リーディング小説「生む女~茶々ってば~」
第七話 野心と快感の扉
野心と快感の扉
何でも相談し合え、一緒に天下を取った二人が望んでもできない事。
そこに自分の存在と地位を確固たるものにする何かがある、と胸の奥からわき上がる予感で、全身を耳にし彼の言葉を待った。
うつむいたまま何も語らない彼の口から言葉を引きずり出す為、彼の手を私の乳房に持っていく。
そして、これ以上ないやさしい声で彼にささやいた。
「天下を治めたあなた様にもできないこと、って何なのでしょう。
あなたのために、この茶々が叶えてあげたいわ」
嘘の思いでも言葉に誠心誠意込めると、真実味をおびる。
今にも泣きそうに顔をゆがめた秀吉は真顔でじっと私の顔を見て、声を絞り出す。
「子じゃ・・・」
「えっ?」
思いもよらないそのワードに、息を吐くように本音がこぼれた。
目を見開き、子のいない男の顔を見つめた。
「わしは、子が欲しい。
養子は何人もおる。
だがわしが本当に欲しいのは、自分の血を引いた子どもじゃ。
豊臣の跡継ぎがほしいんじゃ!
そうよ。
これだけは寧々にはできん。
他の側室達にもできん。
たくさんの女達を抱いたが、子はできん。」
寧々の闇は、子どもを彼に与えられなかったことだとわかり、心の中でほくそ笑む。
閉じていた目が開き、前に黄金色に輝く荒野が広がる.
それは野心だ。
「なぁ、茶々・・・
わしには、子種がないんじゃろうか?
あっという間にこんな年になってしもうた。
じゃが、あきらめきれん。
子がほしい。
男子じゃ!
豊臣の世を盤石にするために何としても、わしの血を引く跡継ぎの男子が必要なんじゃ!」
悲鳴にも似た弱音を吐く彼は、権力者というより、ただの弱弱しい老人のようだ。
私は哀れな年寄りの身体を引き寄せ、そっと抱きしめる。
そして、声を出さずひっそり笑った。
見つけた。
彼の人生に欠けている「子供」というパズルのピース。
それも女子ではだめだ。
男だ。
私の野心はこのパズルのピースを埋める事だ。
私は身体を秀吉に預けたまま、彼を見つめ厳かに言い放つ。
「私が、あなたのお子を産みます。
豊臣の子を産みます。
茶々が、あなたの願いを叶えます」
そう言って、私は秀吉を両手で彼の身体を布団に押し倒した。
そして娼婦のように、自分から袂を広げ乳房をさらした。
秀吉は私の乳房にむしゃぶりついた。
彼に乳房を舐められ、私は未来を見つけた喜びに声を上げる。
彼はその声を自分が与えた快楽の声だと思い込み、もっと声を出させようと下半身に手をのばす。
私は彼の手が届きやすいよう腰を動かした。
下半身に達した彼が指をこねくり回すと、そこがもっと湿り気を帯び濡れることを祈った。
彼の舌がたっぷりの唾液と共に、花芯を目指し蛇が這うよう腹を通過する。
固く目を閉じた私はまぶたの裏に未来を見た。
私は輝くばかりの赤ん坊を抱いていた。
その子は男子だ。
ついに彼の舌は私の花芯に達し、花弁を舌でめくる。
こらえきれない私は演技ではない声をもらす。
秀吉はさらに指でも花弁を凌辱する。
天井に向け大きく開かれた両足は、生贄のように彼に捧げられた。
だが私の中に屈辱はない。
男の子どもを彼に与えることで、私は彼を屈服させられると気づいたからだ。
彼が私の中に入ってきた。
これまで憎んでいた彼の男根を、愛おしい子供を抱くようにあたたかく受けいれた。
彼は恍惚の笑みを浮かべ、腰を動かす。
私も彼の動きに合わせ、腰を動かす。
リズミカルに動きながら、私は寧々や側室達が成しえなかった野心を叶えるため、心が沸き立った。
身体が熱くなり、彼の身体を抱く手に力がこもった時、かすかな快感が身体の芯から生まれたことに気づく。
そしてますます声を上げた。
天下を統一した秀吉が、どんなに望んでも授からなかったものを、私が与える。
私が豊臣の跡取りの生母になる。
それが私の天下取りだ。
伯父信長にも母お市にも義父にも出来なかったことを私は叶える!
私の野心の扉が開いた。
その扉の先にある道が私の天下統一の未来に続く。
扉を開いた私は、初めて秀吉を自分の中に入れた状態で、喜びの声をあげた。
快感の扉も開いた。
花芯から貫く波にさらわれ、私は身体をしならせ達した。
そんな私を見届けた彼は、最後の一撃を私に与えて果てた。
荒く肩で息をする彼を抱きし、私は野心を叶えた未来を見上げる。
私は今日からこの道を歩く。
その道は誰かのためでなく、自分のために生きる道につながっている。
私は秀吉に微笑んで言った。
「子は出来たかしら?」
--------------------------------
あなたの野心は何でしょう?
野心は、自分で見つけるもの。
自分以外の誰からか与えられるものではありません。
あなたの野心。
それはあなたの未来に続く道。
その道はあなたの中にこそ、あります。
✨潜在意識と手をつなぎ、エレガントに人生を歩くメルマガ✨
登録は以下の3つのステップで、とても簡単です。
①こちらのフォームに「お名前」と「メールアドレス」をご入力ください。
※紹介者の欄は空欄で大丈夫です
②読者登録したら、確認のメールが届きます(もし届かない場合は、迷惑メールをチェックしてください)
③メール内の登録リンクをクリックしてください。
以下の3ステップで登録完了です!
★より確実にメールを受け取るために、比較的届きやすいGmailやYahooメールでの受信はおススメです。
(携帯会社のアドレスや、上記以外のアドレスでは受信できません)
メールが届かない場合は、お手数ですが別のアドレスをご利用の上、再登録をお願いいたします。
■メール・リーディング