007シリーズ第1作『ドクター・ノオ』で、"ジェームズ・ボンドのテーマ"を編曲、演奏した作曲家ジョン・バリー。第2作となる『ロシアより愛をこめて』で全ての楽曲を手がけ類稀なる才能を発揮したバリーは、それ以降シリーズの顔として君臨し続けることになります。続く『ゴールドフィンガー』では、作品テーマとなる"金塊"をイメージした重厚で格調高い楽曲を、『サンダーボール作戦』ではバハマの美しく深い海をイメージした異次元世界を創造。『007は二度死ぬ』では忍者が住む奇妙奇抜な日本を、もう擬音と呼んでいい程のコミック感溢れる音世界で創造し、その完成度をボクはバリーのキャリアにおいての最高傑作に位置づけております!
そして『女王陛下の007』では、シンセサイザーと管楽器を多用したスコアを提供していますが、その印象を一言で表すと"急に垢抜けた感"!!これが『女王陛下の007』の新しい世界観にピッタリ!なんとも鮮烈で印象深いのです!!

都度作品世界を汲み取り、手を替え品を替え前衛的な作品を発表し続けたジョン・バリー。この人ほど映画向きな作曲家もいないのではないかと思いますよ。世界中の映画ファンに訴えかけるそのメロディと、シリーズに決定的なインパクトをもたらしたバリーは、まさに"シリーズの顔"なのです!

そんなバリーが作った楽曲ですが、本編では部分的にカットされたり、一部だけ使われたり、或いはまったく日の目を見なかったりします。そんな本編では決して味わえないディープな作品世界に浸ることが出来るのがオリジナルサウンドトラック = サントラです。ここでは稀代の音楽作家ジョン・バリーの楽曲を主役に据え、その魅力を余すところ無く(ホントかよ)紹介したいと思います!オリジナルサウンドトラックCDの全曲に、楽曲の魅力を損なわないように編集した(つもりの)本編動画と共に、ぜひその雰囲気を味わってください!

素晴らしい楽曲の数々、やっぱフルで聴かないと!!


※既存発売サントラの収録順番を再現しております

1.We Have All The Time in The World〜愛はすべてを越えて

歌うのはルイ・アームストロング!昔は苦手だったけど今はもの凄い味わい!

2.This Never Happened to The Other Feller〜奇跡は二度は起こらず
曲の出だし14秒が、本編ではバッサリカットされてます!超カッコいいのにー!!

3.Try〜愛のこころみ

オトナのジャズ!これ大好き!!

4.Ski Chase〜スキー大追跡

雄大なオーケストラ!スケール感!

5.Do You Know How Christmas Trees Are Grown? 〜クリスマスツリー

子供のコーラスをバックに歌うクリスマスソング。これ冬の新定番にしましょうよ

6.Main Theme 〜メインテーマ

格調高いタイトルバックにぴったりのインストマーチ

7.Journey to Blofeld's Hideaway 〜ブロフェルド捜査

アルプスの雄大さを物語るスコアと、潜入開始で意気込むボンドをマーチで表現したスコアが快調です!

8.We Have All The Time in The World〜愛はすべてを越えて

本編不使用スコア。だけどそんな気がしないのはなぜ?

9.Over & Out 〜すべては終わり

嵐の前の静けさ…緊張感高まるー!

10.Battle at Piz Gloria 〜ピズ・グロリア峰の戦い

ここで奏でられたスコアも印象的!『ダイヤモンドは永遠に』でもアレンジし使われた傑作スコアです!

11.We Have All The Time in The World〜愛はすべてを越えて James Bond Theme 〜ジェームズ・ボンドのテーマ

本編で数回に渡り繰り返されるスコアです。繊細なスロー&メロウスコアは本作のストーリー性を物語ってますね!続くジェームズ・ボンドのテーマ'69は、やはりシンセサイザーが鮮烈でカコイイ!

"あのメロディ、なんの映画で聴いたんだっけ??"と、思う事がよくあります。音楽って無意識のうちに耳と心に摺り込まれるから、思い出せなくてのたうちまわる事よくあるんですけど、映画音楽ってそういう存在ですよね。陰の存在ながら音楽あっての映画だなあとつくづく思います。
ジョン・バリーは007シリーズで11作ものスコアを手がけました。今回は公開50周年記念として『女王陛下の007 』を取り上げましたが、シリーズとしては本作以外にも傑作スコアが目白押しです!!(全部は大変なので)各作品から傑作スコアを少しずつ選曲し、また紹介させて頂ければと考えておりますので…つづく。

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