2022年8月12日(金)、渋谷・SEABIRD第二金曜(二金)ライブ。岩井バンマスによる今月のテーマは「盆ボヤージュ!」これは日本のお「盆」休みとフランスのバカンス(長期夏季休暇)で交わされる挨拶「Bon Voyage(よい旅を)」を引っ掛けた親爺ギャグで、サブテーマには「夏、旅、色恋」とある。


このテーマで末記のPROGRAMが出来た。「The Summer Knows」は映画「おもいでの夏(Summer of '42)」のテーマ、続く「Once Upon A Summer Time」も同じミシェル・ルグラン作。そして「Quizas,Quizas,Quizas」はラテンの名曲で「Desert Moonlight」は”月の砂漠”だから実に多彩だ。

今日は帝劇、明日は三越」は大正時代の伝説的な広告コピーだが、罹患療養後の私は「水曜は帝劇、金曜はライブ」と華やかな(?)日々を送っているのだが、なんと今回、なお&けい&マッキーという、二金メンバーの(相対的)若手陣3名が体調不良で揃って欠場という非常事態!となった。


     【二金バンド with 宮崎勝央(as.)】

「すわライブ中止か~?!」しかーし、こういう危機になると往々にして“白馬に乗った騎士”が現れるものだ。6月にも参加してくれたプロアルトサックス奏者の宮崎勝央氏が颯爽と登場し、<なお&けい>予定曲の「Voyage」を演奏してくれるなど、この窮地を見事に救ってくれたのである。

私の歌はフランス語で“海”を意味する「ラ・メール」(*1)。元は1946年シャルル・トレネのシャンソンだが「Beyond The Sea」というジャック・ローレンスの英詞が付いてボビー・ダーリンが1960年にヒットさせた。今回は仏詞、英詞に菅美紗緒さんの和訳詞を加えて3か国語で歌った。

そして本来ならマッキー(こと牧かおる)が歌うはずだった「Summertime」は私のレパ―トリーにないので歌えない。そこで「The summer is gone」という歌詞が入っている「ダニー・ボーイ(Danny Boy)」を、“Summertime” is goneという意味で歌わせてもらった



メインヴォーカルの出雲井さんは今月も1st.setから飛ばす。シャンソンの「Once Upon A Summer Time」にポルトギーの「Rio」にラテンの「Quizas,Quizas,Quizas」、2nd.setではボサノヴァの「Slow Hot Wind」と、毎回チャレンジする彼女の姿勢は実に素晴らしい!


「ダニー・ボーイ」ではポケットに忍ばせていた“複音ハーモニカ(*2)という飛び道具”を使った。以前この店のセッションで試演して以来2回目だったが最初の時に怪訝な表情だった出雲井さんはちゃん覚えてて「ハーモニカは2度目でしたが中々良かったですよ」と言ってもらえたのは大成果かな。

PROGRAM(青字の曲名⇒限定公開動画にリンク)

1st.set
 1 Old Fisherman’s Daughter
 2 The Summer Knows
歌3 Once Upon A Summer Time (出雲井)
歌4 Rio (出雲井)
歌5 Quizas,Quizas,Quizas (出雲井)
 6 Desert Moonlight <Lee Morgan>
 7 Full House <W. Montgomery>
2nd.set
 1 Voyage (なお&けい)
 2 Samba Do Mar<海のサンバ>
歌3 La Mer <Beyond The Sea> (Saigottimo)
歌4 Danny Boy (Saigottimo)

歌4 Summer Time (マッキー)
歌5 Slow Hot Wind (出雲井)
 6 Recado Bossa Nova <The Gift>
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*1:この曲については下記の記事をご参照。
「ラ・メール」は“母なる海”か | Saigottimoのブログ
*2:複音ハーモニカについては下記の記事をご参照。
ハーモニカとウクレレ始めました。 | Saigottimoのブログ

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2022年8月10日(水)、帝国劇場の昼公演で「ミス・サイゴン」を観た、てかカミさんに連れて行ってもらったと言った方が適切だ。観劇が趣味のカミさんは全国のオバちゃん、もとい芝居仲間ネットワークで情報交換やチケット交換を頻繁にしており、その情報収集能力や調達能力は凄まじい。



一方、私は音楽はクラシックからジャズまで好きだし朗読もするのだが演劇(ストレートプレイ)にはそれほど興味はないので両者の共通領域は自然とミュージカルとなる。実は昨年3月にも私は高畑充希主演のミュージカル「ウェイトレス」を観に日生劇場に連れて行ってもらったのだ。


  【昨年3月の東宝のサイトと劇場のポスターより】

私はそもそも積極的にTVドラマなど観ない方なのだが、高畑充希についてはNHK朝ドラ「とと姉ちゃん」や「過保護のカホコ」「にじいろカルテ」等をTVで観て「難しい役を難なくこなす凄い役者だなぁ」と、いたく感心していた。そんな私をカミさんは横から珍しそうに見ていた。

そしてカミさん曰く「彼女(高畑充希)は芝居だけじゃなくて歌がメチャクチャ上手いし踊りも上手なのよ。だからTVドラマで歌わないのは勿体ない!ミュージカルを観ればそれが分かるから」と、昨年に続いて今年も彼女が主演する舞台のチケットを取ってくれたカミさんには大いに感謝である。

「ミス・サイゴン」は1989年米国生まれの大ヒットブロードウェイミュージカルであり、今回の公演は“日本での30周年記念公演”だという。さすがのカミさんも初代キム役の故・本田美奈子では観ていない(松たか子から)という事だが、そのDNAは今も受け継がれているとの記事もある。

今回の公演もコロナ禍で一部の公演が中止となる中で、マルチキャストを敷いていたとはいえ、キャスト陣もスタッフ陣もよくぞ罹患せず開演に漕ぎつけてくれたことに感謝したい。また私もカミさんも10日間の自宅療養期間をクリアして今日の公演が観られたのは本当にラッキーだった。

   【上段:帝劇内に貼られた配役リストから】

   【下段:帝劇の公式サイトのキャストページから】

現代版「蝶々夫人」とも言うべき残酷なストーリーに私は涙を禁じ得なかった。またカミさんの言う通り高畑充希の歌唱力は素晴らしく、伊礼彼方の歌と踊りと演技も秀逸だった。唯一残念だったのは、私にはクリス役のチョ・サンウンと高畑充希の声質の相性がイマイチだと感じた点くらいだろうか。

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2022年7月27日(水)、ここ数年起きてすぐ居間で検温しているが初めて37度台(37.2~7)となってビックリ。カミさんから「マスクをして自室へ!」と退場宣告され区役所に電話をした。近所の医療機関で検査するよう指示され、先日4度目のワクチンを打った医院と連絡とれて指定時刻に行く。


まずは抗原検査をして陰性だったらPCR検査をするとの事だったが抗原検査であっさり「陽性」となり、これでコロナ罹患確定である。前夜と前々夜、エアコンが少し効き過ぎの感あり、また口を開けて寝たために口呼吸になって喉が乾燥して少し腫れっぽいかなぁ、とは思っていたのだが…。

診察料と検査料はかかったが、総合感冒薬からトローチまで5種類の薬のパックは無料でくれた。私は自室に軟禁状況でカミさんに配食してもらう事になった。私のせいでいきなり濃厚接触者となり、仕事にも行けなくなったカミさんの怒りが収まらないのはご尤もで、誠に申し訳ない。




ところが翌日、カミさんも我家の不安定な体温計がたまたま1回だけ37度台を指したらしく気になり念のため別の医療機関で検査したら「陽性」になった。いわゆる無症状感染者という奴である。ん?ということは、恐らく私も既に無症状感染者だったのではないかと思われる。


私の場合、この3日間は散歩以外はどこにも出かけていないのだから。つまり感染によって微熱等の症状が出たのではなく、既にカミさんと同じく無症状感染者だったところに口呼吸で喉を腫らし微熱が出たので検査せざるを得なくなって、感染が確認されたという手順ではなかろうか。

カミさんが連絡をしたらしく都内で一人暮らしをしている2人の息子達がそれぞれ水や食料などをドサッと差し入れに来てくれた。おお、歳を取ると人の情が身に染みる。現役で社会生活を送っている彼らに迷惑をかけるのは忍びないが、やはり困った時に助けてもらえるのはありがたいものだ。


ワクチンを何度も接種しているのに感染するのか?」という疑問もあろうが、そもそもワクチンの期待効果は、発症化抑止と重症化阻止であって感染予防ではない(*1)。現にワクチンを4度も接種した私はお陰様で軽症のままだし、喉さえ腫らさなければ発症化すらしなかったろう。

ワクチンが期待効果を発揮すればするほど発症しない感染者、つまり無症状感染者を生むはずだ。定期的に検査が必要な職業以外は、普通は無症状なら検査等しないし、“検査しなければ絶対に「陽性」にはならない”訳で、ワクチン接種率が高くなれば数字に表れない感染者は増えるだろう。


私は感染認定されたので、保健所の管轄下で発症から10日間経過の8/6(土)迄は自宅療養で外出も出来ない。一旦熱は出たものの、その後は薬で喉の腫れも熱も引いて今は平熱でひたすら寝ている。現役の頃は毎年の様にこうして体調を崩しては寝込んでいた事を何故か懐かしく思い出しながら…。

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*1:ワクチンの期待効果については下記記事ご参照。
ワクチン接種2回済みましたが | Saigottimoのブログ
 
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石貫慎太郎さんの新作オーディオドラマ「海をわたる糸」に出演させて戴いた前作に続き私にとって17作目となる今作は「海辺のレストラン」の続編にあたる。あの後、離島に移住した貴也はレストランのウェイター、リコに海釣りのレクチャーを受けるところから物語は意外な展開に…。

今回は、だれでも子供の頃に経験したであろう“凧遊び”の持つノスタルジー溢れる想い出をテコにして、我々を一気にファンタジーの世界へと巻き込んでいく。美しい景色と音楽、SE(音響効果)含めて巧妙かつ緻密に計算し尽くされた石貫作品独特の透明感のある癒し(ヒーリング)を堪能されたい。


●「海をわたる糸」【約30分間】←クリック!

■スタッフ
脚本/制作/作曲/ギター演奏:石貫慎太郎
エンディング曲「Ciel」
歌    :Kaori
作詞/作曲:石貫慎太郎

■キャスト
ナレーション:山木梨花
リコ:南春奈
貴也:能登洋宇
男性:Saigottimo (開始18分過ぎから登場)
女性:​中田真由美

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2022年7月23日(土)、横浜・Jones Cafeに藤井さん(ds.)のお誘いで「Azamino Jazz Quartet with 彩木香里」のライブを聴きに行った。いつもながらお洒落で華やかなライブだったが、この日もds.,ts.,vo.等多彩なミュージシャンが来ていた事もあってか早々にセッション(*1)に突入した。


【上段:スペシャルゲスト鈴木充(pf.)、藤井知義(ds.)、平松和彦(tp.)、川原淳(b.)、彩木香里(vo.)】


      【中下段:セッションの様子】

そしてこの店(*1)は1950年代のアメリカのダイナー(大衆食堂)の雰囲気でグッズも販売しているが何より凄いのは“動くジュークボックス“があり、聴けば1956年(昭和31年)製で私と同い年である。なので私は、セッションタイム(*1)では同じ1956年のヒット曲を2曲歌わせてもらう事にした

♪Don’t Be Cruel(冷たくしないで)…2022年7月23日、横浜Jones Cafeにて♪
♪Love Me Tender(*2) with 牧かおる…2022年7月23日、横浜Jones Cafeにて♪

※上記2曲とも1956年の全米No.1。この年はプレスリー(*3)がメジャーデビューした年で「Heart Break Hotel」を加えた3曲が年間シングルチャートTop15入りしている。

そして、この「Don’t Be Cruel(冷たくしないで)」は1997年に英国ウェンブリースタジアムでのロック・フェスで日本の矢沢永吉がロッド・スチュアートらと一緒のステージに立った際にソロで歌った曲だ。この時の模様はNHKのドキュメンタリー「Do you know Mr.Yazawa」として放送された。

私は当時この放送をTVで観て感動した記憶がある。1997年は“King of Rock 'n' Roll”エルヴィス・プレスリー(*3)没後25年で全員が彼の曲を歌ったのだが、日本から単身乗り込んだ矢沢永吉は、彼の事を誰も知らない7万人の英国観衆を前にこの曲を堂々と歌い上げて満場の喝采を浴びたのだ。

そして誠に僭越ながら私も、自分の事を誰も知らないアウェーでの「jazz de 紅白@ラドンナ原宿2019」に出場(*4)する際に、youtubeで何度もこの動画を観ては自らを鼓舞した事を想い出し、またこのお店が矢沢永吉とのご縁があると聞いてこの曲を歌おうと思いついたのだ。


終演後に私は1曲百円のジュークボックスにかじりつき「Splish Splash」(Bobby Darlin)「Happy Birthday Sweet 16」(Neal Sedaka)「Johnny B Good」(Chuck Berry)と流したところで百円硬貨が無くなり、ハッと気付くと、終電ギリギリの時間!慌てて関内駅に向かった。



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*1:この店およびセッションについては下記ご参照。
ライブ/セッション/シットイン | Saigottimoのブログ
*2:放映中の映画「エルヴィス」については下記ご参照。
映画「エルヴィス」観ました | Saigottimoのブログ
*3:この曲については下記ご参照。
ラブミーテンダーはオーラリー | Saigottimoのブログ
*4:このイベント出場については下記ご参照。
年末の「紅白」に出場! | Saigottimoのブログ

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タイトルを読んで料理の話と思った方も居るだろう。ここに

「エスニック スパイシーズ」と書かれた写真本があるが料理のレシピ本ではない。“誰も知らない伝説のバンド”の写真集なのだ。ページを開くと、2006年1月の大塚・エスペトブラジルでのライブ演奏の模様などが掲載されている。

 【2007年発刊、撮影と制作は有田幸生さん】


バンドマスターの野中さん(Vib.)はガラムマサラ、牧野さん(g.)はサフラン、浅野さん(wb.)はカエンペッパー、吉田さん(ds.)はターメリック、そして私(vo.)はオレガノ。それぞれスパイスの愛称が付いているピアノレスのラテンジャズクインテットとして今から15~20年前頃に活動していた

そのカエンペッパー浅野さんは今も湯島・カスターで定期的にライブをするなど精力的に活動されており、今月からは渋谷・SEABIRDでも第一土曜と第三日曜のお昼(12時~14時)に山岸笙子(しょうこ)さんの弟子の大槻美歩さん(pf.)とホストペアを組んでジャズセッション*1を始める事となったのだ。

私は懐かしさもあって7月2日、17日ともに参加したが、ベース、ドラム、管楽器、歌、そして詩人(浅野さんが若い頃一緒に即興で演じていた方)など様々なプレイヤーが参加され、また大槻さんの初々しさ(セッションホストは初体験!)も相まって、とても気さくでスリリングな楽しいセッションだ。

   【私も彼も髪の色は確実に変わった!?】



♪黄昏のビギン…2022年7月17日、渋谷・SEABIRDでの浅野・大槻セッションにて♪
※前振りで伝説のバンドの話になり2分間近く要したが…
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*1:セッションの意味は下記ブログを参照されたい。
ライブ/セッション/シットイン | Saigottimoのブログ

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2022年7月8日(金)、渋谷SEABIRD第二金曜(二金)ライブ。二金ライブは岩井バンマスがお題(テーマ)を出してくれる。先月は梅雨で「雨」だったが今月は七夕の翌日ということで「テーマは『逢瀬(おうせ)、LOVE!』かなあ、やっぱ」ということで末記のプログラムとなった。

   【迫力の二金インスト陣septet(七重奏)


テーマの「(あう)」という字から私がすぐに思い浮かべたのはアンドレ・ギャニオンの「めぐりい」という曲だ。この曲はヒーリング音楽の巨匠アンドレ・ギャニオンの代表作だが器楽曲だから歌詞が無い。でもネットでいくつか歌詞を探し出し、その中から有森聡美さんの詞で歌うことにした。

一方、出雲井裕美さんは同じ「めぐりい」だが同名映画(1957年)の主題曲で全然違う曲を持ってきた。私はケーリー・グラント主演のこの映画も主題歌も全く知らなかったが、実に美しい曲である。てか、それにしても出雲井さんは毎回新しい曲にチャレンジしていて凄い。

私は出雲井さんに「たまにはチャレンジしなさいよ」と言われるくらい二金では定番曲ばかり歌っていて、これまで二金が初演という曲は遥か昔のアルファベットシリーズで「Rで始まる曲縛り」の時の1曲(「Red Sails In The Sunset (夕陽に赤い帆)」)しかないから今日は久々の初演曲だ。

 【開始5分過ぎからの2コーラス目のインストがイイ

 【岩井さんのソロと中川さんのピアノが素晴らしい!

そしてマッキーこと牧かおるさんの曲はコール・ポーターの「Night And Day」だが、面白いことにポーターの最初の伝記映画のタイトルが「Night And Day」で、ポーター役は映画「めぐり逢い」でも主演したケーリー・グラントだった。ま、これも一種の“めぐり逢い”かも?

 【ケーリー・グラント繋がりの出雲井裕美&マッキー】


PROGRAM(各曲名⇒なおちゃん限定公開動画にリンク)
1st.set
 1 Love for sale
 2 Nancy
歌3 An Affair to remember
  ~映画「めぐりい」~
(出雲井)
歌4 Bringas Nunka Mais “喧嘩はやめよう“ (出雲井)
歌5 Embraceable you (出雲井)
 6 Flamingo
 7 Desert moonlight “月の砂漠”
2nd.set
 1 I've never been in love before (なお&けい)

   【この日のカラーコーディネートはピンク】
 2 Come rain or come shine
歌3 めぐりい (Saigottimo)
歌4 Night and day (マッキー)
歌5 Acaso (出雲井)
 6 Sweet love of mine

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公開から1週間目となる本日(7/7)、映画「エルヴィス」を観てきた。追加料金がかかるIMAX版にするかどうか迷ったものの、プレスリー好きとしては折角だから大画面・最高画質&最高音響というフルスペック版IMAX上映はこの日が最終日となる池袋の映画館までわざわざ足を運んだのだ。

私は女声はエディット・ピアフ、男声はエルヴィス・プレスリーが特に凄いと思っている。ピアフの歌は聴くと鳥肌が立つので怖いがエルヴィスの声は好きだし同じ男声ヴォーカルとして意識するので人形↓にも反映されている。
Saigottimo人形ができました! | Saigottimoのブログ

   【映画「エルヴィス」オフィシャルサイトより】


さて映画を観ての感想だが、まず申し上げたいのは、エルヴィスに興味が無い人でも音楽映画として充分に楽しめる作品になっている事と、エルヴィス・ファンには顔立ちこそ違えどオースティン・バトラーのパフォーマンスは本物と見紛うばかりの素晴らしさで聴き応えがある事である。

次に、この映画はマネージャーのパーカー大佐(トム・ハンクスが名演)の視点で描かれている点が秀逸であり、実質的な主役はエルヴィスではなく大佐である。その大佐の視点で「誰がエルヴィスを殺したのか」という問いへの答えを導くシナリオなのだが、最後に明かす彼の結論はなかなか興味深い。

エルヴィスに関する本は何冊も読んでおりパーカー大佐も含めて周辺の人物や時代背景等*1はそれなりに知っているので映画を観た人が誤解しないように幾つか付記したい。まず、彼は声のために煙草も吸わなかったくらいで、彼を死に導いた薬は医師処方薬であって“違法ドラッグ”ではない

もう1点は、彼の妻プリシラが善く描かれ過ぎである。彼女は出産後にエルヴィスを裏切って彼が雇っていた空手教師と駆落ちした上にその相手もすぐ捨てて芸能界で散々浮名を流しTVや映画で女優として活躍。挙句、彼の死後に権利管理団体を立上げCEOにもなっており、こんな健気な妻ではない

とはいえ映画全体としては、エルヴィスの少年期から壮年期まで('50~'70)の米国社会の大事件や変化、ティーン時代のガールフレンドの存在、超マザコンぶり、黒&ピンク好きという独特の色彩感覚等も丁寧に描かれていたし、BBキングやリトル・リチャード等もしっかり顔を出す。

ビートルズやビング・クロスビーはアイリッシュ(英国系)だし、シナトラやトニー・ベネットはイタリア系、サッチモやエラはアフリカ系だがエルヴィスはネイティブアメリカン(米国先住民)の血が流れる“生粋の米国人”だからかも知れないが、彼は米国において特別な存在なのだろう。
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*1:エルヴィスが台頭した音楽の時代背景は下記ご参照。
ビリー・ヴォーンをもっと語りたい | Saigottimoのブログ

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2022年7月1日(金)、渋谷SEABIRD第一金曜(一金)ライブ。今月はテナーサックスの、というよりも自作パンフルート奏者で”回文家”の竹笛太郎こと横地さんが参戦!みな「すわ、回文作品集第2弾販売活動か!」と色めき立ったが「いや第2集はまだ」。でも回文*1は制作し続けているらしい。


    【回文作品第1集の販売は2020年8月↓】
   
開演前の雑談からも次々と回文を創作し続けるから凄い。在宅勤務だとネクタイは売れないねという話題からは「ネクタイ残念在宅ね」妄想の話からは「私妄想もしたわ」我家が中野区境にあるという話題からは「中野なのかな」そして何の話題だったか「ラブ揚油」…ああ左脳が攣りそう…。


という事で1st.setは3管アンサンブルも交え賑やかに飛ばし、2nd.setのヴォーカルタイムに突入。トップバターのマッキーこと牧かおるさんと、大トリの益田伸子さんは共に、イマドキの夏らしく爽やかなボサノヴァで「Vivo Sonhando (Dreamer)」そして「Only Trust Your Heart」イイネ!

2番手3番手は共にシットイン*2の市岡さんと中村さんで、「That’s All」「Almost Like Being In Love」と、王道のスタンダード曲で来た。そうなると後は色物の4番手5番手、男声ヴォーカル2名。まずビックリしたのは柳田(やなだ)さんの選曲。なんと、ABBAの「ダンシング・クイーン」だよ!

この曲はABBA最大のヒット曲*3だし、お店とかではよく流れているが、私は生演奏で聴くのは初めてだ。本多バンマスのアレンジの妙もあるがトランペットとサックスのブラス陣の迫力が凄い!店内は往年のディスコの様相を呈し何人もが思わず踊り出す始末。ああ、ミラーボールが欲しい…。

横地氏曰く「それにさ、ABBAって回文だしね」え、そこ?

そして私は1974年のアン・ルイス初のヒットシングル「Goodbye My Love」。実はある朝突然この曲を想い出し「一金メンバー最年長の私が未成年時の曲だから皆スタンダードと思うかも?」と持ち込んだ。なかにし礼/平尾昌晃コンビの曲だからジャズスポットで聴くことはないだろうし

♪Goodbye My Love…7月1日SEABIRD一金ライブ♪

※見つけた譜面がオリジナル(女声)キーなので私にはちと厳しいが、ママが“鶯谷サウンド”と呼ぶ御子柴さんのいやらしさ炸裂の粘っこいテナーは昭和歌謡の雰囲気を満喫できる。

大学1年の夏休みに北九州・門司の親の知人宅に居候して運転免許の教習所に通っていた頃の事が鮮明に想い出される。ま、流行歌とはそういうものだろう。しかしABBAの「ダンシングクイーン」を歌おうとした柳田さんの大胆さにド肝を抜かれ、結果として彼に全部持って行かれちまった。あーあ

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*1:先頭からでも末尾からでも同じ文。ex)マカオのオカマ
*2:シットインとは一種の飛入り。詳細は下記ご参照。
 ライブ/セッション/シットイン | Saigottimoのブログ
*3:この曲は1976年の全米No.1。世界13か国で1位、
 全世界で300万枚のセールスを記録。(by wikipedia)

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岡田光代さんのベストセラーエッセー「ニューヨークの魔法」シリーズの第5弾「ニューヨークの魔法のじかん」から「作家はシェルター住まい」を私が所属する朗読グループ5Thanks(サンクサンクス)が朗読しインターネットの「ホンマルラジオ」で本日(6/23)公開されました(今月で3回目)。


@高砂放送局【美遊空間四国】第11話(6/23公開)
・ゲスト:エッセイスト/岡田光代、朗読家/前尾津也子
朗読「作家はシェルター住まい」…開始8分頃から約4分半
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語り:久木崎なお江
作家:Saigottimo
女の人:前尾津也子
男の人:大幡かおり
音楽(作曲・演奏):ななえ
制作:朗読グループ 5Thanks

朗読動画「作家はシェルター住まい」…こちらは画像付きなので作家本人の写真あり↓。そして最後の英文朗読は、なんと!贅沢にも作家ご本人です。←クリック!


先月放送分は下記Webからお聴き戴けます。
@高砂放送局【美遊空間四国】第10話(5/23公開)・ゲスト:エッセイスト・岡田光代、朗読家・前尾津也子
朗読「車内放送」(「ニューヨークの魔法の約束」から) …開始12分37秒から約5分間
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  【5Thanksと「ニューヨークの魔法」シリーズ】


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