東日本大震災では東北地方の被害の大きさに隠れて余り報道されていないが、銚子岬の少し手前に当たる千葉県旭市は地震と津波で死者及び行方不明者15名、329戸の家屋が全壊し3000戸以上の住宅が被災した。

今なお160名の住民の方々が4箇所の避難所で生活をされており、天皇皇后両陛下もお見舞いに訪れている。

そこで、我々「Nostal♪sic」も音楽ボランティアとして避難生活をされている方々を励まそうと慰問公演を申し出、市の職員の方から「2箇所の避難所でお願いしたい」との連絡を戴いた。

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2011年5月7日(土)12時半、レガシイにキーボードや新規購入したローランドのアンプなどを積んで飯岡保健福祉センターを訪問し、担当職員の方とコンタクトした。

「まずチャーシューを食べて行って下さいよ」と強く勧められ、避難所の方々と一緒に炊き出しのツミレ汁と自家製チャーシューを振舞われ、とても申し訳なく思いながらも美味しく頂戴しながら打ち合わせを行なう。

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「最初に近くの海上公民館で13時半から公演を行い、戻ってこのセンターで15時半からお願いします」とのこと。ここでは13時半からアルプスホルンとカウベルの公演をするようだ。買ったばかりのアンプとマイク3本とコネクターを接続し、キーボードと音合わせをすると、どうしてどうして単三電池6本とは思えぬ充分なサウンドではないか。やるなぁ、ローランド・モバイルキューブ!


早速、海上公民館に移動して最初の公演を行なう。

今回のプログラムは通常の童謡・唱歌の間に、昼間の平均年齢が70歳超(若い方達は片付けなどで外出するため)という避難所の方々の世代に合わせた「青春のポップス・コーナー」を設けてポール・アンカの「ダイアナ」やエルヴィス・プレスリーのナンバーなどもちりばめてみた。

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オープニングテーマ(切手のないおくりもの)
♪ ① 春の曲メドレー(どこかで春が/春が来た/春の小川)
♪ ② おぼろ月夜
♪ ③ この道
♪ ④ カチューシャの歌
♪ ⑤ 故郷の人々
  ⑥ ロンドンデリーの歌(ダニー・ボーイ)
  ⑦ ダイアナ
  ⑧ 好きにならずにいられない
  ⑨ パフ
♪ ⑩ 埴生の宿
♪ ⑪ 故郷
♪ ⑫ みかんの花咲く丘
♪ ⑬ 上を向いて歩こう
  ⑭ 見上げてごらん夜の星を
クロージングテーマ(時代)
----------------♪マークがついている曲は歌詞を配布-------------

ここでは資料室という学校の理科室のような場所で、お客さんは7名と少なめ。

でも「ダイアナ」を歌いだすと一番年配と思しき女性がニコッとしたのが印象的だった。

この日、マリースKは友人を見舞った病院でうつされた風邪で鼻水と咳と発熱で最悪のコンディション。

行きのクルマの中で暴睡するも回復せず、途中で咳き込みそうになるアクシデントもあり2回目が懸念される。


福祉センターに戻って2回目の公演に備えると、最初に音合わせをした広い玄関ロビーに徐々に聴衆が集まり、30人近くになった。

「開演までサロンピアノを弾いてよ」とJoejiiにお願いして弾いてもらっていると「里の秋」の演奏に合わせてどこからか歌ってくれるお客さんもいるではないか。

開演から約40分、多くの方々が一緒に童謡を歌って下さり、オールディーズを楽しんでくれた。

また1回目の公演では出演さえ危ぶまれたマリースKは見事に復活し、風邪の影響など全く感じさせない声のハリで、我々に改めてプロ根性を見せつけてくれた。

この公演は他の演者の公演と共にムービーで録画され、その一部がYou-Tubeにアップされた。

http://www.youtube.com/watch?v=1ezL_ZwLlTA

(↑冒頭に自家製チャーシューとツミレ汁の映像あり。そこからスイス民族音楽、

 我々は開始から3分24秒後の後半から「春がきた」「故郷」の2曲分を収録)

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これまで、高齢者施設を対象に公演をしてきた「Nostal♪sic」としては「色恋モノはご法度」という不文律で選曲をしてきたが、今回、敢えて被災者の方々に元気を出してもらおうと青春時代(約50年前)のヒット曲で「色恋モノ」を解禁したのだ。

さて、その結果はどうだったかというと、2回目の公演でも童謡を懐かしそうに歌ってくれたおばあちゃまが、全く違う表情でプレスリーの歌を楽しんでくれていたから、この選択は正解だったのではないかと思う。

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街中は地震や津波の被害など全く感じさせないほど道路もライフラインも問題なく復旧している飯岡であったが、帰途、海沿いの道を走っていると大量の瓦礫が置かれていて、そのすさまじい爪跡の一端を垣間見た気がした。

我々の拙い歌や演奏が被災された方々にとって、ほんのひとときでも心の慰めや元気の素になってくれたらと改めて願わずにはいられなかった。

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