2025年度用偏差値 女子校編
昨日に続いて、サピックス最新偏差値表についてのまとめです。
2021年9月から2024年4月への推移を表にしてみていきます。
↓男子校編はこちら
下記で｢21/9｣とあるのは2021年9月の偏差値で、2022年受験用となります。｢24/4｣とあるのが最新版(2025年受験用)の偏差値となります。
また、今回から｢21→24｣として、この4年の変化の値を表にして出してみました。
サピックスの最新偏差値で53以上の女子校で、単科入試などの特殊な入試形態は含んでいません。
| 21/9 | 22/9 | 差 | 23/4 | 差 | 24/4 | 差 | 21→24 | |
| 女子校 | ||||||||
| 桜蔭 | 62 | 62 | 0 | 62 | 0 | 63 | 1 | 1 |
| 豊島② | 62 | 63 | 1 | 63 | 0 | 63 | 0 | 1 |
| 豊島③ | 62 | 63 | 1 | 63 | 0 | 62 | -1 | 0 |
| 豊島① | 61 | 61 | 0 | 61 | 0 | 62 | 1 | 1 |
| JG | 61 | 61 | 0 | 61 | 0 | 61 | 0 | 0 |
| 鴎友② | 59 | 59 | 0 | 58 | -1 | 58 | 0 | -1 |
| 双葉 | 58 | 58 | 0 | 59 | 1 | 58 | -1 | 0 |
| 洗足② | 57 | 58 | 1 | 57 | -1 | 58 | 1 | 1 |
| 洗足① | 56 | 57 | 1 | 57 | 0 | 58 | 1 | 2 |
| 浦明① | 56 | 57 | 1 | 57 | 0 | 57 | 0 | 1 |
| 吉祥② | 56 | 56 | 0 | 57 | 1 | 57 | 0 | 1 |
| 洗足③ | 57 | 58 | 1 | 57 | -1 | 56 | -1 | -1 |
| 吉祥① | 53 | 54 | 1 | 54 | 0 | 55 | 1 | 2 |
| お茶 | 57 | 56 | -1 | 55 | -1 | 54 | -1 | -3 |
| 鴎友① | 53 | 52 | -1 | 52 | 0 | 53 | 1 | 0 |
| フェリ | 55 | 55 | 0 | 54 | -1 | 53 | -1 | -2 |
| 白百合 | 54 | 55 | 1 | 55 | 0 | 53 | -2 | -1 |
雑感
白百合の2ノッチ減
細かい上下はあるものの、単年で1ノッチの上下はよくあることですので、大幅変動に着目しましょう。男子校でいくつか見られた2ノッチ変化した学校は、女子校では白百合のみです。
白百合は2ノッチ低下しています。これはなかなか由々しき事態のように思います。ただ2021年比では1ノッチ減ですので、ここで踏みとどまるかどうかが注目されます。
白百合は2月2日入試ですが、同日に入試を行うライバル女子校は洗足②、吉祥②あたりになりますでしょうか。両校とも偏差値が上昇しており、人気が白百合→洗足・吉祥に移行している傾向があるように見えます。
2021→2024で洗足①・吉祥①が2ノッチ増
他方、4年のスパンで確認しますと、洗足①と吉祥①が2ノッチ上昇しており、昨今の人気がわかります。
いずれも2月1日が入試日であり、第一志望者が多いものと推察されます。第一志望校として、洗足、吉祥女子の人気が長期的に上昇しているということができるでしょう。
長期低下傾向のお茶の水・フェリス
2021→2024でお茶の水・フェリスが2ノッチ以上減
これとは逆にお茶の水女子大附属(共学校だが男子は高校進学できないので、女子校枠に入れています)が3ノッチ減、フェリスが2ノッチ減となっています。
私が中学受験を経験した30年ほど前は、お茶の水女子大附属もフェリスも女子トップクラスの難関校でした。
お茶の水女子大附属については、学芸大附属と同様に、都立中高一貫校との競争激化が理由としては考えられます。中高一貫なのに学費が安いという国立中学のメリットはその点で弱くなってしまいました。その点で、未だに高偏差値を維持している筑駒や筑附の強さがどこにあるのかは検討の余地がありますね。
聖光とフェリスの明暗
フェリスについては、私は過去に比べて交通の便が良くなったことが逆に禍したという見解です。
東横線の都心乗り入れ、相鉄線の都心乗り入れ、湘南新宿ラインや上野東京ラインの開通などで、神奈川方面から都心への鉄道の便は数十年前に比べて格段によくなりました。これを上手く利用できたのは聖光学院です。2月2日に都内では有力進学校の選択肢が乏しい中、栄光よりも立地に優れ、また入試問題のクセも強くないという特徴を生かして、徐々に御三家の併願校として人気を高めていき、今や開成にも伍するレベルとなっています。
他方フェリスは聖光と異なり2月1日校です。すると、聖光とは逆に、交通の便が良くなったことにより、都内の御三家がライバルとなってしまったのです。横浜から桜蔭、JG、雙葉に通うことは、昔よりもハードルが低くなりました。それにより、神奈川の優秀層が都内の進学校に吸い上げられてしまう、ストロー効果が発生してしまったのではないでしょうか。
そして次に述べる洗足学園の台頭もフェリスの長期低下傾向に影響していると思います。
洗足学園の台頭
長期傾向でみると、洗足①と洗足②は2ノッチ上昇しています(洗足③が1ノッチ低下していますが、洗足③は2月5日入試であり、倍率が高すぎるため最後の砦としては受験しづらく、逆に回避されるようになった結果と思われます)。
洗足学園は昨今の進学実績の伸びも著しく、人気は年々高まっています。東大現役合格率は、女子校では桜蔭、JGに続き、豊島岡と3位を争うレベルです。
洗足学園は溝の口に立地しており、東急田園都市線、大井町線、南武線が通っています。また南武線経由で小田急線沿線からも通学者はいるでしょう。東急線沿線や小田急線沿線は、古くから教育熱心な家庭が多いですし、フェリス(やその他の横浜駅周辺の女子校)は少々通いづらいです。洗足はそのような家庭のニーズにうまく応えられているのでしょう。
次回は共学校(男子編)を見ていきたいと思います。
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