時間が経過していく。
チャーリーの説得で「お腹がすいているだろう」ということで、食事とシャワーをすることになる。
チャーリーが部屋のカギを渡して部屋から出て行く。ロバートは部屋に戻ってカギを閉めて、食事とシャワーをすることになる。
食事が運び込まれて、チャーリーが出て行った。
ロバートが部屋に戻った。
だがしかし、どこから入り込んだのか牧師がソファの陰に隠れていた。牧師は自分の宗教信念に基づいて喋った。
ロバートはまた元の位置に戻ってしまった。
◆ ルースとダニー
ルースは出勤途中に同僚の女性と一緒に現場にぶつかった。
同僚は「仕事に遅れるわよ」と言ったが、ルースは「飛び降りたらどうするの?見れないでしょ」とその場に残った。
ルースのそばに、ダニーという男性が近づいた。このドサクサに紛れてルースに話しかけた。
いやいや、ルースもダニーが気に入ったようである。ルースはダニーの腕を抱えて上を見上げた。
◆ ルイーズ
ルイーズも現場を通りかかった。しかし大事な用事がある。
ホテルの前のビルに入った。弁護士の事務所がある。ちょうど問題の部屋が見えるところである。
ルイーズは離婚調停の最中。夫も来た。ルイーズと夫は睨みあった。
弁護士が書類を元に二人に話をする。だがしかし、ルイーズは通りを隔てたロバートの状況が気になるようである。
弁護士の話をそっちにのけて、窓際にへばりついた。夫の方も窓際にきた。
二人は手に手を取ってロバートを見た。
◆ 下の階から網を張る
警察も手をこまねいているわけではない。屋上からロープを下ろして警官を下ろそうとした。
しかしロバートに発見されて、ロバートは今にも飛び降りるような仕草をしたので失敗した。
さて時間も経過して夕方から夜になってきた。依然として野次馬は減らない。
暗くなってきたので、警察は14階に網を作って張り出した。万が一に飛び降りた時のためである。
◆ 転落したっ!
さてロバートも疲れたのか、飽きたのか、納得したのかは分からないが、部屋に戻ることにした。
棚から窓に近寄った。
だが、ここでバランスを崩して転落したっ!しかし下の階の網にキャッチされた。
野次馬から大拍手。警察は胸をなでおろした。
◆ まとめ
さて本事件の結果をまとめてみよう。
1.ロバートは自殺せずに助かった。
2.ロバートとヴァージニアはよりを戻した。
3.コシック夫妻もよりを戻した。
4.ルースとダニーは恋人同士となった。
5.フューラー夫妻もよりを戻した。
付け加えると警察やホテルは大迷惑を被ったが、野次馬はハラハラドキドキ、楽しい(?)時間を過ごした。
■ 出演作
◆ ポール・ダグラス
(1950)Love That Brute
(1949)春の珍事/It Happens Every Spring
◆ アグネス・ムーアヘッド
(1944)ジェーン・エア/Jane Eyre
(1945)夢のひととき/Her Highness and the Bellboy
(1948)/白衣の女/THE WOMAN IN WHITE
(1948)拳銃往来/Station West
(1950)女囚の掟/Caged
(1951)ショウ・ボート/Show Boat
(1964)ふるえて眠れ/Hush...Hush, Sweet Charlotte
◆ ロバート・ケイス
(1947)影なき殺人/Boomerang
(1959)コルドラへの道/They Came to Cordura
◆ バーバラ・ベル・ゲデス
(1949)魅せられて/Caught
◆ デブラ・パジェット
(1949)春の珍事/It Happens Every Spring
(1950)折れた矢/Broken Arrow
(1951)女海賊アン/Anne of the Indies
(1957)十戒/THE TEN COMMANDMENTS
(1956)やさしく愛して/Love Me Tender
(1954)ナイルの王女/Princess of the Nile
◆ ジェフリー・ハンター
(1952)ジャングルの逃亡者/Lure of the Wilderness
(1954)ナイルの王女/Princess of the Nile