4月15日(金)は第三金曜日。渋谷SEABIRDの第一&第二金曜は「ライブ」だが、この第三金曜は「セッション」である。ライブもセッションも生演奏(ライブ)だし複数のミュージシャンによる演奏(セッション)なのだが、「ライブ」と「セッション」には明確な違いがあるのだ。

ジャズスポットにおける「ライブ」は出演メンバーも演奏曲目もほぼ固まっているが「セッション」はその日の参加者が順次楽譜を配って自分が演りたい曲をホストバンドにお願いする。だからどんな楽器でどんな曲が演奏されるかは参加者次第でどうなるのか全く予測不能なのである。

従って「ライブ」なら予めブッキングされているメンバー等を目当てに来る聴衆がお客様だが、「セッション」はホストバンドとの演奏目的で来る参加者(ミュージシャン)自体がお客様で純粋な聴衆は殆ど居ない。そして参加者の楽器や希望曲等を聴いて順番を決め指名するのがナビゲーターだ。


      【私以外のセッション参加者】

この三金セッションのナビゲーターはホストバンドのバンマスでもあるギターの加藤さんだ。私も以前別の店でナビゲーターをしたが、これは過酷な役目である。そこへ今月の一金&二金ライブにも来てくれた若い男性がギターを持って遅れて来店したのでママさんが加藤さんに紹介した。

すると面倒見の良い加藤さんは同じギタリストということもあり彼に寄り添って「何を演る?」「…」「出来る曲は?」「…(殆ど返事がない)」「じゃあペンタトニック弾いてみて…そうそう、じゃそのスリーコードで、うんうん、行けそうだね…じゃブルースならいいよね」

そして加藤さんが「はい、じゃギター入りま~す。えーと、ロックのブルースで『ジョニー・B・グッド』*1え、マジ?まさかのチャック・ベリー?それ、ジャズじゃねーじゃん、と思っていると加藤さんもガンガン弾き始める。ママさんも「加藤君好きなんじゃない?」もうバンドがノリノリだ!



♪Johnny B Goode(後半)…2022年4月15日SEABIRD三金セッション♪

「加藤さん、それがアリならコレを」と私は何巡目かの予定曲を変更して「ダイアナ(Diana)」をお願いした。参加者として二金や茅ケ崎でお世話になったYumily(as.)が居たのでイントロのサックスソロも頼めたし。「じゃギターの彼にも1コーラスね」と加藤氏。てな訳でノリノリで演っちまった

♪Diana…2022年4月15日SEABIRD三金セッション♪



「ダイアナ」を初演したのは20年以上前の代々木・オリエンタルムーン。その際マスターには「ここは(六本木)ケントスじゃないからね」と言われたが、バンドは皆ノリノリだった。その後も被災地でも何処でも老若男女を問わず盛上がる曲だ。やはり、Oldies but Goodies、ということか。

そして終了間際に女性ヴォーカリストが登場したので、ナビゲータの加藤さんは彼女にソロで1曲歌ってもらってからセッションの最後に朝ドラ「カムカムエブリバディ」を惜しんでか「On The Sunnyside Of The Street」を選曲。これを皆で演奏してジャズセッションらしい終演となった。
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*1:この曲は映画「バック・トゥー・ザ・フュチャー」Part1で、主人公が親の青春時代に行って学園祭でギターの弾語りをし、それを聴いたミュージシャンが急いでC.ベリーに電話して「おいチャック、お前が求めていた音楽だろ!」と知らせる場面が有名。

Saigottimo