コロナ禍の第三波襲来により、今年はクリスマスも年末の帰省も大晦日もお正月も大幅に自粛ムードになりそうだ。例に漏れずヴォーカリストの私も例年ならこの時期、X'masライブやセッションに参加してX'masソングを何曲か歌っている頃だが、残念ながら今年は歌えそうにないので、思いの丈をこのブログに書く。

 

「X'masは12/25、前日(12/24)の夜がX'masイブ」。これはもはや日本人の常識といえるだろう。だって「イブ」は前夜祭などを指すから大晦日をニューイヤーズ•イブと称してパーティ等で盛り上がったりするしね。でも違うのだ!12/24はX'masイブ(前夜)ではない。えー、そうなの?と、心の中で密かに驚いている貴方!

 

今こそ全ての日本国民に問います。X'masがいつなのかも知らずに「あー12月のジャム•セッションまでに新しいX'masソングを仕込まなきゃ」等とほざいているヴォーカリストの何と多い事か。そんなことでは、チコちゃんに叱られますよ!でも、チコちゃんは知っています・・・かどうか分かりませんがぁ

NHKの公式番組ページから】

 

イエスが生まれた2千年前のユダヤなど砂漠の民は“1日の終わりは日没”、つまり24日の日没時から25日が始まる。従って24日の夜はイブ(前夜)ではなくX'mas当日なのだ(*)。讃美歌106番「あらののはてに」の歌詞は「荒野の果てに夕陽は落ちて妙なる調べ天より響くグローリア!」ね、日没からX'masが始まるでしょ?

(*:イブはEveningの略なので当日の夜をX'masイブと言うのはアリ)

 

さらに言うと、12/25はキリストの誕生日でもない。え、まさか?と思うかもしれないがイエスの誕生日は月日どころか年すら特定できてない。赤道近辺は常夏とはいえルカ伝の記述では真冬ではない様子。では何故12/25かというとローマ帝国がキリスト教を国教にした際“既存の冬至の祭りを降誕祭にしたから”だ。


「お前、そんなこと書いてキリスト教徒に怒られないか?」との心配はご無用。これらは本家本元、キリスト教会の公式Webにもwikiにも記載の公知の事実なのである。驚くべきは“そんな公知の事実を殆どの日本人が知らない事”の方だ。それほど日本の学校教育では宗教に触れる事をタブー視しているのだろう。

 

でも宗教抜きでは国際情勢のニュースが理解できるか怪しい。勿論、経済(おカネ)は世界的な共通言語ではあるし文化的な背景も重要だが宗教(信仰)はある意味命より大事にされるから経済や文化の奥にある宗教的背景を全く理解していないと海外の映画作品だって本当に理解できているとは言い難い


う~ん、これではマズイな」と思った方にお薦めなのは、宗教社会学者の橋爪大三郎氏の本。例えば「世界がわかる宗教社会学入門」などは文庫化もされているし、図書館で無料で借りることもできるだろう。これらを読むと、宗教についての基礎知識がない我々でも世界の宗教事情が分かるように易しく書かれている。

そして私の中学一年の担任でもあった恩師、故・前島誠先生の「ナザレ派のイエス」もお薦めしたい。先生は愛する女性と結婚するために命懸けでカトリックの神父を辞して教師になった変わり種。日本においてはユダヤ教の権威として数々の著作をものし、晩年には前出の橋爪氏にもインタビューを受けたそうだ。

 

旧教(カトリック)は神父、新教(プロテスタント)は牧師だが、神父は飲酒可で妻帯不可、牧師は飲酒不可で妻帯可。これを前島流に「酒か女かどっちかダメなんだ」と教えて下さった。「俺がもしイエスに会えたら『先生イッパイやりましょう!』って誘って一緒に呑みてえんだ」と語った時の先生の嬉しそうな顔が忘れられない。拝。

 

♪聖夜(讃美歌109番「きよしこの夜」) ♪2018年11月30日 都内某スタジオ with 牧かおる・・・同年のX'masランチライブの練習音源

 

Saigottimo