妻の策略 | 立ち止まったハートが前進する!未来が視える奇跡リーディング

立ち止まったハートが前進する!未来が視える奇跡リーディング

【未来が視える!奇跡リーディング】で、立ち止まったあなたのハートを開きます。女性の健やかな幸せのためにポラリスは輝きます。人響三九楽ヒビキサクラ

 

リーディング小説「生む女~茶々ってば~」

第六話 妻の策略

 

生きて生きて、生きのびてきたのは、彼のためだけ

愛されている自信が、ない

傷つくのは、こわいですか?

私はコンフェイト

女として生まれ、女を武器に、天下を取る

 

 

 

それから秀吉は妻寧々の顔色を気にしながら、ちょくちょく私に会いに来た。
彼に私以外の女、つまり側室が数多くいた。
その内の一人従姉の京極龍子は、すぐ下の妹初の夫の姉だ。


龍子は浅井の父の姉の娘で、秀吉の寵愛を受けている

浅井の血をひく女を二人もそばに置いている秀吉。

それは彼が母を抱けなかった恨みと執念から来ているにちがいない。

 

その夜、布団の上で私は首をかしげ無邪気さを装い、秀吉に尋ねた。

「あなたは、どうしてそんなにたくさんの女性をそばに置きたがるの?」
この質問を私の嫉妬だと勘繰った彼は、少し困った顔をした。

バッカじゃないの

と心の中で舌を出し、さらに甘えた声で問い詰めた。

 

「ねぇ、どうして?
一人の女だけでは満足できないの?
男としてたくさんの女から崇め祀られたいの?」

とわざと彼の顔をのぞき込んだ。

 

「ちがう。わしは、ほしいものがある。
それを叶えたいだけじゃ!」

それまで黙り込んでいた秀吉は強く首を振り、強い声で言った。

 

「なにが、ほしいの?
天下は、あなたのものよ。
あなたが望めば、ほしいものなど何でも手に入るでしょう?」

 

前の年、彼は天皇から「豊臣」の姓をたまわった。
その後、太政大臣の座を得て豊臣政権を作った。
が、最後まで自分に頭を下げない徳川家康には手を焼いた。

秀吉は自分の妹旭を離縁させ家康の妻にした。

それでもまだ頭を下げない家康に対し、さらに母親も人質として彼に預けた。

ここまで追い込まれた家康はようやく上洛し、秀吉に臣下の礼を取った。

秀吉のみなを屈服させたい、という狂気にも似た欲望はわかりやすい。

「それにしても、妹の旭様を離縁させ家康に頭を下げさせるなど、さすがですわ」
笑顔の裏にたっぷり皮肉を込め、私は秀吉の腕に手を添えて言った。

 

彼の妹の旭は、農民の時に結婚していたそうだ。

夫婦仲もよかったと聞いていた。
それを無理やり引き裂き、離縁させたのだ。

夫は行方をくらまし、旭は涙ながらに家康に嫁入りしたそうだ。
それにしても、四十過ぎの農民出の老女を家康に添わせるなど、すごい発想だ。
武家の姫である私には、到底思いもつかない。

野望は他を寄せ付けない冷酷さと執着が強いほど叶いやすい。

秀吉のように欲望の強い男には、特にだ。

 

そんな男がうつむき、しばらく口ごもった後、小さな声で言った。

「それはなぁ・・・、実は寧々の案じゃった」
「えっ?!」
私は耳を疑った。

 

寧々・・・

私の頭にゆったりとした笑顔を顔に浮かべ、何を考えているかわからない女の顔が浮かんだ。

好色な秀吉が、唯一頭の上がらない存在。

それが妻の寧々だ。
彼女は彼と苦労を共にし、のし上がった女だ。

秀吉の部下、養子にした子供達にも慕われている女。

伯父の信長さえ
「寧々は、秀吉にはもったいないくらいの妻」
と高く評価した女。

 

私は肝が据わった顔をする寧々を見ると、いつも背中がぞわぞわした。

彼女と向き合うたび、この女に油断してはいけない、と胸の奥のシグナルが鳴った。

寧々の笑顔の裏には、闇があった。

だから寧々が提案した非道な縁組が腑に落ち、心の中でパン!と手を打った。

寧々の本性と闇を垣間見たことに納得した。

 

だがそれを顔の裏に押し込み、ワントーン高い声で
「さすが、寧々様ですわ。
私にはとうてい思いもつかない案です。
その案が功を奏し、家康もあなたに頭を下げたのですから、お見事ですわ!」

とほめたたえた。

私も寧々も、女はいつも策略家だ。

 

すると秀吉は顔を上げ、はりきって寧々のことを語り始めた。

「そうよ!
寧々は、本当にすごい女じゃ!
わしが困った時は、いつもわしの立場になってどうしたらいいか考えてくれる。

今回もなぁ、家康には本当に手を焼いたんじゃ。
どうしたらあいつに頭を下げさせるのか、さっぱりアイデアが出てこなんだ。

すると、寧々は家康に妻がおらんことに目をつけた。
わしの身内をやつの妻に差し出させば、わしらは縁続きになる。
嫌でも頭を下げに来るだろう、と。

だが、わしの身内の女で家康の年頃に合いそうなのは旭しか、おらなんだ。
旭は長年連れ添った夫がいたから、もちろん離縁の話には応じなかった。
そんな旭を説得したのも、寧々じゃ。

寧々がおらねば、わしはこうやって天下を治めることができなかった。
すべて寧々のおかげじゃ」

秀吉はご機嫌で身を乗り出し、私の手を撫でて言った。

 

「そうです。
寧々様は、あなたにふさわしいすばらしい奥様ですわ」

ゲス同士のね

という言葉を飲み込み、笑顔でこたえた。

 

秀吉のシミだらけで骨ばった手が、私の手をいやらしく嘗め回す。

ゾッとするが、お腹に力を入れ我慢した。
寧々も下級武士の娘だったと聞く。

とんでもなく下品な発想は、成り上がりの秀吉にお似合いの妻だ。

心の中で毒づき、彼の愛撫から気をそらす。

秀吉の手が、私の手を伝いジワジワ私の胸元に迫った来たその時、彼の手がぴたり、と止まった。

「でもなぁ、そんな寧々にも望めないことがある」

秀吉の声が短いろうそくの火のように震えて、小さくなった。

 

 

--------------------------------

 

女はいつも策略家。

 

しなやかにしたたかに、美しく羽ばたくために策略を立てるのです。

 

 

 

 

 

 

 

✨潜在意識と手をつなぎ、エレガントに人生を歩くメルマガ✨

人響三九楽公式メルマガの購読申し込みはこちらからです

 

 

登録は以下の3つのステップで、とても簡単です。

 

①こちらのフォームに「お名前」と「メールアドレス」をご入力ください。

※紹介者の欄は空欄で大丈夫です

 

②読者登録したら、確認のメールが届きます(もし届かない場合は、迷惑メールをチェックしてください)

 

③メール内の登録リンクをクリックしてください。

 

以下の3ステップで登録完了です!

 

 

★より確実にメールを受け取るために、比較的届きやすいGmailやYahooメールでの受信はおススメです。

(携帯会社のアドレスや、上記以外のアドレスでは受信できません)

メールが届かない場合は、お手数ですが別のアドレスをご利用の上、再登録をお願いいたします。

 

 

 

■メール・リーディング

 

 

 

 

 

今より豊かに美しくなる女磨きスクール
●オンラインサロン「心のフィニッシングスクール」一ヶ月入会お申込み