Three Coins in the Fountain

ローマで働く三人のアメリカ人女性の恋愛模様
フランシスはアメリカ人作家シャドウェルの秘書を15年も続けている。ずっとシャドウェルのことを想っている。
マリアはローマに来てディノ公爵と知り合う。ディノことをいろいろ調べて接近する。
アニタはニューヨークに戻って結婚すると言っている。しかし....。


製作:1954年、脚本:ジョン・パトリック、監督:ジーン・ネグレスコ


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 バーゴイン(ハワード・セント・ジョン) U.S.D.A.局長
 バーゴイン夫人(キャスリン・ギヴニー)
 アニタ・ハッチンス(ジーン・ピータース) U.S.D.A.局員
 ジョルジオ・ビアンキ(ロッサノ・ブラッツィ) U.S.D.A.通訳
 マリア・ウイリアムズ(マギー・マクナマラ) 新入U.S.D.A.局員
 ディノ(ルイ・ジュールダン) 公爵
 フレデリック・シャドウェル(クリフトン・ウェッブ) アメリカ人作家
 フランシス(ドロシー・マクガイア) シャドウェルの秘書

U.S.D.A.:合衆国流通局
 


■ あらすじ

◆ マリアが到着

マリアは、ローマの「合衆国流通局(U.S.D.A.)」に勤務するために、ローマに来た。駅でマリアを迎えたのはアニタ。アニタはニューヨークに戻って結婚する予定である。マリアは交代要員。

二人は住居となるヴィラ・エデン(Villa Eden)に到着した。町を見下ろす丘にある立派な建物でメイドもいる。

アメリカ人作家のシャドウェルの秘書を15年間しているフランシスと一緒。

◆ 出勤

翌朝出勤の前に三人はトレヴィの泉に寄った。フランシスとマリアは泉を背にしてコインを投げ入れたが、アニタは帰国の予定なのでパス。

アニタとマリアはU.S.D.A.に行って上司のバーゴイン局長に紹介された。午後にはバーゴイン夫人主催のバーティがある。

二人のオフィスに翻訳者として働いているジョルジオが来た。もう少ししたらアニタと離れるので、少しばかり寂しそうである。マリアは「彼の手が震えていたわよ、彼はあなたが好き」と言った。アニタは「アメリカ人とイタリア人の交際は禁止」とルールを説明した。

一方フランシスはシャドウェルの自宅に行った。シャドウェルは徹夜したようで、久しぶりに仕事に熱中しているようである。午後にはバーゴイン夫人のバーティに出席する予定になっている。

◆ パーティ

パーティが開かれる。来客が次々と訪れる。アニタ、マリア、フランシスがヴェランダで外を見ながら話していた。

マリアがバッグを下に落としてしまい、アニタは、ちょうど訪れてきたディノにバッグを持ってきてくれるようにお願いした。

アニタはマリアに「わざとでしょ?」と言った後、二人は「女たらしだから、気をつけなさい」とマリアに忠告。ある程度は事実らしい。

ディノが上ってきて「僕の悪い噂をしてただろ、その半分でも事実なら、今頃はもっと幸福なんだ」と二人の反感を予期していたようなことを言う。

マリアが「いい人だわ」と言うと、二人は「それが罠なのよ」と答えた。

◆ ジョルジオと話す

バーティが終わってアニタとマリアが外を歩いている。マリアは「(ディノ以外の)他の男性には誰も声をかけられなかった」と話す。ここでアニタは「ニューヨークに戻って結婚するのは嘘。辞めるための口実」と明かした。

二人に通りがかりの若者が声をかけてくる。マリアはおしりを触られたらしい。

その若者に閉口しているとジョルジオが通りかかり助けてくれた。

三人は食事をした。ジョルジオとアニタは「二年も一緒に働いているのに、個人的に話をするのは初めて」とのこと。

ジョルジオは二人を自分の田舎に誘った。マリアは断った。アニタは、例の規則があるが、誘いに乗った。

◆ ジョルジオと田舎に行く

アニタをジョルジオが迎えにした。ジープみたいなごっつい車でジョルジオは「トラック」と言っている。友達らしい若者が数人一緒。

みんな陽気に歌いながら走っていく。いやそれより、ブレーキが利かず、クラクションもならないらしい。スピードは出さないが、かなり危うい。停車する時は、二三人が飛び降りて車を手で押さえる。

それともう一つ、二人が一緒に乗っているところをバーゴイン夫妻に目撃されてしまった。

◆ ジョルジオとアニタがキス

ジョルジオの実家に到着し家族に紹介された。大歓迎。町を見下ろす丘の木陰でバーティを開いた。20人くらい。とても景色が良い。

二人はみんなと少し離れたところで話す。ジョルジオは将来は弁護士になりたいらしい。そこでアニタは「結婚退職は嘘」とジョルジオに喋ってしまった。

二人は斜面に止めてあるトラックのところに行った。アニタが乗った。ジョルジオが前輪を止めてある材木を外した。しかしここでジョルジオが転んでしまった。

トラックはアニタを乗せたまま走り始めた。アニタは悲鳴を上げて必死でハンドル。ジョルジオは追いかける。

トラックは木にぶつかって停止した。ジョルジオが追いついてアニタを抱いて下ろす。ここで二人はキス。いや、ずいぶんと都合がいいな。

◆ ヴェニスに誘われる

マリアとフランシスがいるところにディノからマリアに電話。「(自家用機で)ヴェニスに行こう」。フランシスはそばで「断りなさい」と忠告。「日帰りなのよ」「プロペラが故障するのよ」。

しかしフランシスはなぜか「やっぱりオーケーすれば」と言って、ヴェニスに行くことになる。

さっそくディノが迎えに来た。そしてマリアのそばにフランシスも立っている。フランシスは自分も行きたくなったので、勧めたらしい。

フランシスは「迷惑かしら」と言うが、ディノは渋い顔をしながらも「とんでもない」と答える。

三人は飛行機に乗ってヴェニスに到着。ディノの案内でいろいろと見て回った。三人の前にヴェニスの美しい景色が展開した。

食事をしてディノが席を外した時にフランシスは「(私が来たので)怒ってるみたい」と言う。

◆ ジョルジオが解雇される

アニタとジョルジオもローマに戻り、フランシスとマリアも戻った。

マリアはバーゴインに呼び出された。そしてアニタとジョルジオのことについて聞かれた。注、なぜアニタやジョルジオではないのかは、かなり不思議。

ここでマリアは、アニタの結婚退職が嘘であることを、思わず喋ってしまった。

◆ アニタはジョルジオのところに行く

アニタはマリアが結婚偽装の件をバーゴインにばらしたことを怒っている。そして「どうせもう数日」とヴィラ・エデンを出ていく準備をしている。

アニタは荷物を持ってジョルジオを訪ねていった。

ジョルジオは「入ってはいけない」と言ったがアニタは「入れて」と言って部屋に入った。

「首になったのね、どうするの?」「仕事を探す、ダメなら田舎に帰る」「首を取り消させる」。

「帰国するまで一緒にいていい?」とアニタからキス。「婚約者がいるんだろ」「嘘よ」と展開する。

◆ マリアの作戦

マリアはフランシスにディノが好きなことを話した。フランシスは「ディノのことを調べて話を合わせるのよ」とアドヴァイス。

イタリアでは母親に会わせてもらえば、結婚のサインらしい。

マリアはまずフランシスからディノの好きな絵画の傾向について聞いた。ディノの行きつけのレストランに行って「彼のためにパーティを開くの」と好きな料理やワインを聞き出す。音楽もイタリアオペラが好きなことを把握した。

マリアは「新印象主義、色彩の調和、、、、」と呪文のように唱えて復習しながらディノがいる美術館に入った。

ディノはマリアと絵画の趣味が一致することに驚いた。会話が深くなってついていけなくなったので、マリアは「この絵は宇宙を感じさせるわ」と適当に喋ると、これにもディノは感心した。

レストランに行って食事をした。そしてオペラを見た。マリアの作戦は大成功した。

ディノは「母親に会ってほしい」と切り出した。

◆ マリアはディノに嘘を白状する

二人はディノの母親に会いに行った。立派な屋敷。

もう少しボケているかもという雰囲気ではあるが、上品で優しそうな女性である。

マリアは、ディノの母親にも気に入られた。二人きりで話した。母親はディノに「素晴らしい娘さんね」と言った。

二人は屋敷を出て、ディノの車の座席に座った。

ここでマリアは「話すことがあるの」と切り出して、マリアがディノに気に入られるために工作をしたことをばらした。ディノのことを調べて書き留めたメモも見せた。

ディノは不機嫌な顔になってギアを入れた。

マリアはアメリカに戻る決心をした。

◆ シャドウェルがフランシスにプロポーズ

さてフランシスもアメリカに戻る決心をした。ストレートに言えば15年間もシャドウェルの秘書をしていて人生に展望がないからである。

シャドウェルがフランシスに「元気がないな」と言うと「アメリカに帰る」と切り出した。

シャドウェルは「私はどうなる?」と若干利己的な反応をするが、フランシスの決意は変わらない。「ニューヨークに行けば素敵な男性がいるかも」。

ここで突然シャドウェルはフランシスにプロポーズする。フランシスは「本気なのね」と言った後オーケーする。

◆ しかしシャドウェルはプロポーズを取り消す

次の場面はシャドウェルが病院で診察の結果を聞くところ。

シャドウェルの命はもうあまりないようである。シャドウェル自身は、わりとさばさばしている。

シャドウェルは領事館に行って「遺体をアメリカに運ぶにはどうすればよいか?」と問い合わせる。

さてシャドウェルは、事情を話さずにフランシスに「結婚のことは、まさか本気にしてないだろうな」と言い放つ。フランシスは呆然。そして「帰国手続きをしなさい」と追い打ちをかけた。

◆ フランシス酔っ払い事件

シャドウェルはレストランに来て「スコッチをダブルで6杯」と大胆な注文をする。

そこへフランシスがきた。「病院から電話がありました」。しかしシャドウェルは「それとは関係ない」と突っぱねる。

フランシスは隣のテーブルに席を取って「スコッチをダブルで6杯」を注文した。運ばれてきた一杯をグイっと飲み干した。アルコールに強くないフランシスはせき込んだ。さらにもう一杯。

フランシスは酔っぱらって外に出た。公園の池の中に入り込んで、その中で座り込んで喚いた。

シャドウェルが来て、フランシスを水から上げる。フランシスは酔っぱらっていろいろ喋る。

そこでフランシスは酔っぱらいながらも、マリアとディノのこと、アニタとジョルジオのことを喋った。

◆ ディノのところにシャドウェルがくる

ディノの屋敷にシャドウェルが来た。自身の本の初版本をディノに進呈するという。

シャドウェルは「アメリカに帰って結婚する」と先ほどとは違うことを喋る。「フランシスか?」「そうだ。なぜ分かる」「ローマ中が、彼女の気持ちに気がついていた」と展開した。

シャドウェルは本題に入る。「マリアからうまく逃げたな」「ローマ中が知っている、結婚を企んでいた」。

二人で意気投合してマリアのことをめちゃくちゃに言う。

最後に「君が不幸にならずによかった」と言って立ち上がり「彼女はアメリカに戻る。二度と会わなくて済む」と言って立ち去った。

屋敷から出たシャドウェルは運転手に「バーゴインのところへ」と指示した。

◆ トレヴィに行く

マリアはバッグに荷物を詰めている。アニタもバッグに荷物を詰めている。電話がなった。フランシス。

フランシスが二人をトレヴィに誘った。

マリアとアニタはトレヴィに行った。しかし清掃中ということで、水がでていない。

フランシスがきた。ここで清掃が終わり水が出始めた。

ディノが現れた。マリアと腕を組む。シャドウェルが来た。フランシスと腕を組む。

そしてジョルジオが来た。解雇が撤回されたとのこと。アニタと腕を組んだ。
 


■ 出演作

ドロシー・マクガイア
(1946)らせん階段/The Spiral Staircase
(1951)幻のカウボーイ/Callaway Went Thataway
(1954)蛇のような男/Make Haste To Live
(1950)美女と老人と偽札/Mister 880

ルイ・ジュールダン
(1947)パラダイン夫人の恋/The Paradine Case
(1948)忘れじの面影/Letter from an Unknown Woman
(1951)女海賊アン/Anne of the Indies
(1952)幸福の時間/ビビとペギー/The Happy Time
(1953)デカメロン夜話(海賊パガニノ、道徳の賭け、医師の娘)/Decameron Nights
(1951)南海の劫火、極楽鳥/Bird of Paradise
(1966)メイド・イン・パリ/Made in Paris

ジーン・ピーターズ
(1948)海の呼ぶ声/Deep Water/漁師とケースワーカーと孤児
(1948)征服への道/Captain from Casile/恋人ともに新大陸に渡る
(1950)Love That Brute/ギャング・ロマンティック・コメディ
(1951)女海賊アン/Anne of the Indies/捕虜を救って好きになったが裏切られる
(1952)革命児サパタ/Viva Zapata!/メキシコ革命、伝記映画
(1952)人生模様/最後の一葉/O. Henry's Full House/吹雪の中を歩いて肺炎に
(1952)ジャングルの逃亡者/Lure of the Wilderness/冤罪で逃亡し沼地で暮らす
(1953)拾った女/Pickup on South street/スパイ組織との対決
(1953)ナイアガラ/Niagara/殺人犯と一緒に滝に流される
(1953)ヴィッキー/モデル殺人事件/Vicki/ハリウッドに進出しようとしたが殺された
(1954)アパッチ/Apache/ジェロニモ降伏後も白人と戦う