私は朗読グループ「5Thanks」に所属してライブ活動等をしてきたが、それ以外では座・高円寺(杉並区立杉並芸術会館)で絵本の読み聞かせボランティアをしているくらいだった。今回、たまたま「きつねのでんわボックス」でご一緒した朗読家の中田真由美さんからお声掛けを戴いて、新たな活動機会を頂戴した。
それは、朗読と音楽のユニット「音葉の森」が制作したオリジナル作品「キューピットは雪女」で声の出演をさせて戴くことになった事だ。この作品は登場人物別に複数人が声を担当し、オリジナルBGMや効果音が入る。子供向けの絵本や童話とはまた違って、ちょっとエスプリが効いた“大人のお伽噺”という感じである。
■スタッフ
原作・作曲・制作統括:石貫慎太郎
制作:朗読と音楽のユニット「音葉の森」
■キャスト
ナレーション/ユミ:中田真由美
ミキ:山木梨花
翔太:能登洋宇
ミキの父親:Saigottimo (開始から25分後に登場)
今回、ホン(脚本)を頂戴し自分の声だけを自録りして音声ファイルをお送りする方法で参加させて戴いた私は、中田さん以外はスタッフもキャストの誰とも一面識もない。原作者でもある制作統括の石貫さんがオリジナルBGMの作曲も演奏もし、各人の音声や効果音や画像との合成もして動画に仕上げたというから、凄い!
先ず私が担当する「ミキの父親」についてどんな人物かを考えた。娘が留学というから年齢は50代後半から60代前半だろう。日頃は神戸で暮らしているが、山にコテージ風の別荘を持っている点、娘が「パパ」と呼んでいる点、そして何より娘をイタリアに留学させるのだから、これは相当セレブなご身分ではなかろうか。
そして娘が差し入れするコーヒーも缶コーヒーではなく、ポットに入れ、カップも紙コップではない(陶器or金属製?)。コーヒーもインスタントではなくレギュラーで、ミルも電動ではなく手挽きという点に拘りを感じる。また「ストーブの前の椅子で本を読む」という点も「ソファでTVを観る」ようなスノッブ(俗物)感がない人物だ。
そんなセレブでインテリな、つまり自分とは随分違う人物像をイメージしながら練習して自録りしたのだが、相手のミキが居ないので合成された際に会話が成り立つのかどうか心配だった。しかし出来上がりを聴いて驚いた。ミキ役の山木さんがちゃんと合わせてくれている。「やっぱりプロは凄いなぁ…」と思った。
但し最後まで不安だったのは、ミキの実家つまり父親が神戸在住という設定なので私の言葉に関西弁や関西訛り(イントネーション)がなくてもいいのかという点だった。しかし原作者でもある石貫さんによれば、ミキの父親は所謂マスオさんであり東京出身者でも(標準語でも)構わないとの事だったのでホッとした。
Saigottomo

