ロビン・ファン・ペルシとは
ロビン・ファン・ペルシという元オランダ代表の超有名サッカー選手がいます。
数年前結構話題になったので、既にご存じの方もいらっしゃると思いますが、そのファン・ペルシが13歳の息子に語った言葉が非常に共感できるものがありますので、ご参考まで。
インタビューで語られたこと(翻訳)
以下は英文を私が翻訳したものです。ところどころ意訳してます。また括弧内や太字は私が補足したものです。
-----------
面白いんだけど、実際息子に先週こんな話をしたんだよ。
息子はフェイエノールト(注:オランダのサッカーチーム)でプレーしているんだけど、アヤックス(注:オランダのサッカーチーム)のU-14との試合があったんだ。でも息子はね、ずっとベンチにいて試合に出られなかっんだ。
でさ、帰りの車の中で、息子は不機嫌そうで、落ち込んでいたんだよ。で、コーチとかに対する文句をちょっと言っていたんだ。
それで私は言ったんだ。
「ふん。でもシャキール(注:息子)、お前負け犬みたいだぞ。そんなこと言うなんて、お前は自分で負けを認めてるように見えるよ。もしお前がコーチとか周囲を責めて、何でもそのせいにするならな。」
「お前自身はどうなんだい?勝者はな、自分で自身を管理できるんだよ。自分を見つめなおして反省し、どこを改善すればいいかを見つけるんだよ。お前が考えなきゃならないのはそこなんじゃないかな?」
その時私は、具体的にどこを改善するべきかについては言わなかったんだ。
「お前はまず自問自答してみるべきなんだよ。自分は敗者なのか、勝者になりたいのか。」
「父さんはお前が(サッカーにおいて)敗者でも勝者でもどっちだっていいんだよ。だって父さんはお前の父親だからさ。父さんと母さんの仕事はさ、お前が20歳になった時に、(プロサッカー選手になれてもなれなくても)お前が人生を一人で歩めるような人間に育てることだから。お前は間違ってもいいし、やりたいことをやればいい。どうなったって、父さんはお前に同じだけの愛情を注ぐよ。父さんは、お前がプロのサッカー選手になれるかどうかなんて、本当にどっちでもいいんだ。」
「でもな、もしお前がサッカーが一番好きだ、成し遂げたいことなんだ、って本気で思うなら、お前は自分で自身の人生をちゃんとコントロールするべきなんだ。そして、他人を責めるのは止めるべきだ。それは負け犬みたいだからね。」
「いや、本当に父さんはどっちだっていいんだよ。もしお前が(サッカーで)敗者になりたいんだったら、そのまま敗者になればいいさ。それでも父さんはお前に愛情を変わらず注ぐよ。父さんにとっては(息子がプロサッカー選手になれるかどうかは)どっちだっていいからさ。ただ、もしお前が(サッカー選手として)勝者になりたいなら、自分をコントロールして、他人のせいにするのは止めないとな。」
それで、私は次の日の朝、息子の練習を見に行ったんだ。妻が「どこいくの?」って聞いてきたから「ちょっと息子の練習見に行ってくるよ」って言ってね。ああ、やっぱり2日後だったかな、実際は。息子の試合が土曜日で、次の月曜の朝だったね。
それで私は練習場で座って見てたんだ。寒くてさ。フードかぶって。そしたら、そこではトラがトレーニングしてたよ。全力で走って、一生懸命プレーしてた。
それを見た私は「よし」と思ったんだ。息子は13歳で、自分で自身の人生をコントールしなきゃいけないってことが分かったんだよ。
-----------
雑感
本当にファンペルシーの言葉には共感しかありません。こういう父親になりたいと思いました。
13歳、日本でいえば中学1年生です。小学生まではいろいろと手取り足取り教えなければならない部分はありますが、中学生くらいからは、自律心を養成していかなければならないと私も思います。
「父さんはお前がプロのサッカー選手になれるかどうかなんて、どっちでもいいんだ。」という言葉が繰り返し出てきます。これだけ聞くと、突き放したような、冷たい感じに聞こえるかも知れません。
でもそうではないのです。「これからの人生は、自分でやりたいことを決めて、自分で考えて切り開いていかなければならない。これは親の問題ではなく、自分自身の問題なんだ。」そのようなメッセージが込められているのでしょう。
親がいつまでも面倒を見ていては、自分自身で人生を切り開いていく力がつかないのです。自律心を持ち、自らを管理できる力を持っている者こそが、最終的には成功できる、そのことをファン・ペルシは言いたいのでしょう。
中学受験においても、親主導の中学受験ではなく「自分事」にできた受験生が合格を掴む、とよく言われます。6年生ですとそこまで「自分事」にできる子が大勢いるかはわかりませんが、最後に伸びるのはそのように「自分の希望のために、自分でコントロールして必要な学習ができる」受験生なのでしょうね。
もう一つファンペルシーの言葉の中で大切なのは、「結果がどうなっても、親としての愛情は全く変わらない」ということをはっきり伝えることです。親として結果はどっちでもいい、そのような少し突き放した言い方になる分、これはしっかり伝えなければならないでしょう。
どのような結果となっても、親としての愛情が不変であることが確認できてこそ、子供は自分自身で考え抜いた一歩を踏み出すことができるのだと思います。
これは中学受験、さらにいうなら子供のチャレンジすべてに通じるものです。
「何があっても、私たち両親のあなたに対する愛情は不変だから、安心してチャレンジしてきなさい。」
日本人だと、気恥ずかしさもあり、あまりはっきりと伝える家庭は少ないかも知れません。言わなくてもわかっているだろう、と思う方も多いのかも知れませんね。
ただ、子供は特に中学受験など、大事な岐路の前には不安になるでしょう。特に親も望む第一志望に落ちたら、親の愛情が薄れてしまうんじゃないか、親からの期待を裏切ってしまうんじゃないか、と不安になる子はいると思います。
なので、直前期は、はっきりと口に出して伝えてあげるのがいいのかも知れません。
自分を思い返すと、私は息子の受験期には伝えませんでしたね。息子は割と図太い人間ですし(笑)、本人が開成か筑駒に行きたいという気持ちを自分で固めていってましたから、その点である程度「自分事」化できていた安心感があったのかも知れません。
------
↓難関校受験生には特におすすめできる国語記述問題対策の参考書です。
-------------
我が家の中学受験総括記事はこちらです↓
中学受験総括⑥-6年開始から夏休み前まで(1週間スケジュール)
中学受験総括⑫-6年9月から12月(必須の模試と他塾模試の必要性)
-------------
-------------
↓A3プリンタはいずれ重宝するので安い時期に購入されるのがおすすめです(定番ブラザーの2段トレイ機(MFC-J6983CWD)で現在なら40,000円くらいで購入できればいいと思います)。
↓これまでに書いた低学年~5年生くらいまでに使用した家庭学習用問題集に関する記事です。
↓社会科を得意とする子向けに、さらに一歩先に行くためオススメの本の紹介です。
↓以下は主に6年生向けのオススメ問題集に関する記事です。
↓以下は幼少時のオススメ知育玩具などに関する記事です。
--------
↓よろしければ押して頂けると嬉しいです。