カビーが認めた新生007

1995年 監督/ マーティン・キャンベル

007シリーズ第17作。前作『消されたライセンス』以降、制作会社イオン・プロダクションのお家事情により、シリーズに初めての製作休止期間が設けられました。本来は、前作までのボンド役ティモシー・ダルトンの続投が予定されていたものの、最終的に5代目ボンドとしてピアース・ブロスナンの登板が決定し、シリーズは新たな方向性を模索し始めました。
同時にこれまですべてのシリーズ作品を手がけて来たシリーズ生みの親、アルバート・R・ブロッコリが引退し、愛娘バーバラ・ブロッコリと義理息子マイケル・G・ウィルソンにバトンを引き継いだ作品です。
新製作陣は、監督をシリーズ初登場となるマーティン・キャンベル(『ノー・エスケイプ』)に依頼し結果大成功を収めます!『カジノ・ロワイヤル』で監督再登板となるまで、何度も打診し続けた程、製作陣はキャンベル監督に入れ込んでいたようです。
音楽担当には『グラン・ブルー』『レオン』などのリュック・ベッソン監督作品で、人気音楽作家となっていたエリック・セラを起用。
一新された新しい007は、時代と観客の好みにピタリと合ったようで、作品は大ヒットを記録し、007シリーズの鮮やかな復活劇となりました!


白状します。

007シリーズの大ファンを名乗りながらも、この『ゴールデンアイ』は超がつくほどの苦手作品だったんです。理由はたっくさんありますが、書いていたら無駄に思えたのでバッサリ割愛します!
とにかく!今日久しぶりに観直したら信じられないくらいおもしろかったので、晴れて正々堂々『ゴールデンアイ』レビューを投稿いたします!


【この映画の好きなとこ】

◾︎ピアース・ボンドお披露目
なんとさかさまですよ!コウモリ男!キメまくったブロスナンを予測していただけに、これにはやられた!
好感度上げやがったな

◾︎主題歌"GOLDENEYE"
U2のボノとジ・エッジが作りティナ・ターナーが歌うんですよ!そらもう"ゴールドフィンガー"ばりのインパクトです!


◾︎マシンガンを持つ男
ブロスナンは、マシンガンが良く似合うんですよね!本作以降『ダイ・アナザー・デイ』まで、全てのブロスナン主演作品でその姿を見せるけどマジカコイイ!
オープニングからクライマックスまで何回マシンガンを手にした??それくらい使ってます

◾︎過去作品へのオマージュ
猛スピードカーチェイスで、サイクリングチームを将棋倒しにする場面は、『ユア・アイズ・オンリー』のスキーチェイスで、スキー教室生徒らを将棋倒しにする場面の再現。
と、思われ…

カーチェイスの後、カジノでボンドとオナトップが再会する件は『女王陛下の007』でボンド、トレーシーが再会するシーンの再現。
と、思われます

◾︎マーティン・キャンベル監督の演出
007シリーズは、撮影や編集技法にあえて凝らずに見せて来た節があるけど、本作では面白い見せ方色々してます!特に好きなのが、ボンドとジャック・ウェイドのシーン。
車に乗車したあと、故障した車のカットに切り替わったり、走行する車の遠景に2人の会話音声だけを付けて街の風景を見せ、到着シーンで2人のカットに戻るというような、見応えのある面白い演出が続きます。車内での会話を撮るのが一般的手法だと思うけど、こういう遊びが好きだなあ。

◾︎タンクチェイスで始まる恋
戦車で街中を破壊しながら、捕らわれたナターリアの車を追いかけるボンド!その男気にナターリアが完全にオチた瞬間。
ホント壊し屋
完全に恋する目です

◾︎旧ソ連ミサイル列車
敵組織"ヤヌス"が所有する列車なんですけどなにコレ!?悪の魅力満載でメッチャカッコいいんですけど!実在する列車なのかな?
ウォーズマン×ロビンマスクみたいなカッコよさ
列車内の緊迫シーンはシリーズの十八番!まかせろ!

◾︎天空デート
セスナ機でゴールデンアイ捜索中のこの笑顔!こんなラブラブモードも珍しい!
仕事してね

◾︎対アレック
キューバの森林地帯に出現する天空の塔"ゴールデンアイ"での最終決戦!広大な森林、青い空、白い雲を背景に"地球を感じるクライマックス"を展開!コレ最高におもしろい!!
青空バックのこのスケール感!!
優勢に立ったアレックのこの顔好き
手を踏みつけられたボンドのこの顔も好き!
最高の絵面!!映画館のスクリーンでもう一度観たい

◾︎エンディングテーマ
音楽担当のエリック・セラが書き、自身で歌うエンディングテーマなんですけど、なんとも寂しげ!なにコレ!?けどこの意外性は他作品では決して味わえないもの!つまり本作ならではの魅力になってしまうんです。

トム・クルーズは、『ミッション:インポッシブル』の主人公イーサン・ハントの役作りに、本作のジェームズ・ボンドを参考にしたそうです。それだけピアース・ブロスナン演じる本作のボンドは魅力的だったということですよね。
ピアース・ボンドのキャラクターも、次回作以降どんどん進化しており、ボク的には毎回違うキャラクターと捉えているんですが、ミッション:インポッシブルシリーズの第4作『ミッション:インポッシブル  ローグ・ネイション』と、続く第5作『ミッション:インポッシブル  フォールアウト』のイーサン・ハントは、『トゥモロー・ネバー・ダイ』のボンドをモデルにしてるんじゃないかと夢想し、"そうだよなあ、魅力的だもん、トムクルも真似したくなるよなあ"と勝手に夢想し、ほくそ笑んでおりますよ。

この苦手だった『ゴールデンアイ』を観直すのは、実になんと17年ぶり!まさかこんなに面白く観られる日が来るとはホントに驚きました!時間って色々解決してくれますね。これからもよろしくお願いします。

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ノー・タイム・トゥ・ダイ