私を抱きなさい | 立ち止まったハートが前進する!未来が視える奇跡リーディング

立ち止まったハートが前進する!未来が視える奇跡リーディング

【未来が視える!奇跡リーディング】で、立ち止まったあなたのハートを開きます。女性の健やかな幸せのためにポラリスは輝きます。人響三九楽ヒビキサクラ

 

リーディング小説「生む女~茶々ってば~」

第三十二話 私を抱きなさい

 

 

生きて生きて、生きのびてきたのは、彼のためだけ

愛されている自信が、ない

傷つくのは、こわいですか?

私はコンフェイト

女として生まれ、女を武器に、天下を取る

妻の策略

野心と快感の扉

Are You Ready?

この野望を叶えるためなら、どんな手段でも取る

命がけで私の野望を叶える男

天下人の愛妾

二度と女に生まれてきたくない

だったら、私が強くなればいい

本当に欲しいものは、どんな手段を使ってでも手に入れる

女としては最低だが、母としては当然

それも一つの愛の形

本当に嫌な女だ

私が一番、愛されている

お金は何のために使う?

I am a woman 今の自分から自由になる

よこせ よこせ 私に子種をよこせ!

欲しいものは欲しいと望み、手を伸ばすからこそ、与えられる

神は強い思いを持つものに味方する

運は強気なものに微笑み、その背を押す

自分の存在価値を、認められますか?

愛しすぎる女たち

親の期待に添って生きる子どもたち

正直に言おう、きらいだ、大嫌いだ!

今あなたが生きている現実は、すべてあなたが引き寄せたもの

愛に満たされて

 

 

大阪城の外堀を埋める工事が始まった。
ところが外堀だけでなく三の丸、二の丸と、どんどん城に向かって、堀を埋められていく。
大阪城は、丸裸だ。

話しがちがうではないか!と、怒りのあまり、わなわなと震えた。

すぐ家康に抗議の使者を送り、不服を申し立てた。

が、みごとにスルーされた。

返事はなかった。

哀れな大阪城よ。
果たして工事が終わると、難攻不落の名城とうたわれた城は、攻められても何の手立ても打てないしろものに成り下がった。

予想を上回る現実を前に、身体中の力が抜けた。

思うわず、その場に座り込む。

これでは次に戦があった時、城にこもって闘うのはもう無理だ。

家康は私達の首に刃をかける寸前だった。

これまで感じたことのない不安と怖れがやってきた。

そして、この日から眠れなくなった。

 

家康は非情な男だ。
孫娘が嫁いだ先であっても、徳川の天下安泰のためなら切り捨てるだろう。
身内の情に流されず、冷静に家の繁栄を望む。
伯父信長に命じられ、自分の妻子も殺めた男だ。
徳川幕府安泰のためなら、後にもめごとになる芽を自分が元気な内に摘んでおく。

それはかつて秀吉が甥の秀次を殺したのと同じだ。

結局、そんな男でなければ天下は取れない、ということだ。

そばにいる息子の秀頼を見た。

彼の白い顔はさらに青白くなり、幾分痩せたようだ。

彼も夜眠れていないのだろう。

乱世を生き抜いた非情な男達に比べ、秀頼は優しすぎた。

秀頼にわからないよう、私はそっとため息をつく。


秀吉がの天下を取った時期に生まれた彼は、戦国の血で血を洗うむごたらしい戦を知らない。
平和な世であれば、彼はとてもいい天下人になっただろう。
秀頼は秀吉から人心を把握する方法も、戦の方法も何も学べなかった。

時間がなかった。
成長していく秀頼が目にしたのは、徳川に対しプライドを持つがゆえ、耐え続ける私や家臣達の姿だった。
彼は領地が少なくとも千姫とおだやかに平和に暮らす生活を望んでいた。

だがそれは蜃気楼のように儚い夢だった。

私や治長をはじめとする家臣たちの思いを背負い、徳川と戦うしかなかった。
そんな彼にすべてを背負わすのは酷だ、とわかっている。
家康に殺されるかもしれないのだから、自分の命を守るために戦うしかない。

私の母上や伯父上が戦っていたように。

だが、この子には浅井だけでなく織田の血も流れている。

だからきっと大丈夫。

何度となく自分に言い聞かせ、無理やりにでも納得した。

私は、秀頼に大丈夫、と目線で伝え、うなづいた。

それがまったく大丈夫ではない、と知りながら。

 

それからほんのわずかな間、おだやかな時間が流れた。
神様がつかの間、最後の猶予を与えてくれた時間だった。
この時期、秀頼と千姫を会いたいだけ会わせてやった。
二人でいる時間もそう長くないことを知っていた。

せめて秀頼の願いを叶えてやりたかった。
これが私にできる最後のことだとわかっていた。
秀頼を笑顔にさせてやりたかったのだ。

二人は仲良く手を取り合って笑い、たわいないことを話すのを見ていた。

千姫に対するドロドロした気持ち。

それもすべて手放した。

彼らの姿は、ただただ微笑ましかった。
私は寧々に約束したように、千姫を家康の元に返すことをもう決めていた。

だからこそ、秀頼と仲睦まじく嬉しそうな千姫を見ても心がざわつかなかった。

千姫はまだ何も知らない。

私達と一緒に最後までこの城で過ごす、と信じていた。

ひどい女だと自覚し、自分を自嘲した。

 

治長は丸裸になった大阪城の堀の一部を掘り返し、大量の兵糧米を運び、兵を募った。
それを知った家康は即座に
「大阪城をすぐに出て地方に行くか、城内にいる兵をみな辞めさせるか、どちらかを選ぶように」
と命じてきた。

そのような条件を受け入れられるはずもなく、治長は和睦するため家康の元に向かった。

が、途中で闇討ちに合い負傷した。

これも家康の差し金だったのだろう。
幸い治長の命は取られることはなかったが、これで徳川との争いは避けられなくなった。

流れはまっすぐ徳川との戦に向かっていた。

もう止められない。

 

こうして大阪夏の陣が始まった。
ほとんどの大名たちは、世の流れは徳川になっているのを知っていた。
今さら豊臣に加勢したところで、負け戦になるだけだとわかっていたので、誰も秀頼の方につかなかった。
大阪城を丸裸にされた上、味方になる大名もいず、この戦いの先は見えていた。

それでも血を流し続けねばならない。

私達は死に場所を求めるように、戦に向かった。

治長は使者となり、千姫を第二代将軍になった父親の秀忠のもとに送った。

その際、彼は
「私は切腹するので、秀頼様と淀様のお命だけはお助け下さい」
と嘆願した。
千姫もそれを切に願い、父親に頭を下げた。
だがその願いは退けられた。

治長は命をかけ、自分の息子を守ろうとした。

だがその願いは叶わなかった。

 

万策尽きた治長は、肩を落し戻ってきた。

その顔はげっそりと痩せ、目に力がなかった。
秀頼に伝える前、彼は夜更けにひっそり私の元にやってきた。

「淀様、申し訳ございませぬ。
私の命など、なんの価値もないことでございました」

うつむいたまま私に頭を下げた。

鋭いナイフで心を切られる思いで、治長を見た。

彼も眠れていないのだろう。

げっそりやつれていた。

「何を言う、治長。
お前は本当に、よくやってくれた。
お前がいたから、豊臣はここまで持ちこたえられたのだ。
感謝しています。
私も、秀頼も」

「そうでしょうか?
秀頼様は、本当にこれでよかったのでしょうか?
あの方は戦など望んでいなかった。
もっとおだやかに千姫様とひっそり暮らしたかったのではありませんか?
私が無理やり戦に巻き込んでしまった・・・
大切な秀頼様を・・・」

そう言うと治長は、拳を膝に打ち付け泣き始めた。
思わず私は立ちあがって、治長に抱きついた。

「治長、もう何も言わないで。
こうなるしかなかった。
豊臣はもう滅んでいくしかなかった。
誰も止められない、時流の流れだった。
だから、もうこれ以上自分を責めるのは止めて。
自分を責めても、何も変わらないわ!」

そして負傷した腕をそっと撫で、治長の耳元でささやいた。

「私を抱きなさい」

治長は、ハッ!と目を見開きた。

そして聞き間違いか?!とでも言うように、私の顔を凝視した。

私がうなづくのを確認すると、いきなり私を抱き寄せ、荒々しく口づけした。

「愛しています。
愛しています。
あなただけを。
茶々・・・」

初めて、彼が私の名を呼び捨てにした。

「治長、ありがとう。
あなたのおかげよ。
ありがとう」

彼の頭を撫で、ほうびを与えるように、私自身を与えた。
お互い、これが最後の契りになることを知っていた。

久しぶりの治長の愛撫に、私の身体はすぐに濡れ、足を開く。
治長が入ってきた時、頭が真っ白になった。
何も考えられなかった。
そこには愛だけがあった。
そして、ある言葉を口にした。

治長は聞こえたのか聞こえなかったのか、その言葉をスルーしたまま激しく私を衝き続け、果てた。
「ありがとう・・・」
力尽きた私達はそのまま横たわった。

私は彼の頭を抱き寄せ、最後にもう一度、治長に伝えた。

治長は着物を整え、私を起き上がらせた。

そしてじっと私を見つめた。

私を抱く前の、力ない弱い男の顔ではなかった。

何かを削ぎ取った鋭い目つきの男がそこにいた。

「私は最後まで、あなたのそばにいます。
あなたと秀頼様のそばに。
最後まで、あなた達お二人をお守りします」

そして頭を下げ、部屋を出て行った。


呆然とした。

墓場まで持って行くはずの思いが、息が漏れるように口から出てしまった。
誰にも言えない、言えるはずなどない。

心に秘め、必死に鍵をかけ閉じていた言葉だった。
両手で口を覆い、泣いた。

こみ上げる嗚咽を止められなかった。

長い間ずっと、認められなかった自分の本当の気持ちをついに認めた。

死が目の前に近づいた今、この時に。

悲しいから泣くのか、自分の本当の気持ちがわかって嬉しいから泣くのか、わからない。

やがて私は抑えていた声を出して、泣いた。

父が亡くなっても母が亡くなっても、こんなに泣いたことがない。

生まれて初めて、感情がこみ上げるまま泣いた。

もういい。

もういいのだ。

すべて。

 

 

--------------------------------

 

あなたは自分がしたことで、自分を責め続けていませんか?

 

自分を責め続けて、何か変わりましたか?

 

何も変わりませんよね?

 

自分がしたことを責めることから離れ、したことに対してどうしたらいいか?

を考えましょう。


きっと何かあります。

自分を責める以外に何かできることが。


それを見つけることが、大切です。

 

 

11月12日(日)2024年のあなたを写します

 

11月13日(月)新月 写真で変わる未来を撮影するコラボです

 

 

 

✨潜在意識と手をつなぎ、エレガントに人生を歩くメルマガ✨

人響三九楽公式メルマガの購読申し込みはこちらからです

 

 

登録は以下の3つのステップで、とても簡単です。

 

①こちらのフォームに「お名前」と「メールアドレス」をご入力ください。

※紹介者の欄は空欄で大丈夫です

 

②読者登録したら、確認のメールが届きます(もし届かない場合は、迷惑メールをチェックしてください)

 

③メール内の登録リンクをクリックしてください。

 

以下の3ステップで登録完了です!

 

 

★より確実にメールを受け取るために、比較的届きやすいGmailやYahooメールでの受信はおススメです。

(携帯会社のアドレスや、上記以外のアドレスでは受信できません)

メールが届かない場合は、お手数ですが別のアドレスをご利用の上、再登録をお願いいたします。

 

 

 

■メール・リーディング

 

 

 

 

 

今より豊かに美しくなる女磨きスクール
●オンラインサロン「心のフィニッシングスクール」一ヶ月入会お申込み